あーくんの温もり
起きると僕には酸素マスクが付けられていて、夏なのに異常に寒かった。
少しするとあーくんが僕の病室に来て、僕のおでこに手を当てた。
「ひな君結構熱あるけどきつくない?」そう言って僕の顔を覗き込んだ。
「寒い」と僕が言うと、
「まだ上がりそうだな…1回測っとくか」そう言って僕に体温計を突っ込んだ。
ピピピピ
「あーくん何度だった?」と体温計をさっととって表示を見たあーくんに聞くと、
「ひな君本当に大丈夫か?40度超えてるけど…」
「うーん。大丈夫だよ!」
「解熱剤入れとく?上がったらひな君、きついだろ?」
「うん。分かった」
「じゃあ解熱剤と布団持って来るから待っててね」そう言ってあーくんは病室を去っていった。
「ひな君、ちょっとチクってするよ」そう言ってあーくんは僕に点滴の針を刺した。
「あーくん寝てていい?」
「うん。おやすみ」あーくんは僕に毛布をかけて、僕の頭をなでた。
あーくんの温もりを感じながら、僕は眠りについた。
「ひ~な君。夕ご飯あるけど食べる?」とあーくんに起こされた。
解熱剤のおかげで汗は半端ないけど、寒気も解消されたし、熱も下がった。
食欲は少しあった。
「うん。少しなら…」そう言ってご飯を食べた。
半分くらいで箸を置いたけど、あーくんは
「よく食べたな。眠かったら寝ていいよ」そう言って食器持って、病室を出て行った。
あーくんが居なくなると、とたんに眠気が襲ってきて、僕は眠りについた。