キャンプチーム
優と冬夜は、急な階段を上った。
するとキャンプ場が見えた。木に囲まれた平野、体育館ぐらいの木でできた家が1軒、そして200人はいると思われる人々。それを見た優は言う
「うわっ!結構いるねー。」
「そーだな。まぁ多い方が楽しめそうじゃん⁉︎」
「そーだね。」
と優は言うと、冬夜はすぐに優の服を見て言った。
「そういやさ、お前の服暑くない?」
そう言われても仕方ない。優の服装は夏服ではなく、秋から冬にかけての、寒くなってきた時期に着る服だからだ。でも、優はそれを言わないで、
「これ?結構薄いから暑くないよー」と言った。
「そうなんだー」と冬夜は言う。
すると優の後ろの方で、声が聞こえた。優はそちらの方を見てみると、男2人が女子の前にいて、馬鹿にしていた。
「おい三島。なんだその服?お前だけ冬ですか?ははは〜〜‼︎」
「お前なんで、ここにいるの?プクプクのブタちゃんは、早く食用にされなよー」と男2人が言って笑っていた。女子の服は明らかに変だ。長袖のパーカーに、膝まであるスカート、完璧な冬服だった。
しかし、優はその男2人と女子を知らないが、それを見て苛立ち、そいつらのもとへ向かった。
笑っている男2人に向かって、優は大きな声を上げた。
「おい‼︎お前ら、いい加減にしろ‼︎‼︎‼︎いじめてる奴ほど、惨めなものはないぞ‼︎」
それを聞いた男2人は優に切れた。
「誰だよ。カンケーないだろ?」
「カンケーなくても、いじめは許さない‼︎」と優は言った。
すると男2人は、ブチギレした。
「ハァ‼︎?」
「てめぇ、やんのか。オラ?」
それを聞いた優は笑った。
「ここで問題起こしたら、お前ら今日でキャンプ終わりかもな」
男2人は驚いた顔をした。それを見た優は、追い打ちをかける。
「どうする?静かにして、キャンプを最後までやるか、それとも騒いでもう帰るか...」
男2人は、静かになり遠くへ消えた。
優は、緊張感から開放され、ため息を吐く。
「フゥ。よかった。」
「ありがとうございました。」女子が優に、お礼をした。優は、女子の顔を見ながら、言った。
「いいって。僕もこんな服だし、イジメは許せないし、気にしなくていいんだからね?」
女子は黙ったまま、一礼した。
優も一礼して、冬夜のところに戻る。冬夜は優に質問した。
「誰?あのひとたちは。ユウの学校の奴か?」
「え?違うよ...まったく、知らない人達だよ」
「...............まじか」
すると、メガホンを持った人が来て「みなさーん、おはようございまーす‼︎今からチームを決めまーす‼︎こちらで一列になって下さ〜い‼︎」と、叫んでいる。冬夜は言う。
「一緒だといいな」
その言葉に優も答える。
「そうだね」
だが、優は考えていた。1チーム何人なのかを。すると、その疑問は、すぐ晴れた。
「あ、言うの忘れてましたー。1チーム5人でーす。今ここにいるのは、185人ですので、37チーム作りまーす。」とメガホンを持った人が言った。
優たちは、チームを決める列に並んだ。
「引いて下さ〜い」スタッフの人が言う。優は紙を一枚引く。23と書かれていた。冬夜も、同じらしい。優は一安心した。スタッフが23チームの場所へ誘導してくれた。
「ここが、23チームの場所です」
そこは木々に囲まれ、木漏れ日が差し、暑くないとても良い場所だ。
誘導してくれたスタッフが手を上げて呼んでいる。
「早くこっちに来てー」
優と冬夜は疑問に思いながら、走っていく。するとスタッフが
「あ!止まって‼︎そこで後ろ向いて‼︎そのまま、待っててね!」と言って、何かに登る音が聞こえた。優と冬夜は、後ろを向いて待っている。するとズダダーン‼︎‼︎と音が鳴り、
「さぁみなさん、23チームの完成です‼︎私は坂下持地です‼︎よろしく」優は何が起こったのか、把握できていない。
「みんな〜‼︎振り向いていいよー‼︎」と坂下持地が言う。
その言葉に冬夜は、振り向いた。それにつられて、優も振り向いた。振り向いた先には、3人の女子がいた。