サンドラ姉さん
こどもたちは蒸かしたてのポテトのように体中から湯気をほくほくと漂わせ
ツルツル肌は剥きたてゆで卵のよう
みんな裸でバスルームから元気に飛び出して
今夜も暖炉の前で大はしゃぎ
サンドラ姉さんはにこにこしながら
白くて大きなふわふわのバスタオルを両手一杯に広げて待っている
少しだけ乱暴に体を拭いてもらうのが何故かとても嬉しくて嬉しくて
暖炉の前に大急ぎ 順番順番くっついて
くすくす笑いっこ 肘と肘でつっ突きっこ 金髪の巻き毛を引っ張りっこ
サンドラ姉さんにその日の気分にぴったりのパジャマを着せてもらいまたにっこり
仕上げは大好きなサンドラ姉さんが右のほっぺにお休みなさいのキス
左のほっぺにキスされた あの子はぐっすり ずうっと覚めない夢の中
明日の朝にはもういない 忘れておしまいあの子のことは
ほうらバスルームから飛び出すこどものかずはいつもとおんなじ元どおり
ひとーり ふたーり かぞえられる子おりこうさん かずを間違えた子おばかさん
おしえてあげなよ得意げに そうそう かぞえてあげなよ うんと賢げに
サンドラ姉さんはそんなこどもを抱きしめて左のほっぺに 優しくチュ
あーあ 賢いあの子は左のほっぺにキスされて
明日の朝はもうこない 忘れておしまいあの子のことは
右のほっぺは生きるため 左のほっぺは死ぬために
おしえられる子おばかさん かずを間違えた子おりこうさん
サンドラ姉さんはにこにこしながら待っている
白くて大きなふわふわのバスタオルを両手一杯に広げて待っている
暖炉の炎も大きな口を開けていっしょに待っている