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近くて遠い。  作者: 芽以
7/9

あの時の梨木柚香の心情


「暇だなぁ。」


 この時間は授業がなくて暇なので部室に来たのだが、結局誰もいなくて暇を持て余していた。


「お、暇つぶし発見ー。」


 柚香はファッション誌を手に取り、適当にパラパラとめくり始めた。


「と言っても、雑誌なんかすぐ読み終わっちゃうし暇つぶしになんないよーっ。もぉ、誰か来ないのかなぁ。」


 ―――カチャ


「! 誰か来た♪誰だろーっ…。」


 私は、入ってきた人物を見た瞬間胸が高鳴り始めた。


 …ダメダメ、平常心平常心。自然にしなきゃ。


「あ、白坂さんと藤井さんだ!おはようっ。」


 よし、大丈夫。


「おはようございます!先輩も来てたんですね。」


 はぁー、白坂さんやっぱ可愛いーっ。 …私の神経もつかな、コレ。


「そうだよ!誰か来るかなーって待ってたのになかなか来ないから、この時間は1人かと思っちゃった。」

「ちょっと実希とおしゃべりしてたら来るのが遅くなっちゃって、待たせちゃってすみません。」

「ううん!来てくれてありがと。白坂さん。」


 白坂さんが来てくれただけで、待ってた時間とか全部ちゃらだよー。


「ちょっとちょっと、アタシもいますよ先輩!」

「ふふっ、もちろん藤井さんもね。2人とも来てくれて嬉しいよー。」

「こちらこそ!先輩がいてくださって、超ハッピーですよぉ。ねっ、真菜!」

「真菜?」

「えっ、あ、あぁっ!うん、そうだね!」


 こういうぼーっとするところも可愛いなぁ。


「それじゃ、せっかく2人が来てくれたことだし、部室にあるものの説明でもしようかな。どうせ今度の活動で説明しなきゃだし。覚えてる子がいてくれると助かるな。」


 何かしてないと私の神経がもたないからね…。説明してたら少しは気は紛れるかもしれないし。というより、部活の先輩として教える責任があるもんね!


「…で、これはこうやって使います。」


 ! うはぁー、白坂さんその顔…


「……かわいいね。」


 はっ!うわ、どうしよ!口に出して言っちゃった!


「!?え、えぇっ?」


 わぁ、めっちゃ動揺してる。動揺してる白坂さんも…じゃなくて!なんで言っちゃうんだよー、私のばか。…いや、女の子に対して『かわいい』って言うのなんてよくあることじゃん。普通にしてればいいんだ。普通普通…。


「ん、なんかね、口が開いてぽけっとした顔してたから。」

「なっ、!?」


 ふふっ、慌てて口隠してるー。顔真っ赤だよ。


「今隠したって意味ないでしょー。」

「う、うぅ、だって!」


 目、うるうるだぁ。白坂さんの目ってまさに“少女”って感じで、すっごく純粋で綺麗な目してるんだよね。あと、白坂さんの困り顔は一種の兵器だ…。もうほんっと可愛いなぁ。ずっと見てたいよ。




 私、ほんとに白坂さんのこと大好きだな。




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