少女
自然と風が抜けていく・・・
朝だとわかったのは意識があってから何分かしてのことだった。
夢に見たことが身体に疲労として残っていた。
「だる・・・。」
夢の中の少女はいったいなんだったのか?
ただ、少女はどこかで覚えがある気がした。
ベットから立ち上がりふらふらとおぼつかない足取りで、パソコンへと向かった。
起動は遅く、その間にまた眠りそうになってしまった。
『今日は、雨か・・・。』
土砂降りの雨を一粒一粒眺めぼんやりした先には紫陽花が咲いていた。
『もう、梅雨なんだな。』
パソコンがやっと最終段階までやってきた。
しかし、まだ砂時計があった。
『俺が、引きこもり始めて一ヶ月か・・・。みんなげんきにしてっかなぁ・・・。』
俺は、一ヶ月前に引きこもりを開始した。
どうしてかわからないが、いじめもなければ成績が悪かったでもないし。
ただ、間がさした。
簡単に言えばそうだけど、奥には幾千もの理由が眠っている。その理由を唱えるだけ時間の無駄だ。
だから、誰にも告げずに来た。
理解の度を越えていると、何人もの人に言われて自分探しの旅に出ているところだ。
もう、諦めがついたのか誰も寄ってこない。
死んだんじゃないか?なんて思っているやつも一人や二人いるはずだ。
しかし、今は『旅の真っ最中だ。』
途中でなんて引き返せない船旅なんだ。
方向も見失うほどの荒海で俺は一人の航海をしている。
誰の、邪魔さえ手助けすらないこの道を・・・。
気付いたらパソコンは再起動状態になっていた。
また、やりなおしてスイッチを押す。
『あの、少女は何者なんだ?』
ふと思い出すのは少女のこと。
だが、またいつ現われるのかもわからないことで考えている時間は惜しかった。
『人間』
そのことを考えるので精一杯であった。
『おにいちゃんはどこにもいかない?』
気付いた時、そこは、山小屋らしきところだった。
「おにいちゃん?」
目の前には、あの少女。
「君・・・また夢の中か?」
「私の名前はリッツ。さっき言うのを忘れていたけど、精神をつかさどる神の一人です。」
・・・神の一人?
「私は、あなたにお願いがあってお呼びしました。」
「お願いって?」
「それは、あなたに神になってほしいのです。それには色々あって、まだお話出来ないんです。」
この少女は、さっきの子なのか疑った。こんな大人びた喋り方はしなかったし、第一神だなんて・・・どこかの宗教団体じゃあるまし。
「お断りします。」
俺ははっきり言う。
「そうですか・・・。きっと、あなたなら『自分の道』を見つけるための手助けになると思ったのですが・・・。」
「『自分の道』?」
「はい。」
俺は悩んだ。こんな怪しいところに入っていいものなのか?それに、この世界から帰ることは出来るのか?など、たくさんあるが・・・『自分の道』を見つけ出したいと思っている。
「・・・様子を見させてもらってからなら・・・。」
「はい!」
そして、とりあえず俺は神の見習となった。
どんどん訳のわからないほうへと進んでいますが、なんとかまとめて最終話に向けていきたいと思います。