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私と犬(アナタ)の世界で  作者: 暁理
第一章 プロローグ
1/60

1. 閉ざされた記憶

簡単な登場人物紹介です。

この段階で話の展開に不安を覚えられた方は、ブラウザバックで御戻り下さい。


彩藤叶湖さいとう きょうこ:現在2歳

本作ヒロイン。

情報屋を営む傍ら、猟奇殺人を繰り返していた。痛いのが苦手な性格破綻者。


桐原黒依きりはら くろえ:現在2歳

本作ヒーロー。

元・天才暗殺者で、叶湖に拾われてポチ(犬)となる。こちらも性格破綻者。

女の叫び声。すすり泣く音。


……あぁ、鬱陶しい。


赤々と燃えあがる炎。狂った笑い声が聞こえる。


……あぁ、これは……。記憶?



カチャリ、と鍵のハズれる音がして。

そして、私の頭の中で何かがはじけた。







――『叶湖さん。アナタはどうして僕を助けたんです?』

――『顔が好みで、悲鳴がドンピシャだったから……です』

時代遅れの暗殺者組織を満身創痍で逃げ出した元暗殺者と、それを拾った一見普通の連続猟奇殺人犯。

2人の物語が、映写機のように頭の中で流れていく。




――『今現在のアナタの立場は、私の拾得物です。拾得物のお礼、1割分を私がアナタで楽しんだ後は、アナタの人権をお返しします。それまでは、アナタの人権をはじめ、生殺与奪の権利を含む全ての権限は私のものです』




出会いは偶然。そして最悪。

――『性格悪いって言われない?』

――『残念ながら、『いい性格』としか言われたことがないんです』




マイペースで自己中な殺人犯に、しかし孤独の暗殺者は間もなく捕らわれて。

――『ちょっと、躾に失敗……? あら? ある意味成功なのかしら?』


――『僕はアナタが好きなんです。僕を見て。僕を認めてください。叶湖さんだけ居れば、他は要らないんです』

――『だから嫌なんですよ。懐かれると面倒だ』




そしてその絆はやがて2人の間に愛としてあらわれる。

――『そんなに大事?』

――『ペットに名前をつけると情がうつるんでしたっけ?』




――『叶湖さんのために、廃業したつもりだったんです。けど。叶湖さんから僕と言う所有物を断りなく奪う人は、僕の敵以前に叶湖さんの敵です。だから。……殺してしまってもかまわないでしょう?』


――『黒依は私のものです。名前で呼んでいいのも私だけ。……私のものを、私の許可なく、私以外のものが害すなんて。私は一切許容も我慢もしませんよ』




似たもの同士の恋人へんじんたちの世界は、そして……。

――暗転した。








「あ、起きたね、叶湖」

「……どちらさまですか?」


あぁ、ここはどこで、私はどうして縮んでいて、そして、アナタは一体ダレ……?

10代半ばの少年の腕で抱きあげられたまま、叶湖は内心で深く息を吐き出した。


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