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あなたを探して~今日から重世界で生活します~君を探して  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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ひずみ

「うん、大丈夫だと思うよ。一応確認取るけど」


一瞬、悠斗の顔が浮かんだけど、人間そう簡単に恋に落ちたりしないよね?


弟の幸せは大事だけど、莉々華の幸せだって大事で、どこから恋が生まれて育つのかなんて、当人にだってわからないだろうし。

何より莉々華の場合、たまにはリアルの人間(異性)と会話しておかないと二次元にどっぷり浸かって、リアルの人間は老けるし臭いしダサいしで嫌とか言いだすから。


そんなことを考えつつも莉々華に

メッセージを送って確認したら、


「・・・いいけど」

ってすごく後ろ向きなオッケーをくれた。


「・」が何個あるかで後ろ向きな気持ち具合を測るなら、3つなのでまあまあ大丈夫だと思うことにする。


「よし!行こう」


「おっしゃ!」


□  □


‐Side 玲央‐


流行りの異世界メシならどれだけシューバが美味しさに感動しているかを伝えるんだろうな。

まあ簡潔に伝えるなら、最初は顔をしかめていたけど、じわじわ味に慣れてきたのか替え玉した。以上。

それよりもひなたが涙流して食べてるほうが気になる。


「おまえ・・」


「だってひさびざなんだびょう」

ちゃんと喋れ。


「このあと、いくつか店を回ってもいいか?」


あいつらにお土産を買いたい。食べながら2人とも頷いてくれた。

そっからあちこち回ったんだけど、シューバが電化製品に興味が爆発していちいち質問に答えてたら進まない進まない。ここは明日また来ることにして本屋に回ったら「破廉恥だ」って顔を背けちゃったんだよな。漫画雑誌の表紙だぜ?


そりゃ俺だってこの電子図書の時代にこんなのわざわざ買うの恥ずいって。

三兄弟のために下品すぎないのを探したいけど確認できない。こうなったら適当だな。ついでに気になってたアイドルの写真集も。

レジで積み上がった雑誌がエロ系を主張しすぎているから、俺はそういうのの関係者だぜって涼しい顔をしておいた。


まあ、無駄だけどな。


俺みたいな奴は結構いるだろうという希望的観測。

俺は上下を真面目な本で挟んで誤魔化したりしないぜ。堂々とエロい本を買いたい。エロい本しかいらない。俺はエロだ。


レジを終えたとき、何かがものすごく消耗していた。

くっそう、シューバの枕元にそっと置いておいてやる。


「これとこれ、今晩読ませて」


ニコニコと嬉しそうにひなたが言ってきた。お前は俺の上位互換か。思ってた以上に時間が経ち、一旦俺の家へと向かうことになった。


□  □


「ふむ」


重なりあったこの世界で、引き寄せ合う磁石のようにくっついているのかと思えば、反発の力がたまってきている場所がある。


「だいたいこのあたりか」


繁華街に近い。


ちょいちょいと指先で弄ってみると、何かがある。


「ゴムみたいにいきなり切れなければ大丈夫かのう・・」


さらにおかしなものか入り込んだ様子はないし、向こうから届いた紐は少し組み直して強くしておいた。


「さて、どう反応するかの」


□  □


‐Side 環‐


いい感じ。


軽く自己紹介した後、お互いラーメン好きだったこともあって、2人がとても楽しそうに話している。

うんうん。これぞ健全な青春って感じ。悠斗ごめん。もしかしたらこの2人はとてもお似合いかも。弟への応援なんてこんなもん。頑張れ、弟。


2人で話してくれているので、異世界側へと意識を少しだけ向ける。

このあたりは・・・

集中してみると、なんと墓地だった。


そして、墓の上にうすい人がたまにいる。


なるほど。異世界側というだけでも薄く見えるのに、さらに薄く見えるのか。つまりそれは私がそう見ているだけなんだけど。


お墓の人たちは特になんということもないのに、背筋がゾクリとしてふと足元を見ると、おびただしいほどの骨が見えた。


「えっ」


思わず出したこえに莉々華が


「どうした?」と声をかけてくれる。


「あ、ううん。何でもない」


少し顔色でも悪かったのか、莉々華が耳元で


「また裸体でも並んでた?」


と尋ねてきた。


「ふは」


背筋が寒くても笑ったら、骨の映像が消えて意識がこちらへと戻ってくる。


「大丈夫」そう笑って答えたら、また2人で話し始める。


もうしばらくはこちらに集中しておかないとと思ったのに、前を歩く菊地くんの足を骨が巻き付くように掴んでいるのが見えた。



□  □


‐Side 玲央‐


「まあ入ってよ」


「おお、綺麗にしてるんだな」


それなりに整えてあるから、それなりにおしゃれだろうとは思う。それなりにってとこがまあ・・それなりなんだけど。



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