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あなたを探して~今日から重世界で生活します~君を探して  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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在り方とお尻

□ □


‐Side 環‐


「今見えてるものを説明する前にさ、莉々華の話をちゃんと聞きたい。そのかっこいい人についてまだ話しきれてないんじゃない?」


「あー・・まあ、疑似恋愛というか。素敵な人がいて、恋になるかも?って状況を妄想して楽しんでるだけだから。特にこれ以上話すことはないかな」


「え・・そんな風に思ってたの?」


「そうだよ。現実の恋愛ってシビアだし。リアルの男性より、アニメやゲームのキャラに恋してたほうが楽しいしお気楽でしょ?だけどたまに思うの、この若さでそれでいいの?って」


「まあ、私も恋愛してないしなあ。キャラにハマってなくても」


「そんな風に少しこう・・不安な方へと思考が傾いたときに、リアルの男性にときめく自分が貴重なわけよ」


「わかる」


「で、その人とどうこうなるなんてありえないのはわかってても、こうやって恋してるかのような話をして、少し乙女色に包まれると安心できるってわけ。あー・・私も普通の部分あるよね、うん。って」


「恋愛しなきゃいけないなんてことないのに、全く無しで楽しく生きていられると、これでいいのか?って声が聞こえてくるよね」


「誰からの何の声なんだって話だよね。自分で自分に誰かの常識を押しつけてどうするんだって」


「うん」


「だからいいの。あー強いて言うなら、その人の肌感がさこうホクロがいい感じにあって、ホクロって魅力なんだなって思ったってぐらいかな。ほら、キャラのホクロってたくさんは描かれてないでしょ?ワンポイントとして描かれることはあるけど」


「あー!そうだね。リアルだとホクロ多いタイプからほとんどないタイプもいるもんね」


「そうそう。で、いつものように私の推しのネイネイの目元のホクロがたまらないって話にきっとなるから」


「あはは」


「だから大丈夫。とことん環が見ている世界を話して」


「うん、ありがとう。始まりはエイプリルフールなんだけど」


そこからはじっくりと今何が起こっているのか、何を見ているのかを話していった。お尻を見ながら。


□  □


‐Side 玲央‐


「じゃあ・・ほんとに俺があいつであいつが俺?」


「そうじゃな」


「いや、うん・・まだ完全に理解はできてないけど」


「それはこれから聞けばわかるかもしれん」


「なにを?」


「なぜ、同じだと分かったのか」


「あ。そうだ」


説明してくれというつもりでひなたを見たが、少し俯いて動かない。


「もう少し時間がかかるようじゃの」


「そっか。んじゃシューバ!」


「?」


ゆっくりとこちらを見るシューバに


「俺の質問に日本語で答えてみて」


「?」


「シューバは胸派?お尻派?」


「は?何がだ」


「「おおーー!」」


シューバの口から日本語の音が聞こえた。しょーちゃんと一緒に拍手したが


「・・・ん?」


「どうした」


「シューバが日本語で答えた、で合ってる?」


「合ってるが」


「だよな?」


「?」


「なんかこう・・字幕感は残ってるからちゃんと俺の耳が音として聴いてるのかわからなくてさ」


「ほう、それは面白いの」


「面白い?」


「ふむ」


少し斜め上を見て黙り込んでしまったしょーちゃん。すぐに答えを教えてくれる感じじゃないな、これ。


「で、胸派?」


「もしかして、いやもしかしなくても、女性のどこに魅力を感じるか?ということを訊いているのか?」


「そうだよ。って、今は日本語じゃないよね?」


「言いたいことが増えると無理だ」


「へー」


「ったく、このレオの世界はどうなっているんだ?そんな失礼な話題を平然と人前で話すとは」


「え!失礼かな・・?あの三兄弟も普通に喋ってたよ?」


「自分から相手のどこに魅力を感じるのかを自発的に話すのは何もおかしくないが、人に性的嗜好を尋ねるなんて失礼すぎる」


「・・そう言われてみればそうかも?」


「2人きりでお酒でも飲んでいて、なにかそういうことで困っているからこその質問ならまだわかるが」


「ごめんなさい」


男子のノリでよくある話題だし、雑誌に載ってるモデルで誰が好みかせーので指さそうぜみたいな、軽くて楽しい話題かと思っていたけれど、言われてみればそんなことを答えるのも嫌だと思う人間もいるだろうし、そこに好みのタイプなどいないかもしれないのだ。失礼とはなんぞや状態である。


もしかして俺って生きてること自体が恥ずかしいんだろうか。


「俺は胸派!」


前からでっかい声で元気よく答えられた。


「ひなた・・」


「レオっちは?」


うわ、すっげー深いよシューバの眉間のシワ。


「シューバごめん、ちゃんと今後気をつけるから一旦見逃して」


手を合わせて謝っておく。


「俺はお尻が」


「え!?そうなの?」


俺がお前でお前が俺なら、フェチ部分も共通してるんじゃないのか?

おそらく俺らは同じことを疑問に感じていた。

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