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あなたを探して~今日から重世界で生活します~君を探して  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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おしりの行列

これも少し下ネタでしょうか。苦手なかたはご注意ください。

□  □


‐Side 玲央‐


「いや・・えっと・・別々の身体に別々の精神なんだから別人であることは確かで」


「人類みな兄弟じゃ」


「は?」


「玲央っちはワシでもあり、ワシはシューバっちでもある。つまりワシ、イケメン」


「爺・・」

「しょーちゃん」


「ふぉっふぉっ。楽しいのう」


「生まれたときに生き別れた双子とか?そういうこと?」


「おおー、新しい人類の玲央っちが珍しく昭和の考え方をしておるの」


「え、なんか嫌」


「ふぉっふぉっ」


さっきからしょーちゃんが茶化してくるから余計混乱する。でも、生き別れの双子でもないってことだなと確認のためひなたのほうを見る。


何か考え込んで遠くをみるような目をしているが、・・顔は似てないよな?

背丈や体つきは似てるっちゃ似てるか。

まとってる雰囲気はどこか軽薄な感じがするな。俺は軽いと思うがそういう意味で軽薄だったことなんてないぞ。


「世の理とか知らねーけどさ、なんとなくこう・・輪廻転生的なものがあるとして、同じ時代に2つに分かれて生まれてくるとかないイメージなんだけど」


「ふむ。思い込みじゃの」


「そうなの?!」


「なぜ、一度に1人でないとならん?誰が決めたんじゃ。なぜ同じ地球に生まれちゃおかしい?異世界が重なるような時代や世界なのに」


「あ・・」


そうだ。何があってもおかしくない。俺はその異世界に行って2回も帰ってきているんだから。


「やだ俺ったら昭和握りしめてた」


「昭和に生まれてないのにのう」


「いやそもそも昭和ってそんなに悪いもんでもなくね?」


「悪い良いではない。単に過ぎた古い時代だというだけじゃ」



□  □


‐Side 環‐


迫りくる危機に慌てて顔を手で覆って立ち上がる。

自分の素早い反射神経にびっくりしつつ感謝した。


「ちょ、どうしたの?環いつも以上に変だよ」


「・・・うん」


「話、聞くよ?」


珍しい。莉々華はいつも自分の話をしがちだ。それを聞くのが楽しいから、私はあまり話さない。


「ちょっとね・・変なものが数日前から見えてて」


「うん」


「驚かないの?」


「なんか私とは違うものを見てるなってずっと思ってたから」


「あー・・そっか」


やっぱりわかってて触れないでいてくれたんだ。


「今、裸の男性がずらりと並んでるって言ったら信じる?」


「今?」


「うん」


「ここに?」


「・・うん」


「うっそ、それどういう状況!?」


「わかんない」


「え、あ、だからアイマスク!」


「そうなの」


「見たくないよね」


「うん」


「これ、男女逆なら喜んでるんだろうね」


「あ、それ私も思った」


「あるあるだよね。私の好きなアニメでもどんだけ女性への体に憧れ抱いてるんだよってシーンあるし」


「女性は男性の裸へのそういう願望ないよね?」


「・・・」


「え、あるの?!」


「人によるんじゃない?高校のときの友達に1人、筋肉への異様な執着を見せる子がいたよ」


「あ、なるほど」


「今、どういう状況なの?」


「やだ、見たくない」


「ずらりと並んでるって言ったよね?・・位置を変えたら大丈夫なんじゃない?」


そういいながら私の手を掴んで立ち上がらせ、どこかへ引っ張る。


「ちょ、目を瞑って歩くの怖い」


「大丈夫大丈夫、足元には何もないから」


「ゆっくりね」


こわごわと何歩か進んで止まり、肩を掴んでくるっと向きを変えられた。


「こっから見たらお尻ぐらいは見えるかもだけど、セーフな角度かも?」


「・・・」


恐る恐る目を開けると、本当にお尻が並んでいて、1人、また1人と壁へ吸い込まれていく。


「まあ・・見たくはないけど劇的に視界は改善された」


「あはは、良かったじゃん」


「なんか並んで1人ずつ壁に吸い込まれて行ってる」


「へえ、なんかの検査とかシャワーの順番的な?え、でも幽霊って風呂入るかな。成仏待ちの行列?え、成仏するのって裸じゃないとダメなの?ちょっと笑っちゃうんだけど」


「・・幽霊じゃないよ」


「え、そうなの?てっきりそういうのが見えてるのかと」


「違うの」


私が裸体を見てることにもこんな風に動じずにいてくれる親友に、全てを話してしまいたい。ずらっと並んだお尻をみながらそんな風に思った。おしりも可愛くは・・ないな・・



□  □


‐Side ひなた‐


人間の使っていない脳の領域を少し刺激すると、蓄積されたものが活かせるようになると気が付いたのは3年ほど前。まずは自分の脳で試してみたら、理解できる言語が増えた。喋ることはできなくても、読むことはできる。例えばラテン語。ラテン語が読めるようになると、イタリア語やフランス語もなんとなく理解できるようになった。帰国して、アイビーちゃんに試すまでは効果がわからなかったけど、彼女には蓄積されているものが極端に少なくて、日本語の記憶領域はないようだった。


シューバっちが日本語を理解しているのを見て、彼なら必ずあるだろうと思った。実際まだ黙ってはいるが、なんらかのアップデートはできたように思う。


そして玲央っち。彼の脳を刺激してみたら、こちらに流れこむように記憶が浮かんだ。

そのひとつひとつ、俺は・・知っている。


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