ラブレターは素敵なラブコメの予感
今日は安全安心の“しろかえで”です(*^^)v
下駄箱の前に立って、私は「ふわあ~」と欠伸をかみ殺した。
その欠伸の原因は……背中のリュックの中で教科書より物量を取っている『箱入りの娘』全13巻!!
昨日、親友の千景から借りて一気読みしてしまったのだ!!
感動の涙と寝不足にやられて私の目は真っ赤!
ところが!下駄箱を開けた私はその目を大きく見開く事となった。
なんと!!
ミントグリーンの封筒が入っているではないか!!!
『なんじゃこりゃ~!!』である!!
えっ?!えっ?!えっ?!
ラブレター??
まさしく“爆弾”が仕込まれたみたいで……
私は“処理班”よろしく手袋の指で封筒の角をつまみ、そっと持ち上げた。
ちょうど上を向いていたのが裏面で、差出人が誰か分かってしまった。
『和田芳政』……3組のコだ!!
なぜ知っているかと言うと3組で学級委員をやってる千景の相方だからだ。
千景を通してその人柄は何となく聞いていたが……私に“オンナの勘”と言うのがあるのなら『この二人、いずれくっ付くゾ』って感じだったのに……
いったいなぜ??!!
恐る恐る封筒をひっくり返すと
『桜井洋輔 様』
というあて名書きが!!!
「ゲゲ!!」
って!
思わず声が出てしまった!!
柄はシンプルだけど特別感がバリバリのこの封筒!!
まさしく男の子が書くラブレターにぴったり!!
という事は……
BL??!!
腐女子的な私の頭の中ではBLのフィルターで美しく清められた“あられもない”二人の姿がチラチラしている!!
「ちょっと待って!! これはどういう……」
下駄箱に視線を戻して合点がいった。
同じクラスの桜井くんは……下駄箱が丁度私の隣なのだ!
「良かった! 間違えられただけだったんだ!! けど……」
目の前に千景の顔が浮かぶ。
カノジョに和田くんが桜井くんに“告った”事実を伝えるべきが否か……
とにかくこの手紙は直ちに桜井くんの下駄箱に突っ込むべき!!
慌ただしく桜井くんの下駄箱の扉を開けようと手を伸ばした時
「何してるの!」
と後ろから声をかけられ、私は持っていた手紙を後ろ手で隠した。
「桜井くん……おはよ」
「そこ! オレの下駄箱だよ」
「えっ?! あれ、そっか! えへへへ間違えた!! ごめんねー!」
私、とにかく大急ぎで靴を履き替えてその場を離れた。
勿論、手紙を隠し持ったままで
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頃合いを見計らってもう一度下駄箱に戻り、ラブレターを投函すればいい!!
ただそれだけの事なのに……
私の胸の内にドンドンと暗雲が立ち込めて来る。
最初は『私と同じ腐女子脳の千景が、桜井くんと和田くんの関係をどう感じるのだろう??』って思いだったのに
気が付くと
私は桜井くんの姿を目で追っていた。
『桜井くん! 女子人気も高いからなあ……ましてや男子からラブレター貰うなんて……ますます私には遠い存在だ……』
心の中で呟いて、ハッ!と気が付いた!!
無意識に自らの心に蓋をして表に出さない様にしていた想い……
『すき?!……桜井くんの事……好き!!』
浮かび上がった言葉にたちまち気持ちが爆発して、涙が頬を伝う……
「止めなきゃ!! 涙を!! 心を!!」
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『ここまで来てしまったらもうこれしか無い!!』と……
放課後の屋上に桜井くんを呼び出した。
「私のところに誤配された手紙を渡すね!!」
怪訝な顔をする桜井くん……
その様子に……また泣きそうになるのを必死に堪える。
「ごめんね! 宛先と差出人を見ない訳には行かなかったから……そして見てしまったら二人の秘密は守らなきゃいけないって思ったの!」
こう前置きして桜井くんに手紙を差し出した。
ちょっと首を傾げはしたが彼ら二人の仲なのだろうか……桜井くんは私の目の前で封を切って手紙を広げた。
私はいかなる理由でもそれを目にしたくは無かったのでギュッ!と目を瞑った。
やがて手紙を折りたたむ音が聞こえて、私は桜井くんから声を掛けられた。
「佐藤さんはこの手紙読んだ?」
私は目をしっかり瞑ったまま首をブンブン振る。
「読まない!見ない!二人の関係には立ち入らない!!」
「プクッ!」
カレはちょっと吹き出したみたいだ!
怒れないけど悲しくなる。
涙がじんわり滲んでしまう
「佐藤さんに読んで欲しいんだけど……これがいたずらかどうか確かめたいんだ」
私は薄目を開けると予想以上に桜井くんの顔が間近で……ドキドキしながら便箋を受け取った。
そこには見慣れた千景の文字が綴られていた。
。。。。。。。。
突然の手紙でごめんなさい。
私と和田くんの読みが正しければ、この手紙は美咲によって手渡されたのだと思います。
<この一行に思わず顔を上げたら桜井くんの目が優しい……一体この先に何が書かれているのだろう??>
桜井くんにはこの間バレてしまいましたが、私と和田くんは……こうやってイタズラを企むほどの“仲良し”です。お休みの日は一日中二人で居たいけど、私は美咲とも……和田くんはあなたとも遊びたいのです。
で、この問題を解決する一番の方法は、『Wデート!!♡』
幸い美咲はあなたに惹かれています。(実はかなり重症です)
<あ、ここだけ字が違う>
このあいだ言ってた『クラスの気になる女子って佐藤さんだろ!』
これはもう!!
私達がお互いのラブレターを代筆するしかないという事になり
このようないたずらを仕掛けました。
ゴメンナサイ<m(__)m>
でも美咲は見たそのままに可愛いだけではなく
とっても優しい子ですから……
桜井くんにピッタリだと思います!!
絶対お勧め!!
花マルで~す!!(^_-)-☆
。。。。。。。。
私、“ラブレター”握ったまま固まっちゃって、体温が3度くらい上がってると思う!!
桜井くんも顔真っ赤だし……
ふたり、しばらく黙り込んでしまった。
いきなりビュウ!!と吹いた冷たい風から、桜井くんが私とラベレターを庇ってくれて……
そこからようやく会話ができた。
「ごめんね!立たせっぱなしで!」
「ううん! 風をよけてくれてありがとう」
「ラブレター!今度はちゃんとオレが書くから!!受け取って欲しい!!」
そう言われて私はもうただただ頷くだけで……
この後、マッ●で、お互いのラブレターをお互い校正しあって『盛り盛り』に仕上げたのだった。
おしまい
このお話に出て来る子達は『ラブコメを地でやらされる不条理』の主要キャラから取りました。
本編では和田くんと田中さん以外は不幸フラグの予感バリバリで頓挫(-_-;)
なので代わりとして幸せな4人のお話を書きました。
ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>




