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エピソード5 帝会議

 最近勇者君が調子に乗ってるらしい。

 

「帝になってクラスメイトの女の子とイチャイチャして、冒険者ギルドでも大活躍らしいぞ」

「流石主人公、補正が効きまくってるねぇ」


 最初は楽しく見ていたが、最近はなんか恵まれすぎてて腹が立ってきた。

 やはりギルドで調子に乗らせたのが失敗だった。






「拙者、ちょっと勇者君の様子見てくるで候」

「吾輩も付きそうで御座る」

「私は遠慮しときますね」


 ノリが悪いで御座るよルシ衛門。





 僕の名前は神代流星。この世界ではリュウセイ・カミシロだ。


「リュウセイ君、一緒に帰ろっ!」

「ごめん! 今日はこの後予定があるんだ」


 途端にしゅんとなる彼女の名前はアイリス・シャイン。彼女の家は光属性を得意とするシャイン家だ。


「またなリュウセイ!」

「じゃーねー」

「さようなら」

「ばいばい……」


 声をかけてきたグレンとマーク、そしてメアとリリアは、それぞれ火風水闇を司る名門貴族の人たちだ。

 彼らは皆、成績優秀者が集められるSクラスで一緒に授業を受ける僕のクラスメイトだ。


「皆、また明日!」


 そう声を掛けて皆と別れる。皆には悪いけど、今日は「帝」としての会議に出なきゃならないんだ。








 王城にあるとある一室で、この国の魔法使いのトップが集結していた。楕円形のテーブルには既に指定されたそれぞれの席に皆着席している。

 火帝、水帝、風帝、土帝、光帝、闇帝、全帝、そして僕、総帝の計8人だ。


「全員集まったな……それでは、帝会議を始める」


 そう声を発したのはこの中でリーダー的存在である全帝だ。僕には及ばないけど、基本4属性を扱い、王様から全帝としてかなりの信頼を得ている人だ。


「皆に紹介しておく、新しく帝になった総帝だ。」

「よろしくお願いします」


 僕も含めて皆さんそれぞれの色をしたフードを被っているので、顔色が分からないけど、あんまり歓迎されてないみたいだ。

 僕の紹介も終わり、本格的に会議に入った。内容は国の治安の改善や魔物の討伐、そして他国の動きなど、なかなか難しい内容だった。


「おい総帝、ちゃんと聞いていたのか?」

「え? いや……」

「新入りだからってあんま調子こいてっとぶっ潰すぞ!」


 突然、火帝が僕に怒鳴り散らしてきた。確かに少し話を聞き流していたけど、そんなに怒らなくても良いと思う。


「落ち着け火帝、総帝も帝としてまだ慣れていないんだ」

「ちっ」


 全帝さんが庇ってくれた。後でお礼を言っておこう。


 そうして会議を続けようとした時……テーブル中央の空間が歪んだ。


「どうもみなさんこんにちわ。私は魔王軍幹部、暴虐のウェルガンク。早速ですが君達には……死んでもらいますっ!」

「くっ! 全員伏せろっ!!!」

「っ!?」


 敵の攻撃をなんとか避け、帝たちがすぐさま戦闘態勢になる中で、僕だけが一人現状についていけていなかった。


「私の目的は勇者なのですが……この中に心当たりのある人は?」

「……」


 こいつの目的は……僕なのか?


「どうやってここに入ってきた。ここには強力な転移防止結界が張られていたはず」

「結界? 知りませんね。そんなことより勇者ですよ。ここにいると……」

「はっ!」


 全帝が攻撃を仕掛けた、それに続いて他の帝もそれぞれ魔法を放つ。

 いくつもの魔法が奴に当たり、煙で晴れたそこには……無傷の奴がいた。


「かゆいですねぇ……」

「くそっ! 俺が防御結界を張る! 全員被害は考えず魔法を放てっ!」


 帝の皆さんの攻撃が効かない。

 暴虐のウェルガンク、こいつ……強い。


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