表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/9

エピソード4 総帝

「なんか勇者君仲間増えてね?」

「年齢的に今は王立学校に通っているからな、クラスメイトだろ」


 今日も暇なのでマオと一緒に勇者君を見に行ってみると、なんか楽しそうにお喋りしているではないか。


「見ろマオ、あそこだけで戦隊ヒーローつくれそうだぞ」

「なにその単語、俺初知りなんだけど」


 勇者君の周りには色とりどりの髪色をした少年少女がいた。赤、青、黄、緑、黒、白……ってあれは王女ちゃんか。


「随分とのんびりしてるな、俺の時は早速実践だったぞ」

「あの時はほら、人族と魔族でドンパチやってたし」

「平和な世に生まれた勇者か……いる? 勇者なんて」

「まだ魔族は残ってるしな。俺が死んだだけで」


 勇者のおかげで魔王が打倒され、人々は安息の日々を取り戻した……ことになっている。実際は魔族はまだ諦めてないし、そういう意味では今回の勇者召喚は保険かな? それとも他国への抑止力か。


「魔王生きてるっていうね、ついでに英雄もここにいるっていう」

「英雄言うな、生き恥じゃい」


 何が、人々を守るために命を懸けた伝説の勇者だよ。本当は俺しかまともに戦えないからって押し付けただけじゃねーか。

 都合のいい歴史操作には呆れてものも言えんわ。


「おぉ、死んでしまうとは情けない。可哀そうなユーシャ君には死して語り継がれる名誉をプレゼント」


 マオの謎に上手い国王のモノマネ無視しながら、勇者君一行を見つめる。

 ルーシー情報によれば、最近勇者君は「総帝」に就任したのだとか。


 「帝」というのはこの国でトップの魔法使いの事で、水属性なら水帝、風属性なら風帝みたいな呼ばれ方をしている奴らの事だ。

 勇者君は基本4属性に加えて、光、闇、空間属性が使えるので「総帝」と。


「なんというチートだ。一体どうしたらそこまで強くなれるんだい?」

「今ならなんと! 神様が転生特典で無料で付けちゃうよ!」

「やったー僕つよーい!」


 初っ端から、無詠唱も同時使用も合成魔法もできるとかどうなってんだよ。神様甘すぎっ!

 






「そういえば今日ルーシーは?」

「天使に追われてるってさ、しかも最上級の」

「大丈夫なんそれ」

「天界の事は知らん、あいつなら大丈夫だろ」


 ルーシーは元々天使で、今は堕天使だったりする。ちなみに堕天した理由が「飽きたから」っていう身勝手さよ。流石堕天使なだけあるわ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ