たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたっていう
たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた
ほとんど理不尽だと思う。でも、それは「ほとんど」で、私は彼女のことをそれこそほとんど知らないし、もしかしたらに彼女に理由があるのかも知れない。でも、知ることはないだろうから、あまりにも理不尽に見えた。
私は彼女の隣にいたのだ。
だから、ずっと、聞こえていたけれど、何にもわからない。
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えっと言って、こちらを向いた。つやのある茶髪、ハーフアップ、フレアスカート、白いトップス、バラをかたどったベージュのヘアクリップ、美人というより可愛らしい顔立ち、扇形に広がるまつげ。
大きく瞳が見開かれる。
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リクルートスーツ、ひっつめた黒い髪、背がわりと高く、印象に残らない顔立ち。大切そうに抱えられた白い包装された箱。赤い花とくるくる巻かれたリボン。
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向こうから男が走ってくる。白いシャツ、仕立てのよさそうなスーツ、イケメンではないけれど自信にあふれている――典型的な高学歴高収入の若い男。お昼時、恋人と待ち合わせでもしていたのか。
「なんだお前は!?」
たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた
助かった、と思う。
あの男に助けられたのだ。おそらくは浮気相手がやってきて彼女に嫌がらせをしてるだけで――
たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた
男は不審そうな目で女を見た。演技かなと思う。
「たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた」
首の奥から壊れたような音が流れ出す。
「たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた」
こほっ。
咳。箱が落ちる。
血が口の中から溢れ出る。
「たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた」
私は目を慌ててそらす。ぎゅっと目をつむる。
ごほごほ、びちゃびちゃ。
あれは、あれは――小さなこども。幼い同級生。
「たべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべたたべた」
眼鏡をかけた旅行者らしい派手な服装のアフロの男とその妻がやってきて、叫んだ。「なんだこれは!」
彼は慌てて、携帯していた護身用の銃をとりだした。「両手を上げろ!」けれど、手は震えている。
彼女は、その声をきくと、くるりとこちらを向いて、迷うことなく夫妻に走り寄り、構えた銃を取り上げて、自分の頭に銃身を当てて引き金を引いた。頭の中央。額の真ん中。
彼女が抱えていた箱は、吐しゃ物で赤く染まっていることだろう。
本当のことなど何にもわからない。何が? 理不尽なのか? 或いは、そうでないのか、すら。