1章 白い学園-2
「はぁー。」
ばたり、とベッドに倒れこむ。
体全部を包み込まれる雲のような柔らかさに高揚すると同時に
どっと疲れが押し寄せ、小さくため息をついた。
「なんか、色んなこと頭に詰め込みすぎて疲れた…。」
――あの後。
『では、参りましょうか。』
『えっ!ちょっとまってください!一年後ってなんですか!?教えてくれるんじゃ…!』
『こひめ様…敬語は――』
『あっ、ごめんなさ…じゃなかったごめんっ!でもなんで…』
『申し訳ありません、実はその質問には応えられないのです。案内人は決して話してはいけないという規則になっているので。』
『そんな…。』
『ですが先ほど言った通り、1年後、必ず全てを知ることになります。これは絶対の決まり事ですから。』
『…どうして1年後なの?なにかあるの?』
『――さ、立ち話はこれぐらいにしましょう。私から話せるのはここまでです。お疲れでしょう?お部屋でお休みになってください。』
「…って、そんなの気になってしょうがないってばー。」
考えてもわからないこととわかっているのに、頭の中にさっきの光景が映し出されて私を悩ます。
チェルダはまるで何もなかったかのように他愛のない話をしたまま私の部屋だというこのゴージャスな部屋へ案内した後どこかにいってしまった。
「今何時なんだろ…」
天井が高い。そしてとても綺麗なシャンデリアが輝いている。
覚えてはいないけど、きっと本当の自分の部屋はこじんまりしてるんだろうな。
寂しいような寂しくないような不思議な気持ち。
ふと窓の向こうを見るといつの間にか暗くなっていた。
「そっか…もう、夜…だったんだ。」
重くなっていく瞼にだんだん抵抗できなくなる。
「・・・おやすみ・・・なさ・・・い。」
――私は深い、眠りに付いた。
『・・っ・・・・・・・・?』
誰かが私に話しかける。
『・・・・・・っ!』
そしてまた違う誰かが答える。
なんだろう。この光景。
霞がかっていて顔も見えない。
声もよく聞こえない。
何を話しているんだろう。
話してるのは誰?
わからない。
・・・あなたは誰?
――
――――――ッ
「――・・・こひめ様。」
「うわぁああ!」