僕だけの再会
※ぬるい恋愛は「カクヨム」へ移転中です。美位矢直紀で検索お願い致します。
暫くの間ご迷惑お掛けします事、お許し下さい。
※再推敲しながら全て移転します。少し読み易くなると思います。
Bitter Vacation “ユリカ”との夏
美位矢直紀
1 僕だけの再会
2 背中合わせの真実
3 見つめていたい
4 許せないキス
5 悪戯好きの神様
6 充分な沈黙
7 理不尽な衝撃
8 事実の価値
9 止められない恋
最終話 誓うべき誠実
1・・・・僕だけの再会
乾いた風と強い日差しが戯れる昼下がり。
ホテルビーチコマーのプールサイド。
彩られた絵画のような景色の中でアーモンドの瞳は僕達だけだった。
「ねえっ」
上目遣いを添えてユリカはプールの中から手招きをしていた。
「・・・・・」
僕は苦笑いと共に首を横に振った。
(昨日の夜あんなに汗を掻いたのに・・・)
「・・・・・」
ビーチパラソルが作る日陰の中で僕はデッキチェアに体を伸ばし、時折りユリカを穏やかに眺めていた。
(この爽やかさは日本じゃ難しいな・・・)
「・・・・・」
うとうととしていた僕の鼻先を素敵な香りが通り過ぎた。
香りの先には、黒いキャミソールの裾を膝上で風に揺らしている女性が居た。
上品なサンダルにしなやかな足首。
オレンジアッシュのナチュラルカールが美しい。
(顔が見たいな・・・)
彼女は二つ隣のデッキチェアでキャミソールを脱ごうとしていた。
(黒のビキニ、似合ってんなぁ・・・)
サングラスで隠れていた瞳はブルーではなかった。
「マジか・・・」
僕は思わず呟いてしまった。
昨日、ワイキキ動物園で釘付けになった女性だった。
「ねっ、健二っ、入っておいでよ!」
ずっと見当たらなかったユリカがプールのエッジに両肘を付いてこちらを見ていた。
「・・・了解・・・」
ユリカは淡水を満喫しながら、サングラスで隠れた僕の目が彼女に夢中になっている事を察知したんだろう。
僕の体はプールの中で彼女と戯れ、気持ちはデッキチェアに横たわる彼女と戯れていた。
「おいおい・・・」
「えへっ」
「止めなって」
「・・・・・」
ユリカは後ろに居る僕のスイミングスパッツの中に手を入れて笑っていた。