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6日目 その7

所長ひさしぶり!!

俺は面食らっていた。いや、今も面食らっている。

こんな剣幕の御門先輩は初めて見た。なぜこんなに怒っているんだ?

「お前のやった事を全部細かく説明してやる」

俺がいったい何をしたんだと言うんだ?水枕の事か?

それなら俺もいきなり消えたのは不思議に思っている。

「俺も説明してほしいです。創造力について」

それを知らないと俺はこれからどうすればいいかわからない。

「私にもわからない事があるが、それ以外は全て伝えよう。

初めてのことが起こったんだ。こんな事今までにあったのか?」

最後は独り言のようだが、御門先輩は怒りより、戸惑いが先にたっているようだ。先輩ですら経験した事が無い事ってなんだ!?

「まずは私が分かる事だけ説明する。残りは所長に聞くんだな」

所長か。たった数時間あっていないだけなのに随分と懐かしく聞こえた。それ以上に驚いたのは、俺が少しこの非日常になれてきていると言う事だ。肝っ玉が2倍になったみたいだ。

「まずは創造力はなにかを作る力だ。だが、今回は世界を歪める力の方が正しいだろう。世界を歪めて何かを作る事が出来るなら?」

「壊す事も出来る?」

「そうだ。しかしそれは創造力と言うにはあまりふさわしくない。

いや、逆の事なのだから創造力と言ってはいけないだろう」

そんな事を言ったら創造力の持ち主は世界を壊す破壊者になりうるって事か?それをふまえての破壊者か。洒落たネーミングだ。

「しかしそれは創造力をコントロールできるようになり、なおかつ感情が激しくないと出来ないと言う。お前はコントロールなどできないだろうが、それだけの事をやってのける精神があると言う訳だな。

まったく恐ろしいガキを拾ったな、私たちは」

水枕にそれだけの感情をもつ俺って、、、なんなんだ?

「こんな事聞くのなんなんですけど、御門先輩はできるんですか?」

口に出してしまったが、正直しまったと思った。

「できるよ。いや、できたよ。もう絶対にやりたくない、あんな事」

トラウマをえぐってしまったのだろうか

それから俺たちは無言で所長のいる前線基地まで戻った。

重い、重かった。こんな空気は俺は耐えられない。いや耐えたけど

重苦しい空気は前線基地に着いたと同時に終わりを告げた。

良かったー。所長は何も言わずお茶を入れてくれた。

「茶葉をたくさん買ってきたんだが、ほうじ茶、アッサム、アールグレイ、ジャスミンティー、緑茶、カモミールティーどれがいいと思うかい?ちなみに緑茶は京都産の茶葉なんだがこれがまたなんとも上品な風味でいいのだよ。しかしアッサムに少しミルクを入れてミルクティーにするのも捨てきれん!!ここはほっと一息つくためにほうじ茶を入れるべきだろうか?ちょうど柴漬けもあるからな。アールグレイをストレートで飲むというのも乙なものだな。実はスコーンも買ってきてあるんだよ。いや!でもピーターラビットばりのカモミールティーも無視できない!!と言う訳で2人ともどれか好きなものを選んでくれ。私はかれこれ1時間これに頭を悩ませているんだよ」

、、、何も言わずにとは言えないな。ちなみに俺たちはミルクティーをチョイスした。そしてやっとこさ所長は本題に入った。

「御門くんの顔を見るに何かあったようだねぇ、まあ創造世界は無事破壊できたようだが?」

「ええ、こいつが逆創造をしました。水枕を」

「ふむ。逆創造とは物騒な言葉を久しぶりに聞いたよ、懐かしいな」

懐かしいのかー。やはり所長は色々知ってそうだ。

「逆創造ってそんなに物騒なんですか?」

壊せるならまた作る事だって可能なはずだが?

「創造世界は水ぶくれだ。で、逆創造は傷だ。傷は跡が残るものだ。それに創造世界は壊せば現実に影響は無いが、逆創造は現実世界に影響する。今回は水枕だからいいが、これが町や、世界だった場合を考えてみなさい。とりかえしがつかん事になる。世界を滅ぼす力だ。逆創造は絶対に使ってはいかん。もし君がこの力を積極的に使おうと考えているなら、、」

所長は軽く目を細め、少し間を置きこう言った。

「君を殺さなければいけなくなるんだよ」

なんというかちょっと大風呂敷な感じがします

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