第一章「恩人と私は香る」
四月上旬、今日から高校二年生である藍川 沙月は身支度を終えてソファーでスマホを見ながらどこか緊張した様子の表情をしている。
「今日から二年生か~、気合入れないとねっ!」
そう呟き登校するために玄関へと向かいローファーを履き扉を開けようと触れていた手を一旦戻し振り返る。そして靴箱の上にある夫婦らしき男女とその子供らしき女の子が映っている。その写真を視線で一撫でし目を細めて
「お母さん、行って来ます」
と語りかけるように言い今度は先ほどよりも強くドアノブに手をかけ学校へむかうべく一歩を踏み出した。目の前が室内との差で一瞬見えなかったが数秒して見えるようになると数メートル先に先程、スマホを触っていた際に連絡を取り合っていた相手が見えて顔が強張っていないかと手で顔をほぐし彼女のもとへ向かう。
「ごめんっ、待たせちゃって!」
「いーよいーよ、別に気にしてないから。んじゃ行こ」
「ありがと!」
彼女は藍川沙月と一年の頃によく一緒に過ごしてくれた相田 咲良、言わば親友である。彼女は高校デビューに大失敗した私を慰めてくれた上に再スタートに向けて背中を押してくれた恩人でもあってとても感謝している。言葉にするのは恥ずかしいし急に感謝されても困惑することは目に見えていたので心の中で感謝しておくことにする。二礼二拍手。いやこれは参拝だった。危うく恩人を仏様にするところだった。いや存在は仏様並みなんだけどね?
「誰が仏よ、勝手に死人にしないでくれる?」
「いてっ...」
どうやら外に漏れ出ていたらしく軽いチョップをくらって自分の頭をさする。よしよし。
「いや、咲良には本当に色々と助けられたなーと痛感したというか...」
「何?急に...褒めても何も出ないからね?」
「いやそういう目的で言ったんじゃないから!?純粋な感謝ですっ!」
「分かってる分かってる。まぁそうだね。本当に色々あったわ。特に自己紹介のアレはさs...」
黒歴史を言葉にされる前に口を手で塞いでおいた。この人仏か悪魔かどっちなんだかわからないんだけど...
「いやこんな公の場で何言おうとしてんの!?!?」
「ひやへほさぁ」
口を塞いでいるので何を言おうとしているのか分からないので仕方なく手を退ける。
「いやだってさ、あれは流石にヒドかったよ?私もアレはカバーできないし...」
「やめて...傷をえぐらないで...」
これでは学校に着く前に倒れてしまうと思っていたら校門の前で登校してくる生徒一人一人に挨拶をしている教師が見えて少し緊張する
「...はよう。お、藍川と相田か、おはよう。二年になっても気抜くなよ~」
「私は抜いてないので抜くならこっちですね」
と言ってこっちを見てきた
「ちょっと咲良!?そ、そんな訳無いですよ島岡先生~、あはは...」
「うん、二人とも気抜くなよ」
校門を通り抜け横の恩人様を見るとニヤニヤしていたので軽く額にデコピンを入れておいた。するとすぐ前の入り口の隣にクラスの振り分け表が貼ってあったので小走りで近づく
(今年も咲良と同じクラスになれますように...)
少しして自分の名前を見つけて同じクラスの名前も見ていく。一番上に「相田 咲良」と載っているのが見えて嬉しくなった。
「お、今年も沙月とクラス同じなのか、よろしく」
「うんっ、今年もよろしく!やっぱ見知った人がいると安心するよね!」
「いやあんた友達何人いんのよ」
「さぁ?数えたこと無かったなぁ...」
「ほら、私以外にもいるじゃん、何言ってんのホントに...」
「いや咲良は特別だから!親友枠ってやつ?」
すると咲良は顔を少し赤らめて隣にいる私しか聞こえないような声量で呟いた
「...そう?」
「あれ、もしかして照れてる?」
「う、うるさいっ!」
「そんなに嬉しかった~?」
「もう知らないからっ」
「ごめんごめん!いやでもホントに特別だからは咲良は、そこは信じて?」
「...分かったよ、信じればいいんでしょっ!!」
と、ちょっと不機嫌そうに返されてのであとでカフェラテでもあげようと思った。そんなどうでもいいことを考えていたらふいに深く芳醇な香りが鼻に漂ってきた
「ん?この香りは...珈琲?でもなんで?」
「あぁ、確か学校の隣に珈琲がメインの喫茶店が出来たって聞いたよ」
「へぇ...今度行ってみない?」
「まぁ良いけど」
「やたっ」
それにしても良い香りで咲良と一緒に喫茶店に行く日が楽しみである。こういうとき一人で先に行ってみるのもアリだと思うがやはり一緒に初めてを楽しんだほうが楽しさも倍増だろうと思う派であるのでここは待つことにする。とりあえず今は自教室に向かうことにする。初日から注意されるのも嫌だからである。私の今日から始まる新しい生徒としての一年はなんだか去年よりも充実したものになる気がした
おはこんばんちは!tapupurinnです!「月出デル夜ニ薫ル珈琲ガ」の一章を読んでくださりありがとうございます!私はこの作品で小説デビューとなるのですが一章を書き終えた後思ったことがあります。それは「めんどくさい!!!」です。小説を書いているときに思ったのですが人物設定や場面の移り変わり、キャラの会話や発言、思考など書くことが多すぎてめちゃ大変!!でも楽しい!!!!てか思ったんだがこの小説、神作になる気がしないか!?するよな?そうだよね!うんわかる!自分で思ってるだけかもしれませんが神作になる予感がするので是非今後も楽しみにしていてください!!
それでは、ここまで読んでくれた人は神!ありがとうございます!投稿は月1を目安にしようと思います!それでは!




