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第6章:涼との溝

制度に対する確信を強めた佳奈は、信頼する涼にその思いを伝えようとしますが、彼の反応は冷たいものでした。佳奈と涼の考え方の違いが次第に浮き彫りになり、彼女の中に新たな孤独感が生まれます。彼らの関係がどのように変化していくのか、物語の展開に注目してください。

 佳奈は、涼のもとへと急いだ。制度に関する雅也との会話や、由紀の表情が脳裏に浮かび、自分の中で疑念が確信に変わりつつあった。だが、その確信を支えてくれるはずの涼が、果たして理解してくれるのか不安もあった。


 涼の部屋に入ると、彼は相変わらずARグラスをかけ、映し出されるニュースを眺めていた。ニュースには、免許制度の重要性を強調する映像が流れている。佳奈は、思わず彼のグラスに手を伸ばし、外させた。


「ねぇ、涼。どうしてそんなものばかり見ているの?免許制度のこと、少しおかしいと思わない?」


 涼は佳奈の手を振り払い、少し面倒そうに顔をしかめた。「どうしたんだよ急に。制度は俺たちの生活を守るためにあるんだろ?」


「そう思ってた。でも、私たちが見ているものは、もしかしたら政府が都合よく操作しているだけかもしれないって思わない?」


 佳奈の必死な訴えに、涼は小さくため息をついた。「そんなこと考えても意味ないよ、佳奈。制度に従わないと、結局は僕たちが困るだけだろ?」


 彼の冷めた反応に、佳奈の胸に込み上げる苛立ちが増した。いつも他人事のように流される彼の姿勢に、不満を感じずにはいられなかった。


「でも、私たちの自由はどうなるの?ただ生きるために従うなんて、おかしいよ!」


 涼は少し困惑した表情で佳奈を見つめた。「佳奈、僕は別に自由なんていらないんだ。こうやって普通に生きていければ、それでいい」


 佳奈は言葉を失った。涼の答えは、彼女が求めていたものとはかけ離れていた。彼の無関心と従順さに、自分とは違う人生を選んでいるのだと改めて気づかされた。もはや、彼とは一緒に進めないかもしれないという思いが、胸の中で大きくなっていった。


佳奈が挑む「出産免許」取得は、彼女の夢を叶えるための新たな試練です。厳しい条件にも屈せず進む佳奈の姿に、読者も共感を覚えることでしょう。彼女の人生がどのように進展し、制度に対する姿勢がどう変化していくのか、次回もお楽しみに!

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