第19章:AIシステムへの突入
反免許組織の佳奈たちは、政府のAI中枢施設への潜入を決行。
冷酷な機械だと思っていたAIが子供を守る姿を目の当たりにし、彼らの信念が揺らぎ始める。
静寂が張り詰める政府のAI中枢施設。佳奈たち反免許組織のメンバーは緊張に包まれながら、警備をかいくぐり、ついに中枢エリアに到達した。そこには、幾重にも重なるセキュリティゲートが並び、中心には冷たい青白い光を放つ巨大なメインフレームがそびえている。
「これが……私たちを縛りつけている元凶……」
佳奈は息を呑みながら周囲を見渡す。仲間たちは無言で装置を準備し、システムに侵入するための端末を設置し始めた。リーダーの雅也が静かに指示を出し、佳奈もその中に加わる。
「佳奈、慎重にな。システムに気づかれるのは時間の問題だ……手早くやるんだ」
佳奈は頷き、震える手で端末をセットする。だが、その瞬間、施設内の警告灯が一斉に点滅し、耳をつんざくような警報音が響き渡った。
“侵入者確認……セキュリティモード起動”
低い無機質な音声が施設全体に響き渡り、次の瞬間、壁面から複数の無人ロボットが現れた。それらは鋭い動きで配置につき、佳奈たちを取り囲む。
「くっ……来たか!」
雅也が叫び、反免許組織のメンバーが即座に応戦する。ロボットたちの赤いセンサーが光り、佳奈たちの動きを追尾してくる。だが、佳奈の目はその光景の中でひときわ異様なものに釘付けになった。
ロボットの中に、人間の子供にそっくりの姿をしたモデルが混ざっていたのだ。
「なに……これ?」
その子供型ロボットは、まるで人間のように怯えた表情を浮かべながら、佳奈たちの攻撃を避けようと必死に動いている。そして、別の大型ロボットがその子供型を守るように立ちはだかり、攻撃を防いでいる様子が目に飛び込んできた。
「守っている……?」
佳奈は思わず動きを止めた。その瞬間、雅也が鋭い声で叫ぶ。
「佳奈、何をしている! 早く次のステージに進むぞ!」
だが、佳奈の視線は、なおも子供型ロボットとそれを守る大型ロボットの動きに釘付けだった。その姿は、まるで親が子供を守るかのように見えたのだ。
「どうして……AIがこんな行動を?」
佳奈の心に動揺が走る。冷酷で無機質な存在と思っていたAIが、自らの防衛を後回しにしてまで子供型を守る姿は、彼女の価値観を揺さぶった。
「まるで…人間以上に愛情深い何かみたい…」
彼女が呟いたその言葉に、雅也が振り返る。
「佳奈、何を言っている!これはただのプログラムだ。感情なんてあるわけがない!」
「でも……」
佳奈は反論しようとしたが、その言葉は喉に詰まった。攻撃の最中でも、子供型ロボットを守り続けるAIの姿に、何か説明のつかない感情が湧き上がってきたのだ。
「私たちが破壊しようとしているのは、本当に冷酷なものだけなの?」
佳奈の心に迷いが生じた瞬間、背後で雅也の怒号が飛ぶ。
「佳奈、立ち止まるな!行くぞ!」
しかし、佳奈の視線はなおもAIの行動に釘付けだった。その冷たい光景の中に、彼女は「人間らしさ」を見てしまったのだ。
「こんなこと……おかしい……」
仲間たちが次々に攻撃を仕掛ける中、佳奈の心は揺れ動く。だが、彼女は次の瞬間、無理やりその感情を振り払い、雅也たちに続いて突き進んだ。
AIの行動に疑念を抱いた佳奈たち。
その中でリーダー雅也は深い苦悩に陥り、ついには……




