5.ユリエルの策
ユリエルの楽しい復讐計画の全容が明らかに!
そのために、ダンジョンはこれからどうなるのか!
アラクネちゃんと二人で、女子会議と準備中。
二人の人間が、血を流して倒れていた。
そのすぐ側で、泣きじゃくる少女が一人。
「お父さーん!お母さーん!」
いくら泣いても、父母はぴくりとも動かない。
どうしようもなく泣きじゃくる少女の両側から、小さい子が二人寄り添う。物心ついたくらいの男の子と、まだトイレもおぼつかない女の幼児。
「お姉ちゃーん!」「あねぇ~!」
この人だけは放さぬとばかりに、しがみついてくる。
少女も、二人をしっかりと抱きしめた。
「大丈夫、私が守ってあげるから……」
ふっと気が付くと、高い岩の天井が目に入った。体の下も平らだが固くて、背中が痛い。手をつくと、土のざらざらした感触があった。
「ここは……そうだ、私……」
ユリエルは眠る前のことを思い出し、周りを見回したが、死体はもうなかった。
それを確認すると、胸の奥がずきんと痛んだ。あんな下種だが、この世にいたからには親がいただろう。
もし生きていて、家族が消されたと分かったら……。
(だから私、あんな夢を……)
ユリエルは軽く頭を振って起き上がり、呟いた。
「でも、私にだって陥れられた他の聖女にだって、家族はいる。
繰り返させないためには、仕方ないんだ……」
これから復讐と抵抗を続けていけば、さっきのようなことは数えきれないほど起こるだろう。しかし、立ち止まったら自分と同じ被害はいつまでも出続ける。
「復讐……しなきゃいけないんだ。
私は、一本目の矢だから……」
己に言い聞かせ、ユリエルはこれからの仲間に向き直った。
「お、おはようございます。
あれから、特に何もありませんでした!」
ダンジョンマスターのアラクネが、報告してくれる。案の定、ユリエルが寝ている間、ここには誰も来なかったようだ。
「だろうね……多分、二、三日は大丈夫じゃないかな」
「あたしも、そう思います」
アラクネも、ちょっと気が抜けたようにうなずいた。
ユリエルは、散らばっていた冒険者の荷物を確かめながらぼやく。
「やっぱり……少なくとも三日分の酒と水と食べ物はあるね。これが切れる頃に、仲間が補給かあいつを回収しに来るって感じでしょ」
「いつも、だいたいそうです」
「だよねー。だってゲース、それでちょっと知られてるもん」
ユリエルは、うんざりしたように呟く。
ユリエルが昨日葬った冒険者、ゲースは、冒険者ギルドではちょっと名が知れている。もちろん、悪い意味でだ。
自堕落でものぐさで、下品で色好きで、向上心がない。
いつも楽な仕事で日銭を稼ぎ、同じような仲間と酒を飲んで猥談と酒場のお姉ちゃんへのセクハラに精を出している。
女好きだがまともな女には相手にされず、出禁になった酒場は数知れない。
だが、学園都市にはそんな彼にぴったりの仕事があった。
定期的にこのダンジョンで行われるアラクネ糸の採取と、ほぼ形だけ残っているアラクネの監視である。
もちろん給料は安いが、命の危険はほぼない。そのうえここでアラクネを監視している間は水と食糧を支給してもらえる。
だからゲースは、糸の採取が終わってもしばらくここでアラクネの乳を揉んでいる。
ここのアラクネなら、逆らわないから。
普通の人には虫が出るし暗いしで気が滅入る仕事も、もはや街で行き場も性欲のやり場もないゲースにはいい仕事だった。
それで気を緩めてとことん無防備に一人でいたから、ユリエル一人で勝てたのだ。
むしろユリエルはそんな事情を知っていたからこそ、ここに狙いを定めた。
「油断しすぎだよ、教会も冒険者ギルドも。
あんな底辺を一人でダンジョンに置いといて、守りになる訳ないのに。
ま、逆らう奴はいないってだろうって思ってるのと、その気になればいつでも取り戻せるってんで、ここまで落ちたんだろうけど」
「ですね……最初はもうちょっとしっかり護衛っぽいのがいたんですけど。
ここ最近はあんなのばっかりで」
ユリエルの指摘に、アラクネも苦笑した。
要するに、ここの守りはすっかり形骸化しているのだ。
この学園都市周辺で、教会に正面から喧嘩を売る奴なんかいない。それだけの力を、教会が持っているから。
実際、ここが落としやすいダンジョンだと知られていても、これまでは教会を恐れて人も魔物も襲ってこなかった。
そうして時がたつにつれ、教会はここの守りを手抜きし始めた。
元より上層部は、自分の利益のために本当に力のある聖女を切り捨てるような奴らである。
少しでも手抜きして予算を自分の懐に収められそうなところがあると、ためらいなく骨と皮になるまで中身を抜く。
こうして、このダンジョンの防衛監視体制も元聖女一人に破られるまでに落ちた。
しかも、破られてもすぐには気づかれない。
これもインボウズたちの因果応報である。
「それで、あたしを逃がしてくれるってのは……」
ゲースの遺した食糧で食事をとり始めたユリエルに、アラクネがおずおずと聞いてくる。
ユリエルは、事も無げに答えた。
「うん、私、約束は守るよ。
あなたはここのマスターだから、ダンジョンから出られないんだよね?だったら、マスターじゃなくなればいい」
「うん……でも、代わりになってくれる人なんて……」
「私がなる!」
「ほぇっ!?」
ユリエルの答えに、アラクネは目が点になった。
これまで、誰かこの座を代わってくれる者がいないかと、来る日も来る日も願い続けた。しかし、誰も受け取ってはくれなかった。
だって、いくらダンジョンマスターでもここにうまみはない。
三階層しかなくて、しかも教会に制圧されている。乗っ取ってもまたすぐに攻め落とされて教会の奴隷にされるか、利用価値がなければ殺されるだけ。
こんなマスターの座を欲しがる奴は、誰もいなかった。
それがここにきて現れるとは。
「……ほ、本当に大丈夫?なったら、逃げられないよ。
いや、あたしはすごく嬉しいんだけど」
戸惑うアラクネに、ユリエルはぶっきらぼうに言い放った。
「しょうがないじゃん!!ここしか生きてける場所も手に入る力もないんだから!!他の道なんてみんな潰されたよ!!」
「え……あっはい、すみません!」
ユリエルの覚悟と剣幕に、たじたじとなるアラクネ。
そんなアラクネの気分を解すように、ユリエルは落ち着いた声に戻して言った。
「それに、ここって虫が中心のダンジョンだよね。
私、虫は好きだし詳しいから、もしかしたらうまくやれるかもって思って。人生を賭けるなら、得意なフィールドがいいよね!」
そこでユリエルは、はっと思い出した。
大慌てで荷物の横につけてあった袋を開け、中身をぶちまける。
出てきたのはもちろん、学園と都市脱出に役立ってくれた毛虫とゴキブリ。しかし、だいぶ動きが鈍くなっている。
「やばい忘れてた、弱ってきてる!
アラクネちゃん、こいつらダンジョンの手下にできる?そうしたら、餌がなくても生きていけるかな?」
アラクネは、ぽんと手を打った。
「なるほど、外から虫を連れて来て仲間にするんですね!
それなら召喚するより楽……だけど、今すぐ魔物にするには力が足りないです……」
アラクネの元気だった声がしぼんでいく。
すると、ユリエルは立ち上がって浮遊する水晶のようなもの……ダンジョンコアに手をかざした。
「ここに私の魔力を注いだら、足りる?そうだ、昨日のゲースの命は吸収したよね!後は虎の子の魔力回復ポーションが……」
「あ、だったらすぐマスターの座を譲りますから……」
「それはいい!今やったら私が出られないでしょうが!!」
「え、話が違う……」
「……ごめん、いろいろ急ぎすぎたね。
きちんと話して、お互い納得してからにしよう」
早く進めたいのはやまやまだが、アラクネにはユリエルのやりたいことがいまいち分からない。
ユリエルは少し息を整えると、アラクネの前にどかりと腰を下ろして、自分がこれからどうしたいかを語った。
「まずね、ダンジョンマスターを引き受けるのは本当。
ここで虫の魔物たちを使って教会に復讐する。悪い事をしたらどうなるか分からせて、冤罪で人を陥れるのをやめさせる。
……でも、マスターの座を譲ってもらうのはもう少し後かな。
もうちょっと、外でいろんな虫を集めたいから」
ユリエルは、このダンジョンと虫の知識でもって教会に抗う。
それは、国を出ることもできないと分かった時から決めた事。
しかし、それにも準備が要る。今のままでは、配下の種類が少なすぎる。大ムカデと大グモだけでは、高度な戦略は立てられない。
それをユリエルは、外から持ち込んだ虫を魔物化させて補う気でいた。
普通の動物でもダンジョンの中に長くいると魔力を帯びて魔物化するというのは、よく知られた話だ。
「でも、そのために私はしばらく外に出られないと困る。
それに、あんまり早く教会に気づかれても困る。
だからしばらくはアラクネちゃんにマスターでいてもらって、準備が整ったら私に交代って感じかな。
このままじゃ、まともに防衛できそうにないし。
ごまかせるだけごまかして、その間にできるだけダンジョンの戦力も強化する!」
ユリエルとて、たった三階層で敵を迎え撃てるとは思っていない。ある程度魔物が増えてダンジョンも大きくするまでは、平静を装うのだ。
「……幸い、そのための時間はある。
次の糸の採取まで25日。
……できれば、そこも気づかれずにやりすごせるといいんだけど」
「そううまくいきますかね……ここ、来ようと思えばいつでも来れる所ですけど」
「知ってるー、時々駆け出しの冒険者が虫倒しに来るよね。
でもここって、そういう初心者もあんまり来ないでしょ。虫が苦手な人は多いし、ちょっと遠いけど行きやすくてにぎやかなダンジョンあるし」
この『虫けらのダンジョン』は、一応初心者の訓練用に開かれてはいる。
だが、はっきり言って不人気だ。
敵は気持ち悪い大ムカデと大グモのみ。宝はほぼ出ない。おまけにアラクネが力を使いすぎて糸の収穫が減らないよう、魔物を狩りすぎるなと言われている。不人気ゆえに楽な移動手段はなく、近くには露店の一つもない。
……こんな状況だから、すぐには気づかれないと踏んでユリエルが目を付けたのだ。
「そういう訳だから、私が指示したタイミングで代わってよ。
でもって、私がマスターになってもしばらく一緒に戦って!さっき言ったよね、言う通りにしたら逃げられるようにするって」
さらっと仲間になれと要求するユリエルに、アラクネはささやかに抵抗する。
「あの、それで負けたら結局あたしは逃げられないのでは……?」
「最深部からの隠し脱出口くらい作っとくから。
もうダメだって思ったら開放するし……マスターの私が死んだら、あなたは自由になる。約束だからね、最後は私が先に死ぬようにするよ」
ユリエルにここまで言われたら、アラクネは条件を飲むしかない。
自分ではどうしようもないところを助けてくれた恩人が、ここまで命を懸けるのに、恩を返さないのは申し訳ない。
そう思う程度には、アラクネにも心があった。
「分かりました。どうか、よろしくお願いします!」
「うん、やれるだけやってみるよ!」
ユリエルとアラクネは、改めて共闘を約束して握手をした。
ユリエルは的確に状況を分析し、きちんと計画的に策を練っている。もしかしたら思った以上にいけるかもと、アラクネは少しわくわくした。
やりたいことを整理すると、さっそく準備タイムだ。
「よーし、それじゃこの虫ちゃんたちを……」
「あいよ、ダンジョンの配下にしまーす!
ただ、ほっといて魔物化するまでには一週間くらいかかります」
ユリエルの連れて来た毛虫とゴキブリたちはさっそく、ダンジョンの配下にした。こうしておけばダンジョンから供給される魔力により、餌がなくても死ななくなる。
そして、魔物化すればそれなりの戦力にはなる。
「でも一週間だと……ゲースの仲間が様子を見に来るまでには間に合いませんね」
「大丈夫、あいつらは現状の戦力に罠を絡めればいける。
それまで、私も暇なときはコアに魔力を注いで溜めとくから。その……ダンジョンポイントってのがあれば、いろいろできるんでしょ」
「はい、恩に着ます……ってか、魔力多いですね!」
ダンジョンに罠を設置したり魔物を生み出したりするには、ダンジョンポイント(DP)というものが必要になる。
DPはコアに溜まる万能の力で、ダンジョンが自然に生み出すこともできるし、誰かが魔力を注いだりダンジョン内にいる侵入者から吸い取って増やすこともできる。
ダンジョン内に侵入者がいるとそれだけで少し増えるし、ダンジョン内で侵入者を殺すことで大きく増える。
ただし、それも侵入者の質によるが。
ゲースのような物理一辺倒の底辺冒険者では、殺しても大した収入にならない。
ユリエルが最大まで回復した魔力を全部注ぐと、その三分の一を超えるほどだ。
「私は、きちんと実力で聖女になったからね。
アラクネちゃんは物理重視だから、自分で溜めにくいでしょ」
「ええ、恥ずかしながら……レベルもあなたのが高いですし」
ダンジョンコアの力で、ダンジョンマスターはダンジョン内にいる者の強さや能力を見ることができる。
アラクネが見た所、こんな感じである。
名前:ユリエル
種族:人間 職業:ヒーラー
レベル:31 体力:210 魔力:400
名前:―
種族:アラクネ 職業:ダンジョンマスター
レベル:25 体力:650 魔力:100
アラクネはダンジョンマスターなのでレベルの割に強化されているが……それでも魔力ではユリエルに遠く及ばない。
むしろ魔力が豊富なユリエルの方が、ダンジョンマスター向きといえる。
ちなみに、ゲースはこんな感じである。
名前:ゲース
種族:人間 職業:戦士
レベル:19 体力:350 魔力:50 →死亡DP:950
この世界、経験を積んだり敵を倒したりでレベルを上げれば、強さも外見からは想像できないほどに上がっていく。
ゲース一人でユリエルに挑むことがどれだけ厳しいか分かるだろう。
しかもユリエルは安全にレベルだけ上げたお嬢様ではない。冒険者や兵士たちと共に、最前線で戦うこともある実力派だ。
それに酔っぱらって挑んでしまったゲースは、馬鹿としか言いようがない。
アラクネも抵抗しなかっただけで、ゲース程度余裕で倒せる力はある。
こうしてアラクネが抵抗する意志を持ち、実戦派元聖女のユリエルが加わるだけで、ダンジョンの戦力は大幅に上がった。
後はこれを、本格的な戦いまでにどこまで強化できるかだ。
「そうだ、アラクネちゃんも強化できるよ!
火に弱かったでしょ?でも、これがあれば大丈夫!」
ユリエルはゲースの荷物を漁って一つの防具を差し出した。
それはブラジャー型の胸鎧とパンツ型の腰鎧……いわゆるビキニアーマーである。胸のカップの頂とパンツの前後に一つずつ、赤く美しい宝石がはまっている。
「炎玉のビキニアーマー……火耐性が上がる結構いいやつだよ。
ちょっとゲースの妄執がしみてそうだけど、あなたが使うならまあいいでしょ」
「わあ、ありがとうございます!!
でもこれ……あたし、パンツははけませんよ」
「股間部分を真ん中で割って前後に垂らせばいける。
防御力は下がるだろうけど、宝石傷つけなきゃ火耐性はつくと思うから」
ユリエルはゲースの荷物から予備武器の手斧を取り出し、それをアーマーの股間部分に当ててハンマーでたたき始めた。
「うー固い、アラクネちゃんやって!」
「ええ……でも、よくゲースがこんないい物持ってましたね」
材質といい装飾といい、ゲースの財布事情からはかけ離れた品である。しかも自分が使う訳でもないし、仲間に女もいないのに。
アラクネが突っ込むと、ユリエルは気まずそうに目を泳がせた。
「うーん……まあ、ゲースの理想の塊みたいなものかな。
若い頃に運よくどっかで手に入れたらしいんだけど、これに合う胸の大きい美女を嫁にして着せるんだってよく言ってた。
……実際、これが欲しいかって女を口説いたこともあるみたい」
「うえっ気持ち悪っ!そんな事したら……」
「もちろんドン引きされてますますモテなくなった。
でも、モテなくて仲間にすら女が入らなくなったせいで、ますます妄想こじらせちゃって……いつか、これを着る嫁が現れるって心の拠り所にしてたの」
普通、女を口説く時に贈るのは宝石とか食べ物である。下心を隠しつつ、将来の富と安定を予感させる。
しかしゲースは、真逆をやってしまった。いやらしい目で見ていますと下心全開かつ、これを着て一緒に冒険しようというのだ。金を払ってもごめんこうむるレベルである。
だがゲースは、高価できれいなものなら女は釣れると信じていた。
……ユリエルの非モテに通じるところもある、非モテ特有の壮大な勘違いである。周りの意見や目線を気にしなさすぎると、こうなるのだ。
「た、確かに……下心が怨念みたいになってそう」
「でも、アラクネちゃんが着るならゲースも本望かもよ。
この胸鎧のサイズ、アラクネちゃんの胸にぴったり。ゲースもよく揉みに来てたってことは、アラクネちゃんが理想の美女だったんじゃない?」
ユリエルは、胸当てのカップをアラクネの胸に当ててみる。
ユリエルから見てもかなり大きいカップだが、アラクネの双丘にはぴったりはまった。
「うーん……嬉しいような嬉しくないような」
「いいじゃん、胸が大きいのは!
男の人って巨乳の人を見ると、すーぐ鼻の下伸ばすよね。私もアラクネちゃんくらい大きかったら、興味を持ってもらえたのかな?」
「それは結局、さっき言ってた邪淫では……」
「付き合う糸口にはなるじゃん!!」
ちなみにアラクネはFカップ、ユリエルはDカップくらいである。
決してユリエルも小さくはないのだが、そこまで目立つほどではない。ただし、ユリエルの場合胸が大きくても、行動を直さない限りモテないであろうが。
それに気づかないから、非モテなのだ。
一時間ほどのカンカン作業の後、ビキニアーマーはパキンと割れた。
ゲースの大事な女の大事な部分を守るはずだった鎧は、ゲースと同じくその役目を果たすことなく逝った。
だが、ゲースが一番かわいがっていたアラクネが着るなら、少しは浮かばれるだろう。
「おお、何かちょっと魔力がみなぎるかも!」
これまで全裸だったアラクネだが、ビキニアーマーを着せると一気に人らしくなった。
炎玉のビキニアーマー(破損)
魔力上昇:小 防御力上昇:小 火耐性:中
「おーし、これでゲース程度の冒険者五人くらいまでなら、私たちと今いる虫モンスターで正面からでもやれるね!
これからは、魔物化させる虫を集めるぞー!」
「おーっ!!」
ユリエルとアラクネは、揃って拳を突き上げた。
「でも、教会に宣戦布告するまではアラクネちゃんは全裸でいてね。
着てると怪しまれるから」
「えー……ちょっと気に入ったのにな。
あ、でもゲースの嫁扱いはやだ……」
ユリエルとアラクネの反逆の道は滑り出し順調だ。ゲースも実力と性格はクズだったが、いいものを遺してくれた。
これを無駄にしないよう、ユリエルはさらなる策を練るのであった。
ダンジョンものテンプレ
・マスターはダンジョン内で絶大な力を持つ代わりに、何か条件を満たさないと外に出られない
だからこの場合、すぐマスターになる訳にいかないのです。
次回、また虫がたくさん出ます。