39.時間は残酷そして武器
なんと、こんなに短い期間で総合ポイントが600を超えるとは!
評価、ブクマしてくださった皆様、ありがとうございます!!
着々と進む調査隊に、ユリエルの新たな罠が襲い掛かる。
ロリコンの欲望も襲い掛かる。
熟練のロリコンが、マリオンに執着する理由とは。時が流れて変わってしまうもの、変わらないもの。
調査隊の面々が時に対して思うことは……。
調査隊は、着々と奥へ進んでいった。
枝分かれして高低差の多い道だが、調査隊に選ばれる踏破力の高いメンバーだけあって、ちょっとやそっとでは歩みは止まらない。
「こいつァ、一般人じゃあっという間に方向感覚を失っちまうぜ」
「ああ、前の報告書にも同じ場所をグルグル回ってしまった報告がある」
「薄暗いのと、変わり映えのしない土壁、あとは一度通った後にちょっと崩して別の道に見せるってのもあり得る。
そこにミストスピリットやピクシーが幻惑したら、イチコロだろうよ」
調査隊は、ユリエルの仕掛けた細工を読み解きながら進む。
マリオンとロリクーンが罠や敵を察知し、怪しい所は鑑定官が鑑定し、食らう前に看破して避けていく。
避けられない場所や、離れた場所から鉄球が転がって来たような場合は、ハゲ男が力ずくで対処する。
「魔物は前の報告書ほど出ないが、地図が意味をなさんのは厄介だな。
おそらく峡谷に入るまでは、道は来るたびに変わりそうだ」
「聖騎士を突入させるにしても、どうしても道を調べるだけで時間を食っちまうなァ。俺らでも、もう半日近いんじゃねえか?」
「時間の感覚も、こんなとこじゃすーぐいい加減になっちまう。
下手すりゃ、食糧とかの見込みを誤って餓死するぞ」
「道が険しいし外にも露店すらねえから、できれば少ない量でって考える奴も多いだろうよ。
特に、おめえみたいなちっこくて可愛い女子はよ~!」
些細な話のネタでもマリオンをからかうロリクーンを、ハゲ男と鑑定官がそのたびに止める。
ロリクーンは制止されると素直に手を引くが、すぐまたちょっかいを出す。
うっとうしいが、切り捨てるほどではない……そのラインを分かっているのだ。
それに、ロリクーンは確かに熟練の斥候だ。制止される時間の無駄より、明らかにこいつのおかげで短縮できる時間の方が大きい。
マリオンもそれは分かっていて、できるだけ反応しないようにやり過ごしている。
「ほいほい、分かったからそれも報告書に書けよ!
騎士の突入は難しいって要素見つけるほど、ギルドマスターにほめられるぞ」
「いやいや、マジックバッグ持ちの俺がいれば食糧問題は解決だぜ~。
もっとも、いつ戻れるか分かんねえのはどうしようもねえけどな。
こーんな複雑な道で迷子になったら、心細いよなあ?どっちに行ったら帰れるか分かんねえし、腹はすくし、誰も助けに来ねえし……。
でも、俺と一緒なら……ゆったりピクニックと洒落こめるんだぜェ?」
「ああ、枢機卿を止められなかったら聖騎士とピクニックしてこい」
ロリクーンが調査隊に欠かせないのは、見た目の何倍もの容量の荷物を詰め込めるマジックバッグを持っているからだ。
しかも、重量も軽減される優れもの。
ロリクーンは若い頃これを手に入れ、様々なミッションや冒険に駆り出されて成り上がった。
これを持ちかつ腕も確かな者は希少なため、ロリクーンは今や学園都市のギルドに欠かせぬ人材だ。
度重なるセクハラで多くの女冒険者を涙を飲んで辞めさせても、街で怪しい性犯罪事件が起こっても、ギルドに守られて現役を続けている。
本当は死んでくれないかなと思う者も多いが、本人の技量ゆえにしぶとく生き延びている厄介者であった。
「へへへっ……俺たちも、ちょっとぐらい遅れて帰った方が説得力があるかもよ」
冗談めかして言うロリクーンに、鑑定官は眉をひそめた。
「やめろ、俺たちの捜索に人が投入されて無駄に犠牲が出るだろ!
時間は厳守だ。何なら少し早く帰ってもいいくらいだ」
「早く帰るにゃ、それなりの理由が要るけどなー」
ロリクーンは熱っぽい目でマリオンを上から下まで眺めながら、挑発的に言い返した。
……が、言っていることは間違っていない。
皆無事に早く帰って、時間がかかるので全部調べられませんでしたと報告したら、インボウズがいい加減だとキレるのは必須だ。
冒険者はあてにならんなどと憤慨し、また前のような無謀な多人数での討伐を行うかもしれない。
死肉祭の前にそんなことをやられたら、最悪だ。
調査隊は、そんな惨事を起こさぬよう慎重に立ち回らねばならないのだ。
「しっかし面倒臭いねぇ~。
多分これ、正解ルートがいくつもあるよ。
こういう時は風と魔力の流れから正解の道を予測するんだが、正解の道が長かったり険しかったりは分かりづらいんだよ。
しかも何本もあるのをいいことに、途中で塞いだりしてきそうなんだよねェ~」
ロリクーンは、うんざりしたようにぼやいた。
ロリクーンは熟練の斥候として、ダンジョンの正解の道を探る技能を身に着けている。だが、それでもすんなり進めないのだ。
ダンジョンには、必ずコアルームにたどり着ける道がある。
崖があったり水没している場所があったり進みにくいエリアはあれど、必ず人くらいは通れる道がつながっている。
どういう原理か知らないが、全てのダンジョンはそうなのだ。
道を断ってマスターが籠城することはできない。
だから、正解の道を暴きさえすればいいと思われているが……ユリエルはあえてそれを複数にすることで対策している。
「……あいつ、何度もダンジョン戦に駆り出されてるからな。
つかロリクーン、おまえ俺らが中等部だった頃に、ドヤ顔でダンジョン知識語ってくれたよな。あん時はユリエルも一緒だったぞ!」
マリオンに突っ込まれて、ロリクーンは参ったという顔をした。
「あーそうだ!あの頃はあいつも可愛くってさァ……。
こんなアバズレになるとか思わなくてよー!」
ロリクーンは、遠い目をして呟いた。
「時ってなァ……残酷だねェ」
ユリエルとマリオンがまだ中等部だった頃の話だ。二人は汚い現場でも物おじしないのと元々手当の心得があったため、二年から死肉祭の回復役として出動していた。
これからまだ身長が伸びると期待して、若干長いスカートのユリエルと地面に引きずりそうなスカートのマリオン。
二人は、負傷者の間をコマネズミのように走り回って働いていた。
その負傷者の中に、ロリクーンもいた。
「おうおう、こんな可愛い子に看てもらえたら、すぐ元気になっちまうぜ。
将来ダンジョンの下の方に行くときは、俺が道を教えてやんよォ!」
「へえー、おじさん行ったことがあるんですね!
すごーい!どんなだったの?」
ユリエルとマリオンが興味津々で身を乗り出すのに、ロリクーンは上機嫌でダンジョン知識を語ってやった。
二人が目をキラキラさせてもっともっととせがむのが、ロリクーンには楽しくて仕方がなかった。
その頃はユリエルもだいぶ幼い感じで、ロリクーンの好みだった。
ロリクーンはお菓子を欲しがる子供にばらまくように、二人の反応を楽しみながら存分に知識をひけらかした。
周囲の衛兵や冒険者は、おてんばな子だと苦笑しながらも止めなかった。
この優秀な変態からしっかりした知識を継いだこの子たちは、将来対ダンジョンの優秀な戦力になると期待して。
……その期待に片方は応え、片方は手ひどく裏切った訳だが。
「さあ、4階層だぞ。
だいぶ時間を使った、見晴らしのいい所で休憩しよう!」
軽口を叩きながらも調査隊は進み続け、ついに騎士隊が全滅した4階層に入った。
しかし、時折虫の魔物が奇襲をかけてくる程度で、敵は拍子抜けするほど少ない。前に脅威になったという、ワークロコダイルは、影も形もない。
「やれやれ、前の報告書が嘘みたいに静かだね。
普通、見られてないとこに入られる前に追い返そうとするモンだが」
ロリクーンは、鋭い目で下の道や谷川を眺めてぼやいた。
マリオンも、引き締まった顔で言う。
「こいつは、考えたかねえが……一気に囲んでけりをつけるために、下層に戦力を集中させてるのかもな。
もしくは、生半可な戦力を出して失いたかねえから、少数精鋭で来るか……。
はたまた、広くしたことで戦力補充が追い付いてねえか」
あまり襲われないのは嬉しいが、こうも敵が少ないとかえって不気味だ。全員が、それを感じ取っていた。
「おいマリオン、まさか俺らを下層に誘い込めとか命令受けてねえよな?」
「ねーよ!追放された日から、ユリエルにゃ一回も会ってねえ!」
「ほーう、でも証拠はねんだろ?だったら今疑いを引っ込めてやる代わりに、その食いかけのサンドウィッチよこせや」
あまりに露骨な欲まみれの言葉に、鑑定官とハゲ男がドン引きした。
「おまっ……他の奴が見てないからって、いい加減にしろよ!」
「ずいぶん攻めるな。尻尾を掴ませない、おまえらしくもない」
ロリクーンは、いつになく真剣な顔で返した。
「本気だからだよ、こいつのことが。
こいつも他の可愛い子ちゃんたちも、長い事見てきたけどよ……時に負けないでいてくれるのは、マリオンだけだ。
こいつァ、俺の至宝だ!」
マリオンは、渋い顔で肩をすくめた。
「おまえのモンになった記憶はないがね!」
「俺の唯一にゃなってるさ。
おまえが初めてだよ……これだけ時が経っても、その体でいてくれるのは」
その言葉に、マリオンはとても複雑な顔をした。
ロリクーンは、マリオンがいつまで経っても小さく幼い体つきをしているのに何より惹かれているのだ。
マリオンもユリエルも、もう17歳。これくらいの歳になれば、どの女の子もどこかしら大人びてくる。
だが、マリオンは聖癒科にいた時から、全く変わっていない。
今でもあの頃のローブを余裕で着られるし、何ならスカートは地面につきそうなまま。足どころか身長自体が、ほぼ伸びていない。
体型も、残酷なほど変わらない。
あの頃から奥手だと言われていた体は、今ではすっかり成長した他の子たちと異質なほど変わらない。
だが、そこがロリクーンには何より眩しいのだ。
ロリクーンは、幼い少女が好きだ。だが少女たちのほとんどは、時がたてば大人の女へと変わっていく。
未だその兆しを見せないマリオンは、ロリクーンにとって永遠に幼い姿の妖精のように思えた。
だから、いつになく本気なのだ。
もっともその本気とは、欲望に一直線という意味だが。
ロリクーンは、夕闇が垂れこめて来た空を見て呟く。
「なあ、朝や夕方のきれいな空を、いつまでも見ていたいと思ったこたァねえか?俺は、そういう質なんだよ。
けどダメだ、その彩はすぐ変わって消えちまう!
おまえらだって、時が止まればって思う時くらいあるだろ?」
他の三人も、三様に切ない顔をした。
マリオンだって内心、これから先どうなるんだろうと不安はある。今は自分もユリエルも直接戦わずにいられるが、いつかどちらかが死なねばならない時が来たら。
正直、時が流れるほど事態はそちらに転がるだろう。
ユリエルは頑張ったが、はっきり言って教会の本気に太刀打ちできるレベルではない。そしてインボウズは、ユリエルが生きることを決して許さない。
今は死肉祭を控えているのでお互い本気ではないが、それを越えて教会の軍が立ち直ったら……。
そう思うと、悲しい今すら愛おしく思えた。
鑑定官は、巻き込まれる人々と審問官のことを案じていた。これから戦いが長引くほど、純粋に正義を信じる人々が死地に放り込まれ、審問官は本意ではない言葉を吐き続けることになる。
その状況に、審問官はいつまで耐えられるだろうか。
人々は、いつまで信じてくれるだろうか。
ハゲ男は、ギルドの規制緩和により都市も地方もひどい事になるのではないかと予想していた。
このまま地方の冒険者をここの戦いに投入すれば、地方が守り手を失ってますます荒廃してしまう。
たとえユリエルを倒しても、一度一線を越えて荒れた地方はなかなか元に戻らないのだ。
どれもこれも、時を経るごとにひどくなるだろう。
止まることのない時は、かくも残酷だ。
「そうだな、もう足下も見えない。
今日はここに泊まろう。わざわざ疲れたまま進むことはない」
鑑定官がしんみりとぼやき、ここでの野営が決まった。
ロリクーンがマジックバッグからテントを取り出し、輝きだす星の下、言葉少なに組み立てていく。
どうやらこの階層は、昼夜が外と連動しているようだった。
明るくても危険な峡谷は、暗くなると敵の姿や足場が見えづらくなりさらに過酷な環境となる。
時間を気にして強行軍を行えば、これからの人生全てを失うことになるだろう。
調査隊は、男二人がロリクーンを抑える形で、一人別のテントのマリオンの周りには厳重な警戒線を引いて、眠りについた。
……が、案の定というか、ロリクーンは他が寝入ると一人起き出してきた。
ロリクーンほど熟練の斥候ともなれば、人や魔物が寝ている場所でも自由自在に動き回れる。
だが、マリオンのテントに足を向けた時、ロリクーンはぞわっと寒気を感じた。
「敵!?」
ナイフを抜いて目を凝らすと、とこどどころ星明りをわずかに反射するモヤが漂っているのが分かった。
「チィッ!ミストスピリットか。
……いや、あれは違う!!」
不定形ではなく大きな塊になったモヤに、星明りで邪悪に笑うような顔がわずかに浮かび上がる。
それこそ、ロリクーンやマリオンでなければ見逃してしまうだろう。
「……イビルフェイスか。
起きろてめえら、新種が出たぞ!!」
ロリクーンの叫びに、他の三人が跳ね起きた。
だが三人がテントから飛び出した途端、濃厚に渦巻く霧がその丘の上を包み込んだ。
「下手に動くな、落ちるぞ!」
「すぐ照らす……ホーリーライト!」
聖癒科で一応光魔法を学んだマリオンが、威力はないがまばゆい光で丘の上を照らす。
それにミストスピリットたちは慌てて逃げ出し、イビルフェイスは嫌がるように顔を歪めた。
しかし、簡単に退きはしない。イビルフェイスがごうっと霧になって辺りを包み、猛烈な風雨がその辺りだけ吹き荒れる。
「止まって待て、長続きはしない!」
時間にして5分ほどだろうか。イビルフェイスは体の水分が足りなくなり、だいぶ小さな塊になって飛び去った。
「ふぅ……驚かせやがる」
「ああ、こけおどしだが濡れるのは地味に辛……うわっ!?」
突然、ハゲ男が自分の体を叩いた。小さな虫が、噛みつこうとしたらしい。
「あいつが目くらましして、その隙に毒でも注入するつもりだったか。発想は悪くないが、数が足りんのと、まだ連携がいまいちだな」
「俺らにどの程度通じるか、新顔の力を測ってんのかねえ」
幸い、全員がそれなりの実力者だったので人の被害は出なかった。それからは交代で眠るようにし、全員が無事に朝を迎えた。
……が、簡単に次の階層に進めた訳ではない。
たった三体の普通のレッドキャップを倒して、騎士隊が突破できなかった広場を抜けたところで、調査隊はあんぐりと口を開いた。
「上への階段……だと?」
ダンジョンは普通、下へ下へと下りていった先にコアルームがある。だから先に進むとなると、下るのが一般的なのだが。
「おう……こりゃ、横に広くて無駄に長いやつかもな」
マリオンが、げんなりして呟く。
ダンジョンの道は、コアルームにつながってさえいれば良い。なので、浅い階層を行き来するよう横に広いダンジョンもある。
そしてその広さは、深さの鑑定では分からない。
「……もしかしたら、こっちはフェイクで、別に下に向かう道があるかもしれない。
せめてこの階層はしっかり探索して、地図を作ってから進もう。上と違って、ここはそう簡単に道を変えられまい」
鑑定官の意見で、調査隊はしばらく4階層を探索することにした。時間稼ぎと、手土産作りのつもりで。
その途中、調査隊に異変が起こり始めた。
マリオン以外の三人が鼻や目を擦り始め、時々顔をしかめて体を掻き始めた。そのうち、涙と鼻水が垂れてきて派手にくしゃみをし始めた。
「ぶえっくしょおおい!!……こいつァ、おかしいぞ」
「おい、目が真っ赤だぞ!それに、肌も!」
はっと気づくと、肌が赤い発疹だらけになっていた。
特にハゲ男は小さな虫を叩き潰したところが火傷のように腫れてただれ、その周りが発疹でボロボロになって汁まで出ている。
「これは、毒だ……いつの間に!」
鑑定官がすぐさま鑑定し、皆で解毒剤を飲んだ。掻き壊してしまったハゲ男の傷は、マリオンが癒した。
「おーおー、さすがユリエル。
多分昨晩のイビルフェイスの風雨に、痒くなる植物の汁か毛虫の毒毛でも混ぜてやがったな。
しかも、すぐじゃなくて時間差でじわじわくるやつだ」
「なるほど、ダンジョンを長くして時間を味方につけるか。
解毒剤を消耗させ……いや、気づいた時に解毒剤を使える状況とは限らん訳だ」
ユリエルの意図に気づくと、調査隊の面々は唸った。
もし先に進んでマリオンや道具持ちのロリクーンと分断され、体を掻きむしりながらくしゃみを連発しているところで敵に襲われたら……。
あえて4階層に留まって、命拾いしたかもしれない。
「……時間の使い方が上手い子だねえ。
これが騎士だったら、鎧を脱いじまうかもしれねえな。重装備の奴が嫌がるように、時間を食ってインボウズも嫌がるようにしてんのか。
ま、俺らにゃありがたいがね」
「ああ、今はな……」
ユリエルの時間稼ぎ戦法を知ると、鑑定官たちは憂鬱になった。このダンジョンが長く粘るほど、昨夜自分たちが懸念した被害は大きくなるだろう。
短期的にはこの方がいいが、長期的な目で見ると非常にまずい。
死肉祭までは戦力を取っておくに越したことはないが、その後は早く終わってくれないと人々が苦しむばかりだ。
しかし、戦いもこのダンジョンもまだまだ先が知れない。
調査隊は残された時間を確かめながら、上への階段に足をかけるしかなかった。
久しぶりに新しい魔物を出しました。
イビルフェイス:ミストスピリットが進化した、顔がある霧の魔物。幻惑の他に、自身の水分で一時的に風雨を起こすことができる。……が、まだ長続きはしない。あまりに水分を失うと弱体化し、水分補給が必要となる。
ただれ虫:ヤケド虫ことアオバアリガタハネカクシが魔物化したもの。体長5センチくらいで、叩き潰されることで毒液を出して肌をただれさせる。長時間放置すると肉が溶けてえぐれてくる。ただれた肌には当然毒が浸透しやすいため、散布する毒と組み合わせて使うと強力。
毛虫の毒の中には、時間差で痒くなってくる種類があります。
この時期ツバキなどで見られるチャドクガは、日中触れたり毒毛を浴びたりすると夜に痒くなるくらいのペースです。すぐ痒くなったように感じるのは、多分気分的なもの。