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虫愛でる追放聖女はゲテモノダンジョンの妖精王となりて  作者: 青蓮
第1章 ダンジョンマスターへの道
16/121

16.侵略は芋ヅル式に

 もうポイントが100近くなって嬉しい限りです。

 皆さまの応援が、私の力になります。ありがとうございます!


 ワークロコダイルを追うように侵入してきた人間は、どういう集団なのでしょうか。

 そして、ダンジョンとは本来力を得るために狙われるものであるからして……ユリエルもアラクネも考えないまま引き金を引いていたのです。

 教会に飼われていると名高い、虫けらのダンジョン。その一階層を、男は先陣をきって進んでいた。

 噂通りの進みやすいだけのダンジョン。

 教会が、世に逆らう者などいないと守りもしない、世をなめ腐った証。

「いいぜ……そんなに手ぇ抜くなら、俺様がもらってやるよ。

 そうしたらあいつらも、少しゃ奪われた痛みが分かるかねえ」

 男の目は、復讐心にギラギラと輝いていた。

 ここからだ、と男は思う。このダンジョンを奪取すれば、きっと自分は憎き教会に復讐する力を得られる。

 そのためなら何だって突き伏せてやると、男はパルチザンを握りしめた。


 この正体不明の一行を、ユリエルたちはダンジョンコアを通して見ていた。

 皆レベル20超えの、装備がバラバラで物理攻撃職の多い、冒険者風の集団。そして戦闘を行く長柄武器の男が、ひときわ強い。


 名前:レジスダン

 種族:人間 職業:戦士

 レベル:47 体力:860(/890) 魔力:50


「こいつが、リーダーね。多分、力で従わせるタイプ。そして……」

 侵入者共のステータスを見ていて、ユリエルは気づいた。

「何かこいつらも、皆体力が微妙に減ってるんだけど。もしかしてこいつら、自分がまいた毒にちょっとやられてない?」

 侵入してきた時のワークロコダイルたちと同じだと、ユリエルとアラクネは思った。

 しかしシャーマンは、ふしぎそうに首をかしげる。

「あいつらが、あいつらのためにまいたのに……そんな事があるのかね?」

「うーん……考えられなくはないよ。あいつらが、使った毒の性質を知らずに間違った使い方をしたのかも。

 だって、ばらまいて環境を汚染したら、本人も危ないじゃない!

 もし、ワークロコダイルの皆さんと同じように汚染された水を飲んだり魚を食べたりしていたら……」

 ユリエルの推測に、ワークロコダイルの一人がポンと手を打った。

「アア、アイツラ、浮イタ魚集メテタゾ!

 ソレデ俺ラトチョット喧嘩シタ」

「……ああ、決まりだ」

 ユリエルは、頭を抱えながら納得した。

 きっとこの人間たちは、その毒が自分たちにも害を及ぼすと知らなかったのだ。そして、都合のいいように使おうとして中毒してしまった。

 案外、ワークロコダイルがユリエルのヘビ捕獲罠を誤解したのと同じことかもしれない。

「これ、本当にワークロコダイルを倒そうとしたのかしら……?」

 そこまで疑うユリエルに、シャーマンは憮然として告げる。

「でも、あたしたちの集落がやられててんてこ舞いになったら、奴ら襲って来たよ。水辺から逃げ遅れた子供や老人を殺して、持ち帰って解体してた」

「まあ、当初の目的でなくても手に入りそうなものがあれば手を出すのが人間ですから」

 ユリエルは、自身の反省を踏まえてそう思う。

 もし人間たちが目的外にワークロコダイルを弱らせて手を出しただけで、それを謝罪しダンジョンの力になるなら仲間にするのもありだ。

 それにしても、向こうの事情とワークロコダイルの反応によるが。

 ともかく、相手の目的と正体が分からないと話にならない。

 そこで、アラクネが口を挟んだ。

「教会の手下が、集団でワニ狩りに来たとか?

 ほら、こいつら教会の旗を掲げてるし」

 よく見ると、確かに隊列の中央に教会の紋の旗がある。そこだけ列の横幅が広く、大事に守っている感じだ。

「ここで行方不明者が相次いだから、湿地にいた部隊に調査命令が出たとか。

 だって、さすがに人間だって怪しんで動く頃だし」

 アラクネの言う事には、一理ある。ユリエルとアラクネはいつ人間の攻勢が始まるかと恐れ、焦りのあまりワニたちを引き寄せてしまったのだから。

 しかし、ユリエルは違和感を覚えた。

「教会が、こんなにすぐ直属部隊を動かすかしら?

 失踪者の捜索は基本的に冒険者ギルドの管轄だし、教会からの依頼じゃないと旗も与えられないと思うのよ。

 それに……冒険者にしても、装備や服がボロくて汚すぎる」

 ユリエルは、教会と冒険者ギルドの関係や、それぞれの仕事を知っている。自分たちの得にならない仕事に、教会がどれだけ無関心かも。

 そしてメンツにこだわる教会が、仕事をさせる者の身だしなみにも大いにこだわるということも。

「じゃあ、どうやって正体を確かめるのかね?」

 苛立つシャーマンに、ユリエルは事も無げに言った。

「大丈夫、教会の手下かどうかはすぐ分かる。

 だってここは元々、教会のものだったんだから」


 人間たちの先頭を行く男は、ふと足を止めた。磨き上げられた感覚が告げている……魔物が来ると。

 少し待つと、にわかに道の奥からぞわぞわと何かが這ってきた。

 八本の足を持つ大グモと、黒光りする体に数えきれないほど足をつけた大ムカデ。それに、一回り大きくて丈夫そうな石ムカデも。

 それを見ると、手下の一人がお札をかざして前に出た。

「へへっこれがありゃ、虫共は手が出せねえ!

 オラッどけ!!」

 しかしそのお札は、これまで冒険者たちが持っていたものと違い、淡く光っていない。

 それを突きつけられた虫たちは始め訝しんだように動きを止めたが、手下が強気に近づくと一斉に襲い掛かった。

「ぎゃあ!な、何だ!?」

「バカが!!」

 戦闘の男……レジスダンは、間抜けな手下もろとも虫たちを斬り払った。他の手下たちも、慌てて応戦する。

 程なくして、襲い掛かった虫たち……十匹ほどは、皆骸となり果てた。

 腰を抜かしている間抜けな手下を、レジスダンはさらに殴り倒す。

「教会!なんかの!おこぼれに、頼るな!!

 だから!てめえは!ダメなんだ!!」

 仲間だと言うのに鬼のような形相で、許しを請う手下を何発も殴る。そして、光らないお札を取り上げて他の手下たちに言った。

「いいか、教会の札なんてのは、じきに効果が切れちまうんだよ。だから、それに頼ると一生買い続けなきゃならなくなる。

 こいつはな、教会が俺たちを縛ろうとする鎖だ!

 てめえらの中に、まだ教会に頼りてえ奴はいるか!?」

 手下たちは震え上がって、必死に首を横に振った。

「いや、教会は悪魔だ!!」

「あんな奴ら、クソ食らえだ!!」

 その反応に、レジスダンは怖い顔のままうなずく。

「その通り!!教会なんてのは、人を食いものにすることしか考えねえ悪徳坊主共の集まりだ。教会に連なるものは、全て悪だ。

 野郎ども、俺たちはなぜここに来た!?」

「ここから、教会を潰すために!!教会の世を、倒すために!!」

「そうだ!!ダンジョンは時に、国すらも脅かす。その力があれば、教会もその恵みに浸っている豚共も根絶やしにできる!

 俺たちの道は、ここから始まるのだ!!」

 ひとしきり熱く叫ぶと、レジスダンは倒した虫の死骸を槍先でつついた。

「見ろ、今の戦いの前から足がもげていたり胴がひしゃげていたりする奴がいる。

 おそらく、ワニ共と戦った名残だ。そして、こいつらが襲ってきたということは……」

 くたびれた学者風の手下が、答える。

「まだマスターはアラクネのまま、ワニ共の侵攻に何とか持ちこたえていると」

「その通り!」

 パチパチと上機嫌に手を叩くレジスダン。その会話に、縮こまっていた手下たちにも笑顔が広がった。

 レジスダンは、凶悪な笑みを浮かべて言う。

「普段なら勝てない相手でも、潰し合って両者が弱っているところに突っ込めばイチコロだ。教会がどれだけ守りを置いているかは知らんが、あのワニ共相手に無傷じゃいられねえ。

 そもそも、ワニ共も今なら落とせると踏んだから攻め込んだんだろう。

 だが、ダンジョンを手にするのは奴らじゃねえ!

 弱ったワニ共と虫共、俺たちが総取りだ!!

 勝負がつく前に、行くぞてめえら!!」

 自分たちを阻むには明らかに少ない、傷ついた虫たちの襲撃に、レジスダンは勝算を確信する。

 自分の思った通りだと。

 意気上がるレジスダンたちは、力の横取り目指して進軍を速めた。


 それを、ユリエルたちは煩わしそうに見ていた。

「おおっと、これは確実に教会の手下じゃないぞ。

 しかも、ワニさんたちが弱ったところを後ろから襲う気だ」

「めちゃくちゃ卑怯な過激派だねえ」

 今の反応と会話で、こいつらがどんな勢力なのかだいたい分かった。

 こいつらは、教会を激しく憎む抵抗勢力だ。しかし民に根差したタイプではなく、それを言い訳にまとまっている野盗のようなものだ。

 だから虫よけの新しいお札を持っていないし、教会の旗も戦利品かつ一般人を襲う小道具なのだろう。

 しかも、教会への憎み方が尋常ではない。

 戦況の分析などでは冷静なリーダーだが、教会絡みで何かあると人が変わったように手下に暴力を振るっている。

 教会をそこまで憎んでいるのは、実は一部で、奴らは一枚岩ではないのかもしれない。手下たちの反応を見ると、そう思える。

 だが、リーダーのやることに勝算があるから、ついて来ているのだろう。

「フン、あたしたちとダンジョンが弱ったところを狙うか。

 憎らしい程頭の回る人間だねえ!」

 シャーマンが、忌々し気に呟く。

 どうもこの野盗どもは、ワークロコダイルの動きを見て、ここが落とせそうだと判断したらしい。

 そして先を争うよりも、あえてワークロコダイルとダンジョンが戦うのを待って、漁夫の利を狙ったようだ。

「そっかー……普段ダンジョンに近づかない集団がダンジョンに攻め入るってだけで、ダンジョンが欲しい奴らにはチャンスが丸わかりなのか。

 これ、噂が噂を呼んでどんどん来そうで怖いわね」

 ユリエルは、しみじみと呟いた。

 事情を知っているユリエルがダンジョンに居ついたら、ワークロコダイルが攻めてきた。そのワークロコダイルの動きを見て、野盗が攻めてきた。

 この先、それを察知した他の勢力が、芋ヅル式にどれだけ来るか分からない。

 教会が厳重に守っている(と思われている)以外は、こんなに弱くて攻めやすいダンジョンはない。

 ダンジョンやダンジョンコアは、魔物や社会から外れた人間たちにとって、涎が出るような力の源なのだから。

「ええ……そんなに狙われるものだったの!?

 あたしはずっと、こんなのあっても意味ないって思ってたのに」

 アラクネも、今さらになってダンジョンの価値に気づいたようだ。

 今まで搾取されるばかりで大した力を使えなかったため、ダンジョンの力の価値など知らなかったらしい。

 ユリエルは、面倒くさそうにぼやく。

「あーあ、この調子で騒がしくなったら、絶対教会に気づかれる!

 まだ大して改造もしてないし、もう少し潜伏したいところね。

 どうにか、侵攻の連鎖を止める手立てはないかしら?できれば、ギルドや教会の目も欺けるような……」

 腕を組んで、うんうんと考え始めるユリエル。

「あ、あの……そんな事より、今来てる人間への迎撃を……!」

 迫る敵に慌てるアラクネだが、それをシャーマンが制した。

「大丈夫さ、あいつら程度、今の戦力なら勝ちは揺るがない。

 あいつらは勝てるつもりで来てるが、あいつらの勝算なんかとっくに外れてる。

 だいたい、あいつらはあたしらとあんた率いる虫の両方が傷ついてると踏んで、来たんだろ。でも今のダンジョンは……」

 ユリエルたちを囲むのは、傷と毒まで癒されてすっかり元気になったワークロコダイルの戦士たち。失われたのは、タフクロコダイルガイただ一人。

 虫たちも、まだまだ投入できる戦力が控えている。さっき傷ついた虫ばかり少数で向かわせたのは、野盗どもを誤解させるため。

 そもそも、ワークロコダイルは鱗が厚く毒針が通らないと判断したため、ユリエルは毒虫をあまり出さなかった。

 だが人間の肌には、虫の針や牙が余裕で通るのだ。

 とどめに、今のダンジョンマスターはアラクネではなく元聖女。癒しや味方の強化が得意で、集団戦でこそ力を発揮する。

 野盗どもの勝算は、とっくに空の彼方に吹っ飛んでいるのだ。

「……うわあ、何かかわいそうになってきた!」

 状況を理解すると、アラクネは別の意味で頭を抱えた。

 それを横目に、ユリエルとシャーマンは楽しそうに作戦を練っている。

「とりあえずここまでお通しして、一人も逃がさないように仕留めなくちゃ。逃げられて教会やギルドに駆けこまれたら、シャレにならない。

 ちょっと、戦士の皆さんに演技頼めるかしら?

 息子さんの遺体もちょっとこのまま置いときますね」

「ああ、いいよいいよ。奴らを仕留めるためなら、いくらでも使っとくれ!

 あんたたち、奴らが近づいたら戦ってるような声や音を出すんだよ。何人かは、死んだフリで地に伏せろ」

「じゃあ、捕らえて生かしてる人間から血を搾ってぶっかけますね。

 後は、そうね……」

 ここでユリエルは、閃いてポンと手を打った。

「そうだ、教会を使おう!

 アラクネちゃーん、教会と通信できる魔道具でさー……」

 その輝くような笑顔に、またとんでもないことを思いついたぞと思いながら、アラクネもユリエルに従って準備を始めた。


「急げ野郎ども、乱入の機を逃すな!!」

 レジスダン率いる野党は、足早にダンジョンを進んでいた。息が上がるほど走らせてはいないが、さっき殴られた手下は他の手下に引きずられている。

 戦いのために体力を温存することすら、レジスダンにはもどかしい。

 三階層に入ると、奥から騒がしい物音が聞こえてきた。ドスドスと、わずかに地面が震える重量級の足音。

 さらに通路に転がっている、血まみれのワークロコダイル。

 それに噛みついている、足がだいぶ欠損した岩ムカデ。

「こいつは……!」

「読み通りだ、まだ戦ってるぞ!

 解体は後だ、コアルームへ……シッ!」

 走り抜けようとするレジスダンに、突如として岩ムカデが襲い掛かった。レジスダンは、落ち着いてパルチザンを振るい、岩ムカデの体を両断する。

(こんな奴に構ってられるか!

 戦況は……ワニ共のボスが生き残っていたら、厳しい戦いになるな)

 この先の戦いを思い、レジスダンはぎゅっとパルチザンを握りしめる。

 この戦いにこの対教会レジスタンスの……そして、自分の命運がかかっている。

 目論見通りダンジョンを奪取できれば、手下たちはこれからもついて来て、きっと自分の復讐は叶う。

 しかし、もし勝てなかったら……。

(いや、勝てる勝てないじゃねえ!勝つんだ!!)

 暗い予想を振り払って、レジスダンはただ駆ける。

 こんな所で弱気になって怖気づいてはいられない。これは、自分にとってただ一つの運命を逆転させるチャンスだ。

 何が何でも、死力を尽くしても掴み取る幸運だ。

(クソみたいな人生だった……だが、ダンジョンの力があれば!!)

 うまくいかないばかりで、いつも悔しい思いをしていた。足掻いても足掻いても、這い上がれず憎い奴らに届かなかった。

 だがようやくそれが報われる日が来る。

 自分から全てを奪った教会を潰し、教会を支える信者共を皆殺しにし、全てを奪ってやれる日が来る。

「ミラ……」

 レジスダンは、吐息混じりに呟いた。

(おまえを見捨てた奴らになんか、兄ちゃん、負けねえからな!)

 コアルームの入り口から、ワークロコダイルと虫が戦うのが見える。

 いきなり、足が止まりそうになる程の揺れがきた。続いてワークロコダイルたちの、悲痛な叫びが響く。

「ウオオオ!!チャンピオンガ、ヤラレター!!」

 レジスダンは、してやったりと口元を緩めた。

 最大の懸念であった、ワニ共のボスは倒れた。後は傷ついた手下どもを血祭りに上げ、虫共を蹴散らすのみ。

 ふと、ワニ共のボスを倒せるのはどんな奴だろうかと新たな懸念がよぎったが……そいつも傷つき消耗しているはずだ。

 どんな相手だろうと、この機を逃す道理はない。

「突っ込めー!!」

 レジスダンたちは、体中に力をみなぎらせてコアルームに突撃した。


 コアルームは、思った通りの有様だった。あちこちにアラクネのものと思しき糸が張られ、その下にワークロコダイルの戦士たちが倒れ伏している。アラクネの手下であろうムカデやクモの死体も散乱している。

 そしてひときわ目を引く、飛びぬけて大柄なワニの亡骸。

 地面に広がる大きな血だまりの中に突っ伏したこいつは、間違いなくワニ共のボス。

 そして奥には、壁を背にして虫たちに囲まれているダンジョンマスターの姿があった。好色坊主共に着せられたのか、ビキニアーマーをまとったアラクネ。

 さらにその側にもう一人、白が目を射る姿があった。


(……聖女!!)

 間違えるはずがない、あれは憎き教会の手下。

 優しいフリをして人間から金を巻き上げる誘惑の花であり、癒しの力で仕事を選べなかった貧者を何度でも戦場に送り返す鬼。

 何より醜い教会の毒花が、そこにいた。


「うおおお聖女おおぉ!!!」

 レジスダンは、脇目も振らずに聖女に突進した。

 きっと、ワニ共のボスが倒されたのはこいつの力だろう。だがこいつも下半身が血まみれで、手負いだ。

 こいつさえ倒せば、後は両方雑魚ばかり。

 しかも、教会への復讐の最初の一太刀として最高の相手だ。

「死にやがれええぇ!!!」

 まっすぐにパルチザンを構え、聖女の心臓を一突きにせんと迫るレジスダン。

 しかしその体を、突如として白いものがブワッと包んだ。体中にベタベタとくっついて、網のようにたわんで勢いが削がれる。

 白に覆われた視界の向こうで、手下たちの悲鳴が響いた。

 レジスダンの名前の元は、レジスタンス(抵抗組織)。

 ユリエルと同じく教会を憎んでいますが、手を取り合えるかは……それ以前にワニさんたちにやらかしているんですけどね。


 そして次回、毒の真実は一体どんなめぐり合わせだったのか。

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― 新着の感想 ―
「こん中に、教会にビビってる奴、居る? 居ねぇよなぁ!!」 うーん、欠片もかっこよくないレジスタンスもとい野盗ども。 リーダーには義憤が有りはしそうだけど、応援はする気が起きない。 まあ、同じく義…
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