111.嬉しくない千客万来
結局一回とんでしまった。
そしてまた三連休が迫っているという……やっぱり無理なく投稿できるのは週1かな。
インボウズの最悪な宣伝により、最低な男が大量に押し寄せる!
街も、ダンジョンも、色に目がくらんだ奴らで埋め尽くされてしまった!
でもユリエルのダンジョンは、元々長い難路と虫の数の暴力で敵を迎え撃つのに特化した要塞。それがさらにパワーアップしているのだから……。
後先考えないと、後がなくなるのはお約束。
聖なるイベントが途切れた真冬だというのに、リストリアは人々でにぎわっていた。
しかしちょっと見れば、その人の層がいつもと違うことに気づくだろう。
リストリアの通りや飲食店では、いつも多い聖職者以上に、ものものしい装備の者たちが目立っている。
中には地方から来た冒険者なのか、いつもなら眉を顰められるような粗野な身なりの者もいる。
そうかと思えば、上品な装備に身を固めてたくさんの従者を引き連れた、あからさまに名家や富豪のお坊ちゃんもいる。
見た目は違えど、こいつらの目当てはただ一つ。
「邪淫の魔女ユリエル、絶対に俺が分からせてやるぜ!」
皆が早くも鼻の下を伸ばし、そちらの戦歴を自慢する猥談に興じていた。
聖なる学園都市という建前上、普段なら周囲から白い目で見られ、あまりに度が過ぎると衛兵にしょっ引かれるのだが……。
今は、そうではない。
なぜなら、こいつらこそが枢機卿インボウズの頭痛の種を取り除く希望にして、正義の執行者なのだから。
インボウズは、何が何でもユリエル討伐の人手を集めるために、治安の乱れを大目に見て街に負担を強いていた。
それどころか、戦で父や夫を失って困窮した女たちのうち借金を返せなくなった者を集め、娼館をオープンさせて働かせてすらいる。
これに、集まった下種共はますます鼻息を荒くする。
街は、ユリエル討伐の名のもとにどんどん退廃していた。
その背徳の象徴のような絵が、冒険者ギルドでお披露目された。
「さあ、よく覚えとけよ……これが、邪淫の魔女ユリエルだ!」
かけられた布がサッと外された途端、集まっていた男たちは歓声を上げて前のめりになった。
それは、討伐対象としてのユリエルの絵だった。
あまり見た目を知られていない魔物などと同じように、討伐する者に見た目を周知するためのものだ。
しかしその雰囲気は、元のユリエルとは似ても似つかない。
描かれているのは一応、戦聖女服姿のユリエルだ。
しかしその聖女服は胸の頂が見えそうなほどはだけて、下半身もズボンの脇に大きなスリットが入っている。
そんなユリエルの体には、たくさんの虫やゲテモノがまとわりついている。
乱れてうねる髪には、艶やかな蝶が留まり。たわわな胸元にはいやらしい蜘蛛が這い。とどめに太股には、ヤバい方向に頭を突っ込んだ蛇が巻き付いている。
あからさまに、男のそういう妄想をかきたてる演出だ。
それでいて顔はしっかり似せており、無邪気さの垣間見える童顔に誘うような邪悪な笑みを浮かべている。
似ても似つかぬ淫らな様相に、これまでよく知られていたユリエルの要素をしっかり盛り込んだ、ある意味見事な出来であった。
これを見て、脳が下半身に支配された男がやる気にならない訳がない。
「うおおお!!このメスを分からせるのは俺だ!」
「いや、やらねえぞ!すぐこっちが踏破してやらぁ!」
これ目当てでわざわざ来た、脳内獣な冒険者のことだ。すぐさま虫けらのダンジョンに向かって飛び出し、もう少し余裕のある者は娼館に突撃する。
冒険者ギルドから宿屋街や娼館への道には、そういう冒険者のための露店が所狭しとひしめいている。
「さあさあ、水と携帯食料のセットだよ!
三日分ずつ小型マジックバッグに詰めた、便利セットもあるよ!」
「行った先でイく元気の自信の程は?元気になる品、揃ってるよ!」
「焦れ焦れ道中のお供にいかが?こいつぁお宝本だ!
若い娘でも未亡人でも、よりどりみどり。なんと、家族を失った方々の支援に充てられる徳の高い品だ!」
普通に冒険に必要なものから下半身のためのいかがわしい品まで、冒険者たちの目を引くものが目白押しだ。
しかも、虫けらのダンジョン攻略の確約と引き換えにお得に買える制度まである。
これは、冒険者ギルドが冒険者の生死を把握する目的も兼ねている。
冒険者はギルドで、虫けらのダンジョンを攻める誓約書にサインするのと引き換えに、いくらかの金券をもらう。
ギルドの方は冒険者を生死を把握できる魔道具に登録し、死んだら宿を片付けて遺したものを接収する。
そうすれば、ギルドは効率的に宿を回し、役立たずの遺産を回収できる。
冒険者には元々身寄りのない者が多いうえ、そうでなくとも色に目がくらんで後先考えなくなっているため、この商売はうまくいっている。
「グッフッフ……さあ突撃しろ!さっさと問題の元凶を殺せ!
代わりはいくらでも来るんだ……役立たず共は財だけ遺して去れ!」
冒険者たちの命を表わすろうそくの火が揺れる部屋で、ギルドマスターは歪んだ笑みを浮かべた。
冒険者を守る組織にあるまじき使い捨てだが、ギルドマスターは外から来る冒険者の命などどうでも良かった。
大事なのは、とにかくユリエルを攻める人手を確保すること。
そして、少しでもこれまでの損失の穴埋めをすること。
遺された冒険者の家族が困窮しようが、知った事か。後先考えずに契約する奴が悪いんだし、こっちには神敵討伐の大義名分がある。
ただし、投入したそばから死ぬ奴の多さは不愉快だったが。
「むっ……またパーティーが全滅したか。
役立たず共め!すぐ宿を片付けて遺品を接収してこい!!」
そもそも後先考えずにすぐ死ぬ奴を集めてしまうやり方が悪いと、根本的な原因に気づかないギルドマスターであった。
虫けらのダンジョンへの道は、多くの人が通るようになったため大幅に広げられて整えられた。
ダンジョン前には広場が作られ、貴族の豪華な馬車を停める場所や簡易な宿泊所ができている。
さらにそこにも攻略する者相手の商人が集まり、街の大通りでははばかられる下品な品まで露骨に並べて売っている。
そこだけで、小さな町のようになっていた。
以前あった小妖精の妨害は、人が多く集まるにつれて押し切られてなくなった。
戦力を常駐させることで、まずは周囲だけでも制圧できたと言える。
……集まった冒険者たちが愚かなのは、この調子で中まで制圧できるだろうと高をくくっていることだ。
外から来た冒険者たちは、ここの変化をよく知らない。
ギルドでは一応説明があったのだが、そんな事より討伐対象を分からせることで頭が一杯で、頭に入っていない。
「へっ、股を開くだけの元聖女にまともな戦いができるもんか!」
「ちょっと進化して調子に乗った元アラクネと、落ちぶれて自滅した背教者?
そんなん俺らの敵にゃならねえって!」
「虫なんて、いつもみたいにプチッて潰しゃいいんだよ!」
そう言ってゲラゲラ笑いながら、次々とダンジョンに入っていく。
これまで同じように入っていった者たちが、どれだけ生きて帰ってきたか……そんなことなど考えもしないで。
こうして、ダンジョンはこれまでにない数で攻められることとなった。
しかし、ユリエルたちが対策をしていない訳がない。
ユリエルは、ろくな統率も取れていない冒険者たちを見て、捕食者の笑みを浮かべた。
「あーあー、数が多いばっかりで何も考えてないじゃない!
とにかく自分が先に行くことしか考えてなくて、うまいこといろんな道にばらけてるわね。これなら、各個撃破し放題よ。
ま、欲に目がくらんだ男なんてこんなもんか」
虫けらのダンジョンはこれまでにも、死肉祭前の討伐軍を同じ手で……分断してからの各個撃破で退けている。
だが今回の冒険者たちは、その教訓を何も学んでいない。
そんなものを大量投入したってまた同じことになるのが、分からないのか。
初めから、ユリエルの作ったダンジョンは大人数を相手にするための工夫に満ちているのだ。
さらに最近の改造で、また長く時間を稼げるようになっている。
長いということは、敵を分散せられるということである。そして分散して孤立した敵は、レベルの低い味方でも倒しやすい餌だ。
「良かったじゃねえか姉御、またDPがたんまり入るぜ。
千客万来って奴じゃねえか!」
レジスダンは楽しそうに言ったが、ユリエルは眉間にしわを寄せていた。
「いや、そうだけどさ……こんな欲望しかない男ばっかなのが嫌!
私が街で聖女として奉仕してた頃は女として見てくれなかったのに、こうなったらこんなに押し寄せてくるなんて!
やっぱり男はビッチがいいのか?世の中、淫乱の勝利なのか?
私は大事にしてもらいたくて、処女の方がいいかなって思ったのに……負けた気分!!」
ユリエルは、淫乱な自分のイメージがこんなに男を惹きつけたことにショックを受けていた。今まで純潔を守って恋に恋していたのが、全否定された気がして。
吐き気がするような偶像の方が、本来の自分よりモテるなんて。
だが、そんなユリエルをシャーマンが冷静に諭した。
「で、あの中にあんたが結婚したい男はいるのかい?」
「いやいや、あんなの絶対ごめんよ!」
「じゃあ、いいじゃないか。あんな淫らなだけの演出につられる男ばっか集まっても、あんたにゃ何の価値もないだろ。
いや、DP分の価値しかないか。
むしろ、心の痛まない獲物が大漁だって思っときな!」
その言葉に、ユリエルは一つため息をつきながらうなずいた。
「あー……そうね、世の善良な女のためにお掃除すると思っとこう。
しっかし、世の中にはゴミみたいな男がこんなにいるのね。
お掃除したら男が減っちゃいそうだけど、そうなると善良な女が報われるかは分かんないなー。悪い女も同時にお掃除できたらいいのに」
「とりあえず、今はクソ野郎退治に集中しようぜ。
俺だって、清純な姉御をあんな目で見てくる奴は許せねえ!」
レジスダンは憤慨してそう言うが、世のためにならぬクソ野郎としてユリエルに葬られた中には他ならぬレジスダンも入っている。
ユリエルは内心白い目で見つつ、レジスダンにも迎撃命令を出した。
「分かった、今回はあんたにも働いてもらうから。
せっかくたくさん来たんだし、今回はいろんな階層を試したいのよ。適当な強さの奴を、あんたの城に送るようにするわ」
「おい待て、それじゃしばらく殺せねえだろ!
こんなに敵がいるのに殺せねえとか、俺の心を殺す気か!?」
「あーはいはい、じゃあ敵が熱帯雨林に入るまでは好きに戦ってちょうだい。
でも、あんまり目立たないでよ。上の方から強いのがいるって分かると警戒されるし、情報持ち帰られても困るし」
「やったぜ!!静かに葬りゃいいんだな」
レジスダンは残虐な笑みを浮かべて、味方用転移陣に姿を消した。
ユリエルも、いそいそと南国舞踊衣装に着替えて長弓と慈悲の短剣を手に取った。
顔も会わせたくないタイプの相手だが、自分がガッツリ経験値を稼ぐチャンスでもある。
この倒しやすい敵の流入が続く間に新しい自分に慣れるべく、ユリエルたちはそれぞれ迎撃に出た。
侵入者たちの戦線は延びきり、いいように分断できた。
上層の迷路に加え、ユリエルは以前冒険者の誘導のために使ったアスレチック難路の橋をうまく使った。
その橋はアスレチック難路の一部をショートカットできるが、一定時間に決まった人数しか通れないようにしたのだ。
すると、自分のことしか考えていない冒険者たちはすぐに小競り合いを起こした。
自分が早く渡るのだと、他者を蹴落とす者が現れだした。
そうして落とされてしまった者は、谷底に叩きつけられて予想外のダメージを受け、レベルの低い虫たちのいい餌になった。
そこまでの低脳でなくても、これで分断はできる。
あるいは、渋滞にしびれを切らした者が別の道を探そうと狭い枝道に入り込み、虫に退路を塞がれて人知れず狩られていく。
虫たちはそうして少人数を狩るたびに迅速に死体を地面に引きずり込むので、後続が次々と同じ道に入って同じ目に遭う。
しかし、自分のことしか考えない下種共は周りなど見ていない。
むしろ同業者が減れば、その分自分が先に進めると嬉々とするレベルだ。
そういう奴らは、4階層でイビルフェイスに毛虫の毒毛入りの嵐を浴びせられても、その時何もなければそのまま進んでしまう。
そしてアスレチック難路の後半や湿地に入ったところで、痒みと目や鼻の洪水、止まらぬくしゃみに襲われるのだ。
しかも早く進んでヤることしか頭にないため、違和感を覚えてもすぐに対処せず、進めなくなるまで放置してしまう。
「ぶえっくしょい!へーっくじ!
何だこれ、目が……ぶしょおおい!!」
「おい、早く……ズビビッ解毒剤……あーっぐしょおい!」
「痒いんだ!おい、こぼすんじゃねえ……ふざけてんのか!?」
さすがにヤバいと思った時には、もう冷静な対処もできない。
あっという間に解毒剤が消えていき、乏しくなると仲間内でも奪い合う。果ては、解毒剤欲しさに同業者を襲う者までいる。
さらに、ひっかき傷だらけの肌からますます毒が侵入しやすくなる悪循環。
そのうえこの食らい方だと、鎧の下まで毒針毛が入って痒くなるため……耐えかねて鎧を脱いでしまう者が続出した。
「うおおお掻ける!ひいい……いぎゃあああ!!」
だが、湿地で足の防備を捨てて止まって掻きむしっていたらどうなるか。
血と体液の匂いに引き寄せられたザリガニの魔物に足をちょん切られ、全ての症状の心配がなくなる。
別の者は大量のヒルに吸い付かれ、毒を吸ってもらって楽になったと一息つきながら失血死する。
そういう雑魚を叩き潰せたとしても、この状態でワークロコダイルに勝てる者は多くない。
湿地のあちこちから、哀れな冒険者の悲鳴が響き渡った。
幸い、ワークロコダイルは数が限られているので、元気な者は他が襲われている隙に逃げることができた。
とはいえここまでで解毒剤を惜しまず使っていると、次の毒沼で呆然とすることになるのだが。
毒沼を抜けて7階層に入ると、侵入者たちはようやく一息つける。
だが、うららかに見えるここも決して安全ではない。
藪が多く見通しの悪い森は、虫の魔物巣窟だ。
穴グモの落とし穴にはまったり天幕虫の糸ネットをかぶせられたりして視界と体の自由を失うと、たちまち四方八方から虫が襲ってくる。
アサルトビーが刺し、バレットビートルが砲丸のような体当たりを仕掛けてくる。
一目見て虫がいないと思った方に逃げても、そんな甘い話はない。虫は本来、擬態して隠れる天才なのだ。
たちまち、木の枝だと思っていたヘッドバットワームの強烈な頭突きを食らう。
周囲の色に溶け込んでいたハイドマンティスの鎌が、振るわれる。
それらに耐えても時間をかけて戦えば、ハルバートカブトやギロチンクワガタといった重量級が現れる。
そうして戦っている間にも、木の上から毛虫たちがぶら下がって刺してくるし、蝶の魔物が毒の鱗粉をまき散らす。
全方位どこからでも、敵が現れる。
もっとも、少数の侵入者に大量の虫が殺到するため、周囲の虫が出払った場所を通って抜ける奴もいるのだが。
しかし、孤立した奴はもっとあっけなく死ぬこともある。
いきなり体に糸がくっつき、一本釣りのようにどこかに飛ばされる。慌てて下を見ると、清らかな池の側に佇む素晴らしい美女と目が合う。
「わっちと、熱くなりますえ?」
答える前に、捕まった者は喉をパルチザンで切り裂かれ、池に落とされる。
その池に見えるものは、分荼離迦。捕まった者は悲鳴を上げることもできず、焼き殺されることになる。
オリヒメが、自身のレベルを上げるために分荼離迦の側で弱った人間一本釣りを繰り返しているのだ。
レジスダン率いるレッドキャップ隊に待ち伏せされて、暗殺される者もいる。
「いいか、できるだけ悲鳴を上げさせるな。
できれば後ろか上から行け、まず顔面次に足を狙え。顔面に何かかぶせるだけでも、有効だぞ」
レジスダンは新しい部下たちに、残虐な殺し方を教え込んでいる。
広い森で迷子になった侵入者たちは、恰好の餌食だ。
「ちょっとレジスダン、殺しすぎないでよ。
抜ける奴がいないと、下のテストができないじゃーん」
「おー悪いな、目の前に来るとつい殺っちまうんだよ。
それに、姉御も大概だぜ。そのすっげえ返り血、絶対魔法と長弓だけじゃねえだろ。下に通したきゃ、姉御が通せよ」
「えー、私だってクソ共の悲鳴が欲しいの!
あんなに頑張っても神敵にされてこんな奴らばっか差し向けられて、私にも勝ってる実感をちょうだいよ!」
堕落しきった侵入者を血祭りにあげて、ユリエルとレジスダンは軽口を叩き合う。
これから強い楽聖女と聖騎士が来ると思うと、レベルを上げて上げすぎることはない。
それに、侵入者はこれまでにないペースで来続けている。総出で狩っているものの、下への侵入を止められる数ではない。
……これまでの、ダンジョンの布陣では。
レジスダンは、面白そうにクックッと笑う。
「まあまあ、狩っても狩っても来るんだから今はいいだろ。
手数も、ようやく足りるようになったって感じだしな。姉御が進化させた奴ら、だいぶ頑張ってるじゃねえか」
「そうね、あの子たちもここ数日でガンガン成長してるから!」
ユリエルも、楽しそうに口角を上げた。
ここ数日で、このダンジョンには新たに知性ある戦力が加わった。彼女たちも、屠りやすい獲物を手ぐすね引いて待ち構えている。
8階層のかつては妖精の集落があったところで、大釜でグツグツと何かを煮ている不気味な老婆がいた。
「フェッフェッフェ……悪い子はまだかのう?」
10階層の湖にかかる橋の上を、もやのように漂う白いドレスの女があった。
「汚れ切った魂は、キレイキレイにしましょうね」
侵入者たちはまだ知らない。
ユリエルを完全に人間社会から追い出したことで、自分たちの身にどんな報いが降りかかるかを。
今やこのダンジョンは、人の常識がさらに通じぬ異界と化した。
人間社会のどんな理不尽でおぞましく逃れがたい掟も、このダンジョンに住まう者には通用しない。
揺るがぬ真実に正しく報いない者には、容赦ないしっぺ返しが降りそそぐ。
そこは、人間の善悪を超えた、無邪気で残酷な妖精郷。
そうとも知らずに、色に目がくらんだ侵入者たちは、はやる下半身の命じるまま女を求めてダンジョンを下っていった。
以前インボウズが差し向けたリストリアの調査隊が予期した地獄が、現実になってしまった。
新しい虫の魔物がたくさん登場しました。
ヘッドバットワーム:キガシラナミエダシャクの幼虫が魔物化、木の枝に擬態し触ると頭突きするイモムシ。
バレットビートル:小さい甲虫が魔物化、意思のある弾丸のように体当たりを仕掛けてくる。固いうえに小さくて攻撃が当てにくい。
ハイドマンティス:擬態からの不意の一撃を得意とするアサシン系カマキリ。
でも敵が多すぎて、下に抜ける奴が出てきました。
その先に待つ、新たな戦力とは……。




