フロントレイド・アンド・バックレイド
再誕歴7701年ジュニアリー15日。
前回の少し前。
N5駐在騎士団詰め所。
「と言う事だから謎の第三者にギャングのチンピラ殺しの濡れ衣を着せられたんで
何か行って来たらお前が何とかしろ」
「ふぁ!?」
さっき出て行ったデビットとスーがやって来たと思ったら
突然無理難題をふられるオダハラ。
「む、 無理です!!」
「何とかしろよ、 じゃあ俺達は行くから」
「ちょ、 ちょっと!!?」
本当に行ってしまうデビットとスー。
「あいつ等余計に仕事増やしやがって・・・!!
カートライトはまだ起きないのか!?」
「え、 あ、 はい・・・」
オダハラに話を振られて戸惑う側近。
「えー・・・」
「ちぃ!! もう良い!! 俺が下に行って見て来る!!
アイツが居ないと戦力が大幅に下がるしな!! 爺さんもそろそろ帰ってくるだろうから
来たら下に行くように言っとけ!!」
そういってオダハラがずかずかと歩いて行った。
「マジかよ・・・どうすんだよ・・・」
「ま、 まぁ、 大丈夫ですよ!!
怪我人は沢山居ますがここには大勢の騎士達が居ます!!
攻め込む奴なんて超ド級のヴァカですよ!!」
「だと良いんだが・・・ん?」
正面玄関から入って来るマスク・ザ・コオニ、 ヤンキースとオガ。
「だ、 誰だお前等!!」
「セルデン侯爵領で決闘代行業をしている小鬼の一撃だ!!
この度はこの街で採用活動をする為にとりあえず騎士団を潰しに来ました!!」
「・・・・・上等だ、 棍棒如きで鎧装備の騎士に勝てるとでも!?」
「棍棒で殴られたら人間は死ぬ!!※1」
※1:セルデン侯爵の格言。
「来」
側近がコンボウ・ザ・マスクでフルスイングされ吹き飛ばされる。
「行くぜええええええええええええええええついて来い!!」
「おぉ!!」
「はい!!」
3人が奥に向かって走って行った。
玄関に居た騎士達は面食らった。
「・・・って追え!!」
「あ!! ああ!!」
騎士達が追いかける、 確かにさっきのパワーは凄いがこっちはざっと見て3,40人。
3人で勝てる訳が無い、 狩猟者の表情で追いかける騎士達。
「待てやゴラアアアアアアアアアアア!!」
「騎士団舐めんなぁ!!」
「ぐへぇ!!」
騎士の一人が倒れる。
「あ? うわ!?!」
驚愕する騎士達、 後ろから残りの小鬼の一撃の面々が襲って来た。
先陣を切った3人の後を追いかけた結果、 後ろから挟撃すると言う偶然の産物である!!
「うわ!?」
「ぎゃ!!」
「ちょ、 早く行け!!」
「お、 押すな!! うわあああ!!?」
騎士達はパニックに陥り、 倒れたりする者が続出する。
小鬼の一撃の面々は容赦なく棍棒を叩きつけた。
「ひ、 ひぃいいい!! 逃げろ!! 逃げろおおおおおおおおおお!!」
騎士達は慌てて建物の奥に入って行く。
転んだ騎士の上を走る等、 最早散々である。
「ま、 待ってくれぇえええ・・・」
倒れた騎士が逃げていく同僚に手を伸ばすも誰も助けてくれなかった。
後ろでは金属音と肉や血が砕ける音が響く。
「・・・・・」
騎士が振り返ると小鬼の一撃の面々が騎士達を文字通りに殴り殺している。
倒れた騎士に棍棒を振り下ろそうとするドモン。
「ま、 待ってくれ・・・頼む・・・」
「ででででででででででででででででで※2」
※2:死ぬ覚悟も無しに騎士になったのか?
「・・・・・え?」
ドモンが騎士の脳天に棍棒を振り下ろす。
ぐちゃりと、 まるで瓶の詰まったいちごジャムの如くに脳漿が飛び散った。
「さてと、 これであらかた片付いたな」
「楽勝だったな、 じゃあ俺達もボス達の後を追うか」
「そうだな」
再び全力疾走で走り出した小鬼の一撃の面々だった。
当然ながら詰め所の騎士達も騒ぎ始める。
二階から上層階の騎士達も動こうとしている。
「襲撃だ!!」
「何処から!?」
「正面玄関だ!! 急いで向かうぞ!!」
「・・・・・」
騒ぐ騎士達を後目に一人の騎士が非常階段から外に出た。
「冗談じゃねぇ、 一方的にクズともから金をせしめる為に騎士になったのに
殺されるかもしれねぇなら戦わねぇよクズが」
非常階段を降りていく騎士。
「さっさと逃げて」
ガンッ!! と後ろから殴られる騎士。
音が兜内で反響し倒れる。
「ぐ、 ここは裏口の筈だぞ・・・」
振り返るとそこにはデミグラスが棍棒を持って立っていた。
そして何度も棍棒で騎士を殴る、 殴る、 殴る。
「げふ!? がは!? ぎぃ!?」
血の泡を吐きながら騎士は絶命した。
「デミグラスさん・・・」
勝彼の下っ端がデミグラスを伺う。
「行ける気がしたが実際行けたな、 じゃあとっこむぞ!!」
勝彼が雄叫びを挙げるのだった。
「だ、 団長おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
騎士の一人が地下5階に降り立ち叫ぶ。
しかしながら既にオダハラは地下6階に向かっている。
そして平団員に地下6階以上の情報は無い。
「何処ですか団長うううううううううううううううううううう!!」
叫びながら叫ぶ騎士だった。




