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ブレイク・ザ・ワールド

レイクは周囲を見渡した。


個体空間(パーソナルスペース)

・・・まさか場末のチンピラが使えるとは思わなかったよ」


原生林は正に本物の様な質感を感じ

温度の高さと湿気をリアルに感じた。

まぁ、 レイクはアマゾンの原生林に行った事が無いので判別出来ないが。


「・・・・・」


レイクは在りし日のスターダストの言葉を思い出した。




再誕歴7690年ノーベンバーW日※1。



※1:再誕歴には暦のズレを防ぐ為に閏日が挿入される。

しかし何時挿入されるかは毎年異なる。

そして日付も『あ日』や『32日』、 『Θ日』等

可笑しな日付になる事が多々ある。



ドラゴヴァニアの練兵学院にてスターダストから講習を受けるレイク。


「人間を軽視しがちだが人間種最大の奥義たる個体空間(パーソナルスペース)

警戒する必要が有る」

「世界を構築するアレですね、 本当にそんな事出来るんでしょうか?」

「可能だ、 現に先代のドラゴヴァニア五連星リーダーは

個体空間(パーソナルスペース)で撃破された」


ごくり、 と固唾を飲むレイク。


個体空間(パーソナルスペース)には現実世界の物理法則と同じく

独自の法則で成り立っている、 加えて個体空間(パーソナルスペース)内では

人間にバフ※2 がかかる事が多い」



※2:攻撃力上昇等の好ましい効果。



「何というチート※3」



※3:ずるの事。



「展開されたら人間でもドラゴニュートを倒せるだろうが

対処法も有る」

「如何すれば良いんですか?」

「まずは発動させない、 個体空間(パーソナルスペース)発動時に

独自の規定振舞(ルーティーン)を行う事が多いから速攻で片付ける

発動させた場合、 小さいとはいえ世界を創造するのだから消耗が激しい

徹底的にガードして相手が個体空間(パーソナルスペース)を解くのを待つという事も手だろう」

「受け身ですね・・・・・」

個体空間(パーソナルスペース)の物理法則によっては防御も出来ないかもな・・・

たがら絶対に個体空間(パーソナルスペース)を発動させない方向にシフトした方が良い」



再誕歴7701年ジュニアリー14日。


「・・・って言われたんだけどなぁ、 油断していたよ」


思い出しながら呟くレイク。


「何の話か知らんがこれで終わりだな」

「・・・・・」


水を手から放とうとするレイク。

しかし手をかざした瞬間、 腕が圧し折れた。


「っ!?」

「この空間に居る限り

俺はこの空間の何処からでも蚊の羽搏き(ミュッケ)を放つ事が出来る

しかも普段よりも高威力でな」

「・・・・・」


水を溢れさせて自分を包み込む様に水球を作り出すレイク。

ぱぁんと吹き飛ばされる。


「くっ、 駄目か!!」

「さて、 お遊びはここ迄だ」


吹き飛ばされたレイクが地面に叩きつけられる。

ドドドドドドドドドと次々に蚊の羽搏き(ミュッケ)が叩き込まれる。

何と言う執拗な攻撃か!! まるでタイプライターを連打する如き速度だ!!


「く、 ああああああああああああああああああ!!!」


レイクは前面に水の盾を作り出して防御を試みるもまるで意味を成さない!!

骨は軋み、 今にも死が傍まで近づいているのを感じる!!


「頑丈だな、 では」


攻撃が止まる。

否、 溜めているのが良く分かる、 無色透明のウィルパワーが視覚出来る程に良く見える。


「死ね」

「・・・・・」


レイクは思った。

ここまでか、 と。

スターダストの死体を取り返せなかったが死後、 龍が逝く場所にて

スターダストとまた会おう、 そう思って目を閉じたのだった。



がしゃあああああああああん、 と世界が砕け散る音が響いた。


「・・・・・あ?」

「・・・・・え?」


個体空間(パーソナルスペース)が崩れ始めている。

一体何故!? レイクもモスキートも困惑していた。


「ヴァカな、 まだ持つだろ!? なんで個体空間(パーソナルスペース)が崩れる!?」


モスキートが叫ぶ。

レイクは起き上がろうとしても動けない。

ダメージが深すぎる。


「【Fワード】!! 一体何が起きて・・・誰だお前は!?」

「通りすがりの執事さ!!」


フェザーが現れた。


個体空間(パーソナルスペース)が展開されているっぽいから様子を見に来たら

如何言う状況だ?」

「お前か個体空間(パーソナルスペース)を壊したのは・・・一体如何やった!?」

個体空間(パーソナルスペース)を破るには個体空間(パーソナルスペース)しかない」

「なんだと・・・まさかお前も!?」

「と思われがちだが個体空間(パーソナルスペース)には壊し方がちゃんとあるんだよ」

「何ィ!? ってこんなリアクション取っている場合じゃねぇ!!

個体空間(パーソナルスペース)が崩れる前に喰らえ!!」


蚊の羽搏き(ミュッケ)をフェザーに叩き込むモスキート。

フェザーは吹っ飛び横に回転し着地した。


「ちぃ!! 威力が足ら」


台詞を全て言い切る前にモスキートは爆散した!!


「な・・・なに・・・これは・・・」

「よっこいしょ、 っと」


レイクを御姫様だっこをして持ち上げるフェザー。


「な、 なにを・・・」

「一緒に来て貰うよ」

「・・・・・命の恩人だから仕方ないわね、 いいわ、 連れてって」

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