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パーソナルスペース

再誕歴7701年ジュニアリー14日。


N5の何処か。

気絶していたモスキートは顔に水をぶっかけられて目が覚めた。


「げほっげほっ・・・な、 何だ?」

「目が覚めた様だな」


先程モスキートを殴ったホステスが顔を覗き込む。

モスキートが動こうとするが両腕を鎖で縛られて吊り下げられている。


「お前・・・何処の回し者だ!?」

「・・・・・」


ホステスは手を変化させる、 まるでその手はドラゴンの手の様だ。


「ドラゴニュート・・・!! スターダストの死体を取り返しに来たのか!?」

「その通り、 話が早いな、 リーダー、 いやスターダストの死体は何処だ?」

「知らん!! 知っていたらとうの昔に持ち逃げしてるわ!!」

「・・・・・」


ホステスの手から水が溢れ始める、 そしてモスキートの口の中に突っ込む。


「ッボボボボボボボボッ! ボホゥ! ブオオオオバオウッバ!」


これは水責め!! 大量に水を飲ませるとは何たる外道!!


「がはっ!!」


水を止めるホステス。


「はぁ・・・はぁ・・・」

「もう一度聞く、 スターダストの死体は何処?」

「だから知らねぇっつってんだろうがあああああああああ!!!」


鎖が千切れ飛ぶ。


「何だと!?」


ホステスが吹っ飛んだ!!

一体何が起きているのか!?


「俺の蚊の羽搏き(ミュッケ)を知らんとなると

ドラゴヴァニアの中でも下っ端だな、 こいつ」

「勘違いするな、 下調べなぞする必要無し」


ホステスが起き上がった。


「流石はドラゴニュート、 人間なら一撃で殺せる威力なんだがな」

「並のドラゴニュートならば今の一撃でも勝てただろう

そう言えば自己紹介がまだだったな

ドラゴヴァニア五連星激流の踊り子(トレント・ダンサー)レイクだ」

「五連星ねぇ・・・見下していた人間相手にボコボコにされたゴミ集団だろ?」

「・・・・・」


レイクの両手から水が溢れ始める。

そして手を振り水をモスキートに叩き込む!!


「おっと」


ぱぁん!! と水が弾かれる。


「!?」

「似た様な技だな、 俺の蚊の羽搏き(ミュッケ)

ウィルパワーを両手から放出し自在に操り攻撃する事が出来る」

「・・・・・無色透明のウィルパワーで攻撃している、 と言う事か、 なるほど

原理が分かれば恐れるに足らん」

「あっさり説明(エクスプレイン)させてくれるなぁー」

「ふん、 所詮は小細工よ、 取るに足らないわ」

「お前みたいな口だけの蜥蜴野郎何匹も殺したよ」

「・・・・・」


脚を振り上げるレイク、 そこから発せられた水がモスキートを襲う。

しかしやはり水はモスキートに届く事無く撃ち落される。


「五連星と言えども所詮は蜥蜴やなぁ」

「無駄口叩くとは余裕だな」


両手、 両足から水が溢れ、 次々と打ち込んで来るレイク。


「数で勝負か、 芸の無い」


両手の手根※1 を合わせ広げる動作をするモスキート

次々と放たれた水が撃ち落され弾き飛ばされた。



※1:手の平の付け根。



「くっ!!」


咄嗟にガードするレイクだったが吹き飛ばされ、 今度は自分が壁に叩きつけられた。

そして地面に倒れる、 びしゃり、 と水面が張った床に倒れる。


「あんまり舐めてくれるなよ

出力を上げる規定振舞(ルーティーン)も組んである」

「・・・・・」


水面を泳ぐ、 と言うか滑る様にレイクが流れ

モスキートを蹴り上げながら飛び上がった!!

モスキートは壁に叩きつけられる!!


「ウィルパワーでガードしなかったらヤバかったな

流石はドラゴニュート、 とんでもない力だ」


円形に抉れた壁から離れるモスキート。


「幾らガードした所で貴様のウィルパワーも無限では無いだろう」

「そういうお前だって水を幾らでも出せる訳じゃないだろう?」

「ハッ!! ドラゴニュートの事何も知らんのだな?

我々は各々ドラゴンの特性を持っている、 これは生態だ

お前達の様にウィルパワーを消費して放つ技ではない

規定振舞(ルーティーン)だの説明(エクスプレイン)だの

そんな事をする必要が無い

お前達が歩いたり、 手を動かす様な物だ」

「なるほどねぇ・・・『だから』弱いのか」

「この状況でまだ減らず口が叩けるとはな、 その胆力だけは褒めてやるよ」

「いや、 生態だの普通だの言っている蜥蜴よりも

殺すと決めて殺しにかかっている人間の方が強いに決まってるだろ」

「精神論で如何にかなる問題か? お前と私の差が」

「そのセリフ、 そっくりそのまま返すよ」


両手を組むモスキート。

先程の技の規定振舞(ルーティーン)とは違う。

そしてそのまま組んだ手を自分の目を覆った


優生侵攻ドミナント・ドミネーション


ピシッ、 と世界が割れる音がした。


「なっ・・・馬鹿な!? 個体空間(パーソナルスペース)※2 だと!?」



※2:ウィルパワーの運用の究極到達点と言われる奥義。

ウィルパワーを使い、 自分の世界を作り出す神の御業に迫る奥義である。

但し神の御業に迫るが維持が困難であり、 世界の展開は数分間しか持たない。

数分だけしか使えないので基本的には敵と一緒に展開した世界に入り攻撃する程度の使い道しかない。

とは言え自分の世界の為、 かなり身勝手な理不尽な攻撃が可能である。

予断だが今回モスキートは優生侵攻ドミナント・ドミネーションと唱えたが

これはドイツでの呼び方で各国、 様々な呼び方が有る。



ぴし、 ピシと世界が割れ始める。


「く、 させるか!!」

「おせーよヴァアアアアアカ!! 物理的な熱病(レスリング・マラリア)!!」


世界は砕け、 周囲はまるでアマゾンの様な原生林が広がり始めた。

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