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ネーデル・ジャッジメント

再誕歴7704年ジューン12日。


ベネルクス王国ネーデル公爵領ネーデル公爵邸にて集められた

ネーデル公爵門閥貴族達。

彼等は玄関で整列している。


「良く来たなお前達」


ネーデル公爵がにこやかに笑いながら労う。

ベネルクス王国五公爵の一人であり、 五公爵で最も急進的な男でもある。

見た目は片目を隠した優男で五公爵の中で最も多くの門閥貴族を抱え

尤も多くの門閥貴族を処断した男でもある。

血統や家格よりも功績のみを重視している実力主義者。

徹底的な実利を取った屋敷は公爵家の中で最も狭く堅牢である。


「閣下もお元気そうで何よりです」


門閥貴族のチケット子爵が挨拶をする。


「うむ」

「この度、 我々は心配で心配でなりませんでした」

「ほう、 何故だ?」

「閣下の信厚きマーナガルム男爵が投資している投資先の株式会社アルベドとやらが

ハワイの領事館を襲ったとか、 私はマーナガルム男爵に裏切られた閣下が

心をお痛めになられていないか心配でなりませんでした」


門閥貴族達が口々に言っていた。


「・・・・・・・・・・」


ネーデルは黙った。


「閣下? 如何なされました?」

「ふーむ・・・お前達は何か勘違いしてるなぁ・・・」


ふー、 と息を吐くネーデル。


「信厚き、 とか言っているが私がお前達を信頼した事があったか?」

「え、 いやいやいや!! 閣下の御支援で我々がどれだけ助かっている事か!!」

「そうですよ!! 閣下有っての我々です!!」

「まぁ、 お前達がどんな風に思っているかはどうでもいい

私は成果さえ出せれば後は如何でも良いんだ

と言う訳でマーナガルム、 今回の件について何かあるか?」

「ありませんね」


断言するマーナガルム。


「な、 何だと!?」

「黙れ、 マーナガルムよ、 何も無い訳無いだろうが」

「ハートレス判例※1 にすら抵触しませんよ、 投資先が犯罪を犯したと言って

私まで逮捕される道理は有りません」


※1:チャプター4のクイーンズ・ウィッシュ参照。


「ヴァカかお前? 腹を探られる切欠になるだろう

お前が探られたらどうなる? 真っ黒だろ、 お前の腹」

「その際は私を切り捨てて下さい、 その際はハートレス判例が適用されます」

「まぁ良いよ、 お前が如何なろうとリスクヘッジはしっかりと取って有る

ただ、 今回の件でお前は損害を被っているだろうと言う事だよ

そうなるとお前のこれからの活躍にも問題が有るだろうさ」

「損害を被っている、 ですか、 何故そう思うのですか?」

「何故って、 株式会社だろう? 投資したという事はお前は株券を買ったのだろう?」

「はい」

「ならばお前の持っている株の値段、 相当下がったのではないか?」

「確かに値下がりしましたね、 買値の5分の1です」


「ほれみろ」「言わんこっちゃない」「成り上がりが・・・」口々に門閥貴族達が呟く。


「但し、 一昨日までは一株の値段は買値の10分の1でした」

「うん? ・・・ほう、 お前の仕業か?」

「いえ、 恐らくは何者かが仕手※2を仕掛けたと思われます」


※2:人為的に作った相場で短期間に大きな利益を得ることを目的に

公開市場で大量に投機的売買を行う相場操縦の一種。

今回の場合、 株式会社アルベドの値崩れした株を安値で大量に購入して

利益を得ようと画策している。


「なるほどなるほど、 こうなると更に高値になるな

カリオストロは抜けたがカロリングは居る、 そして株価値上げ

この値上がりスピードから推測するに公爵クラスの財力を持った奴が介入している、 と」


ざわつく門閥貴族達。


「まぁ、 私も追加で安くなった株を買い続けるつもりです」

「おいおい、 そりゃリスクが高過ぎるだろ、 回収できるのか?」

「もしも回収出来なければ体で払って貰いましょう、 人材的な意味で」

「確かにカロリングを手元に置ければ強いな、 リスクがデカすぎて私はやらんけど」

「私は成り上がり者ですからイケイケでやらせて頂きます」

「まぁヘマしたら切るだけだから問題無いだな、 精々好きにやれよ

さてと、 お前達、 これで分かったか? マーナガルムの事は問題無い

私はコイツに信用はしていないが心配もしていない、 問題は何も無い、 分かったか?」


「はい」と門閥貴族達は返事をした。


「さてと、 これからが本題だ」

「え? マーナガルムの件では無かったのですか?」

「何で私がこいつの釈明をしなくてはならない? 何時もの奴(・・・・・)だよ」

「あ・・・・」


一気に空気が凍り付いた。


「さてとチケット」

「は、 はい!? な、 何でしょうか!?」

「実はな、 お前がマーナガルムの悪口(・・)

言いふらしているそうじゃないかって話を聞いたんだが・・・」

「・・・・・バレちゃあしょうがない、 確かに俺はマーナガルムの悪事を密告したよ

詳細な証拠を持ってな!! おっと!! 俺に手を出すなよ!!

俺に何か有ればお上が直ぐに動いて」

「その証拠とやらはこれ(・・)の事か?」


そう言って書類を見せるネーデル。


「・・・・・」


チケットの顔が青ざめる。


「マーナガルムにしてやられたな

お前がお上と思って話した相手はマーナガルムの手下だ」

「う、 うわああああああああああああああああ!!!!!」


チケットが懐から拳銃を取り出す前に周囲の門閥貴族達から蜂の巣にされる。


「さてと、 椅子が一つ空いたが、 誰か門閥貴族に推薦したい者は居るか?」

「では閣下、 丁度良い奴が居ます」


マーナガルムが挙手した。

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