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ザ・バリュー・オブ・ザ・パーソン

「って何考えてるんだオメェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」


絶叫と共に巨大な蜘蛛のなりそこないがエンペスキー達の前で急停止する。


「おま・・・何戦おうとしてるんだよヴァカか!?」


口が悪いが女の声だ。

恐らく蜘蛛の中に入っているのだろう。


「・・・この中ですね」


蜘蛛の腹の様になっている球体状を触るサン。


「何触ってんだオメェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」


エンペスキーが蜘蛛のなりそこないの頭のレイピアで刺す。

ガンッ、 と音が響く。


「硬いな・・・」

「オメェも何攻撃してんダァァァァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!」


絶叫が響く。


「急に止まったという事は攻撃する意思が無いんだろう?」

「・・・・・ヘッ!! あたぼうよ※1!!」



※1:『あたりまえだ、 べらぼうめ』の略

べらぼうめとはヴァカ、 阿保を意味する言葉で転じて

当然そうあるべきこと、 あたりまえのことを意味する近世の俗語である。



「オメェ等には利用価値がある、 殺す訳に」ガスッ!!「・・・は?」


サンが思い切り蜘蛛の腹部を殴っている。

腹部には軽く罅が入っている。


「・・・・・は?」


ガスガスガスッ!!

次々とサンは腹部を殴っている。

腹部が崩れ始めた。


「ちょ、 おま、 待て待て待てェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」


絶叫と共に腹部から糸状のウィルパワーがサンに絡みついた。


「っ!!」


サンは動けなくなった。


「ッ!!」


エンペスキーも構えるが腹部からナイフが飛び出した。

サンは震えながらもナイフを受取り、 自分の首につきつけた。


「動くなよ」


蜘蛛の中の女の声が響く。


「分かると思うが私はウィルパワーを流して操る事が出来る

人も人形も関係は無い、 私の指先一つで容易く命は刈り取れる」


崩れた腹部にレイピアを突き刺すエンペスキー。


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!???」


絶叫が響く。

壊れた腹部から更に糸が飛び出してエンペスキーを襲うがバックステップで回避する。


「オメェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」


絶叫しながら腹部から女が飛び出してくる。

女は黒髪の長い美しい髪の毛の持ち主であり絶世の美女であった。


「オメェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!

頭イカレてんのカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


彼女は片目を抑えている、 恐らくレイピアが突き刺さったのだろう。


「人質!! 人質が見えてないのか!! てめぇはヴァカか!!?」

「ヴァカはお前だ」

「ンダトォゴルァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「先程、 お前は言っただろう『我々には利用価値がある』と

ならば暴れても殺される心配はまるで無いという事だ」

「クッギィィィィィィィィィィィッィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


今にも憤死※2 しそうな形相で人間が発音出来た事を疑う様な悔しい絶叫を挙げる女。



※2:怒り狂って死ぬ事。

現実的にはかなり珍しく、 怒りの末の突発的な自殺の方が多い。

しかしながらアナーニ事件と言う教会の権力奪取を目論んだ事件の被害者である

ボニファティウス8世が怒りの余り憤死したという噂が広がり

憤死と言う言葉は一般的になっている。



「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ

落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け

私は出来る子私は出来る子私は出来る子私は出来る子私は出来る子私は出来r」


エンペスキーが投げた針が女の元に飛んで来る。


「シャアアアアアアアアアオラアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


女は針を弾いた。


「その情緒不安定さ・・・後ろに誰か居るのか?」

「あん? 後ろ? この小娘(サン)が居るぞ?」

「そうじゃなくて、 後ろに居るんだろ? お前をここに送り込んだ黒幕がな」

「・・・・・」


女はにぃと笑った。


「あぁ、 私をここに送ったのはアルベドのカリオストロだ」

「「「!!!?」」」


驚愕する3人。


「くっくっく・・・間抜けが・・・」


ぶわっ、 と女の体中から糸が溢れ出る。


「っ!!」

「あ・・・」


エンペスキーもコールスローも動きが封じられる。


説明(エクスプレイン)で説明する情報の重要度と

増加するウィルパワーは比例する、 間抜けが過ぎるなぁぁぁ」


女はニコニコ笑っていた。


「・・・・・」


エンペスキーは「真実(本当)か!!」と叫びたかったが声すらも上げられなかった。


「さてと人質3人となったがどうするんだい、 フェザー」


部屋から出て来たフェザーを煽る女。

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