ホエアー?
再誕歴7704年メイ21日。
ハワイのベネルクス王国領事館にて。
領事館備え付けの通信用モノリスで決闘の結果を報告するエンペスキー。
フェザー、 サン、 コールスローは報告が終わるのを待っているのだが・・・
「遅い・・・」
もうそこそこの時間が経っている。
人気ラーメン店でも客が帰る時間は既に超過していた。
「何かトラブルでも?」
「いや、 そんなヴァカな・・・ここは厳重な警戒態勢が敷かれているんだぞ・・・
それに慌ただしい様子も無し、 何か起こる筈もない」
フェザーの言葉を否定するコールスロー。
「しかしまさかこうまで上手く行くとは思わなかったぞフェザー君」
「いえいえ・・・」
コールスローの言葉に謙遜するフェザー。
「てっきり君を良いように使う為に無茶を陛下が仰せになったと思っていたぞ」
「それはあり得ません」
サンが断言した。
「陛下はそんな事をするような方ではありません」
「・・・・・陛下と何があったんだ君は・・・」
そんな事を話していると彼等の元にエンペスキーがやって来た。
「・・・・・」
エンペスキーの顔は困惑に満ちていた。
「・・・何か問題でもありましたか?」
サンが尋ねた。
「・・・陛下、 そして貴女のお父上とハウバリン公爵から祝辞が送られてきました
皆で祝いのパーティを開くようです」
「それはめでたい事ですね」
「それ自体はめでたい事なんですが・・・」
エンペスキーの顔は未だに曇っている。
「・・・何が有ったんですか?」
「こちらですると」
「・・・は?」
「?????」
「こちら? こちらというと・・・ハワイ?」
「・・・・・」
頷くエンペスキー。
「私も何度も尋ねたよ、 ここまで来るのに相当な時間がかかる
100日以上は余裕でかかる旅路だ」
「幾ら何でも無茶でしょう・・・往復で200日かかるのに
そんなに国を開けて大丈夫なんですか?」
「それを言うと大臣閣下達も良く来たもんだ・・・」
「まぁ重要な案件だからな、 兎に角、 陛下達が来るまではこちらで待機だそうだ」
「随分と長い休暇ですね」
「だな・・・」
溜息を吐くエンペスキー。
「やけに落ち込んでますね」
「これから妻に連絡を入れないとならない・・・」
「愛妻家ですからね、 家を空けるのは心配でしょう」
「それは全く心配していない」
サンの言葉に即答するエンペスキー。
「寧ろ土産に買ったマカダミアナッツチョコレート※1の方が心配ですよ」
※1:日系アメリカ人のマモル・タキタニが発売しているチョコレート。
マカダミアナッツとチョコレートの相性が良いことに注目し
ナッツをチョコレートで包んだものを製品化した。
マカダミアナッツ製品の中では断トツの売れ行きを見せ
マカダミアナッツの大半はチョコレートの中に沈むとさえ言われる。
「賞味期限大丈夫かな・・・」
「チョコレートは日持ちしますし・・・」
「浮かれ過ぎていた、 帰る当日に買うべきだった」
エンペスキーは割と本気で反省していた。
「その位良いじゃないか、 お金をケチり過ぎるのは君の悪癖だ」
「コールスロー大臣、 私は無駄遣いが嫌いなだけですよ」
「大臣なんだから金を気にし過ぎるのは如何かと思うよ
大臣に碌な給料を払えない国だと思われたらどうする」
「・・・・・世界有数の観光地に来れるだけで充分に金持ちでしょうに」
「それもそうか」
「あのー、 すみません」
領事館の外交官の一人がフェザー達に声をかける。
「フェザー様に地元新聞社が取材に来ているのですが・・・」
「取材ってそこまで偉い訳でもないのに・・・」
「いえいえ、 あのカメハメハ大王を倒した者の一人ですし
皆さん興味津々ですよ」
「うーん・・・」
「どうせ暇になるだろうし受けたらいいわよ」
サンが促す。
「ではそうさせて頂きますか・・・」
「ではこちらへ」
フェザーは別室に案内されるのだった。
案内された部屋に居たのは包帯を頭に巻いた男だった。
「どーもどーも、 シキガミです」
「どうも、 ヨーロッパの方ですか?」
「生まれはヨーロッパですねぇ、 良くお分かりになった、 流石!! と言いましょう」
「いや流石にハワイ人とヨーロッパ人を混同出来ませんよ
で貴方は?」
「ですからシキガミです」
「何処のシキガミさん?」
「あぁ、 失礼しました、 HawaiianTimesのシキガミです」
「お仕事は何を?」
「記者に決まってるじゃないですか、 こんあにペンだこまで出来ている」
手のたこを見せるカミキリ。
「それ、 ペンのたこじゃないですよね」
「あー・・・バレるかぁ・・・だが残念、 既に俺の術中だ」
ぎゃーぎゃーと外がうるさくなって来た。
「ここが何処だかわかっているのか」
「勿r」
勿論と言い終わる前




