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フェザー・アンド・スター

リングに上がるフェザーとスペルエストレージャ。


「ふぅむ、 石造りとは言えサイズ的には一般的なサイズのリングだな」


スペルエストレージャがリングを確認する。


「しかしリングロープが無い、 良かったな、 ロープ無くて」

「・・・・・」


スペルエストレージャを睨むフェザー。




「どういう事? ロープが無くて良かったって寧ろリングアウトしちゃうかもしれないから

有った方が良いんじゃないの?」


リング外にいるフローラが疑問を口にする。


「おいおいスペルエストレージャ(プロレスラー)!!

観客(オーディエンス)に不親切じゃねぇか!? 説明してやんなぁ!!」


サリバンが野次を飛ばす。



「プロレスラーじゃなくてルチャドールな

誰も

それもそうだな、 説明しようか

プロレスリングのロープ、 しなやかに見えるし大した事無いと思っている奴も多いだろう

だがしかしこのロープ、 実は大変な凶器だ、 何故なら」

「リングロープはゴムで覆っているだけのワイヤーだから

普通の人間が適当にぶつかったら大怪我する」


スペルエストレージャの説明(エクスプレイン)に割り込むフェザー。


割込み(インターラプト)か、 割と基本的な事をするじゃないか」

「それほどでも、 しかし貴方には空中殺法が有る、 リングは不要では?」

「間抜けが、 俺はこの戦い空中殺法は使わん

手の内を晒すと後々に差し支えるからなぁ」


おぉ、 と歓声が挙がる。


「そうですか、 では私は飛びます」

「・・・・・あ?」

「お喋りはそこまで!! 始めろ!!」


カメハメハ大王の一声で決闘が始まった。

と同時にフェザーは飛んだ。


「む、 これは・・・」


フェザーはゆっくりと降りて来る。


「ふぅむ、 飛ぶ、 と言うよりは滑空()んでる、 か

未熟で不出来な技よ、 着地を狩られれば終わる

とでも思ってんのかゴラァ!!!!!!!!!!」


スペルエストレージャが空中殺法を使い飛び上がりフェザーの上を取る。


「貴様なぞ俺に比べればムシケラ!! ムシケラの分際で喧嘩を売るとは笑止千万!!

空中殺法の恐ろしさ教えてやろう!!」


足を突き出しながらフェザーに迫るスペルエストレージャ。

その速度、 尋常では無い。


「ドロップキックか!!」

「あめぇ!!」


フェザーに足が激突する前に回転し、 飛び蹴りから回し蹴り

そしてフェザーの首に向かって蹴り飛ばされ地面に叩きつけられる。


「おら!! 喰らえ!!」


スペルエストレージャは体を拡げて落下する。

ボディプレスの構えだ。

しかしフェザーはギリギリで回避し、 スペルエストレージャはリングに激突した。

ぺちーん、 と大きな音が響く。


「ふぅー・・・良い石材使ってるよ」


リングは(ひび)こそ入ったが壊れなかった。


「頑丈だな・・・」

「おう、 そうだな」


フェザーの表情は暗い、 ボディプレスで石に激突するのは

腹から飛び降りるに等しい、 ダメージが入ると思ったが左程ダメージが入っている様子は無い。


「・・・・・」


そしてスペルエストレージャもまた同じ印象をフェザーに感じていた。


(ダメージが見受けられない、 空中で首に蹴り叩き込まれて平気とはな

殺しは禁止だからと手加減し過ぎたがそれでもプロレスラーでも仕留められる筈だが・・・)


飛び上がるフェザー。


「またか」


スペルエストレージャも追いかける、 しかし今度はフェザーの上を取らず周囲を動き回る。


「360度全方位を縦横無尽に動き回る、 これが空中殺法の恐ろしさよ!!

お前は空中でもある程度自由に動けるらしいが所詮は滑空!!

真に空を飛べる者相手には役に立たん!!」


そう叫びフェザーの背中に頭から突っ込むスペルエストレージャ。

そのまま両手でフェザーの首と太腿を固定し締め上げる。


「あの体勢は|アルゼンチン式背骨折り《アルゼンチン・バックブリーカー》

使っている方も負担がかかるのにようやる」


サリバンが笑う。


「ふん!! 空中殺法はそんなに甘くねぇぞサリバン!!」


スペルエストレージャは|アルゼンチン式背骨折り《アルゼンチン・バックブリーカー》を

かけたまま即座にフェザーを下にして地面に落下する。


「これが俺の頭蓋骨骨り(フォールブリーカー)じゃああああああああああああああああ!!!」


地面に猛スピードで落下する二人だったが急に制止する。


「むぅ!?」

「如何やら動きでは其方に分があるようですが落下に関しては此方に分があるようですね」


フェザーは上着を脱いでホールドから抜け出した。


「あの小僧、 落下に対して全力で抵抗したのか!!

滑空だから上には上がれないが落ちない様に全力抵抗・・・中々面白ぇじゃねぇか」


サリバンは笑った。


「なるほど、 なるほど・・・だが頭蓋骨骨り(フォールブリーカー)は俺の決め技

って訳でも無いんだわ、 タダの技の一つ・・・とは言えこの俺の技を

外したんだ、 良いだろう、 こっからは本気出してやる、 出したくは無かったがな」

「手の内を見せるのがそんなに怖いか?」

「ちげぇよ」


フェザーの煽りに真顔で返すスペルエストレージャ。


「一方的過ぎてつまんなくなるんだよ」

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