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ザ・エンターティナー

再誕歴7704年メイ19日。


モアナ・ホテルの自室から様子を伺うフェザー。


「何が起こってるんだ・・・」


窓の外では沖に浮かんだ

サリバン所有の船【ジョン・L(ローレンス)・サリバン号】が炎上している。

明らかに何か有った筈なのにハワイ当局一向に動こうとしない。


「ただいま」


様子を聞きに行ったエンペスキーが帰って来た。


「どうでした?」

「当局は既に事情を聞きに行ってが如何やらサリバンと副大統領のルーズベルト氏の喧嘩らしい」

「・・・喧嘩であんなに大きな船を台無しにするつもりですか?」

「サリバンによれば半壊しても問題無く航海出来るらしい」

「・・・・・だとしても大損害ですよ」

「私もそう思うよ」


溜息を吐くエンペスキー。


「騒がしいが、 明日に備えてもう休みなさい」

「そうします」




再誕歴7704年メイ20日。


ハワイ王国の迎賓館前広場に集まる決闘者と関係者達。

周辺には大勢の観戦者達も大勢来ている、 満員御礼だ。


「それではこれより決闘を始める!!」


カメハメハ大王の一言で会場で一気に沸く。


「今回の決闘は我等5人がそれぞれ他の決闘者達と戦う

つまり1人4回戦い、 勝ち星の多さを競う

ルールは素手で戦い相手をギブアップか気絶させる、 或はリングアウトさせれば勝利だ

相手を殺した場合は失格とする」

「大王様、 ちょっといいですかい?」


サリバンが挙手する。

その体は蒸気が立ち上り熱い位だ。


「何だ?」

「俺の拳は強過ぎる、 正に武器、 いや兵器だ

俺の拳は一撃必殺、 失格確定だ」

「加減すれば?」

「ふっ、 それは聊か無茶が過ぎる、 卵を潰さずに立てる象が居るか?」

「それはつまり我々が卵でお前が象と言う事を遠まわしに言っているのかね?」

「あぁ」

「その言い回しがカッコいいとでも?※1」



※1:訳.カッコつけてるつもりか間抜け



「話を戻すが俺の拳の殺傷能力は高過ぎる、 幾ら何でもハンデが大き過ぎる

それ故に、 俺はボクシンググローブを付けて戦うが良いかな?」


サリバンの言葉に不機嫌になるカメハメハ大王。


「・・・・・そんな代物を付けて戦うと? 素手(ベアナックル)のチャンピオンと言う話だったが

そんな物を付けて戦えるのか?」

「カメハメハ大王、 一つ言っておこう」

「何だ?」

「物を知らない田舎者、 良く聞けよ、 ベビー級のボクシングチャンピオンは世界一強いんだぜ!!」

「・・・・・・・・・・良いだろう、 グローブを付ける事を認める」

「私も良いですか?」


メレディスが挙手する。


「私の左手のギプス、 これはアリでしょうか?」

「それで打ん殴るって言うのか? ナシだろ」

「そうですね、 じゃあ外します、 あ、 そうだもう一つ良いですか?」

「何だ?」

「武器の使用禁止と言いましたが、 武器の範囲について質問が有ります」

「うん? どういう事だ?」

「つまり肘や膝、 頭蓋骨の様な固い部分の人体は武器に入りますか?」

「それは問題無い、 素手とは人体の部位ならばどこでもOKとする

身体検査で靴に仕込みが無かったから靴で蹴る事も許そう」

「ありがとうございます」

「俺も良いか?」


スペルエストレージャが挙手する。


「何だ?」

「俺は空中殺法を使う、 つまり空を飛べるが空を飛ぶのはリングアウトに含めるか?」

「いや、 リング上空ならばもどの位高く飛んでも問題無い」

「ならOKだ」

「・・・では説明の続きだ」


大きな透明な箱がやってきた。

箱の中身はカードが入っている。


「この箱の中に入っているカードを引き出た組み合わせの決闘を行う

内訳は以下の通りだ」


カメハメハVSジョン・L(ローレンス)・サリバン

      スペルエストレージャ

      フェザー

      メレディス


ジョン・L(ローレンス)・サリバンVSスペルエストレージャ

           フェザー

           メレディス

      

スペルエストレージャVSフェザー

           メレディス


フェザーVSメレディス


「この計10試合だ、 さっきも言ったが殺したら失格だ

その時に最下位確定する」

「相手が死ぬまで粘った場合は?」


メレディスが尋ねる。


粘らせた方が悪い(・・・・・・・・)

「・・・なるほど、 それで1日にどの位試合を組むのですか?」

「どの位? 10試合全部やるに決まってるだろ!!」

「「!!?」」


驚くフェザーとメレディス。

サリバンとスペルエストレージャは無表情である。


「消耗で公平な決闘が行えません、 インターバルを求めます」

「あぁ!? インターバルだぁ!? 甘ったれた事抜かすな!! 運も実力の内だろうが!!

それにハワイ旅行に来てこの決闘を見てる人の中で明日変える人も居るだろう!!

観客の事を考えろ!!」


サリバンが激怒する。


「同感だな、 エンターティナーとしての自覚は無いのか?」


スペルエストレージャも追従する。


「エンターティナーじゃないのだが・・・」

「私も暇じゃないので早速始めよう!! 第一試合!!」


箱からカードを取り出すカメハメハ大王。


「第一試合はスペルエストレージャVSフェザー!!」

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