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ムーン・オブ・ザ・フィアー

「バロックの旦那には俺は世話になったよ

ウィルパワーでの体の強化や回復とか、 旦那に教えて貰った様なもんだ

旦那が居なければ俺はただの病人だっただろう

でも旦那に対して俺は感謝する事が出来なかったんだよ」

「君はそこまで恩知らずじゃないだろう」


ネヨーの言葉にツッコむフェザー。


「恩は感じていたかもしれねぇ、 でもそれ以上に気になってしょうがない事が有ったんだ

それが気になって気になって仕方が無かった

恩を100感じていたら気になっているが1億位有る状態だった」

「・・・気になる事? 何を気にしているの?」


フェザーとネヨーは同じ孤児院だった。

故に互いの事は知り尽くしている。

にも拘わらず全くの想定外の事を喋り出して困惑するフェザー。


「俺の生まれだよ、 旦那にも聞いたが教えてくれなかった」

「生まれ、 か、 気に留めた事も無かったよ」

「お前は赤ん坊の頃から孤児院に居たが

俺は2歳くらいまでは親元に居た、 筈だ、 記憶があやふやだがな

だが俺は親の事を知りたかった」

「何で?」

「分からねぇんだよ、 漠然とした何かが欠けていた

そんな気がしていたんだ、 でも旦那は教えてくれなかった

知られたら邪魔されるかもしれないと思って

俺はこっそりと調べ始めた、 お前にも内緒でな」

「・・・・・こんなしんどい局面になるなら僕にも一声かけて欲しかったよ」

「そうだな!! ハッキリ言って今人生で一番ヤバイかもしれねぇ!!」


ハハハと笑うネヨーだった。


「・・・・・」


無表情のフェザー。


「・・・・・笑いごとじゃなかったな」

「そうだよ」


真顔になるネヨーだった。


「俺は決闘者として下積みをやりながら各地を回って情報を集めた

その結果、 俺のルーツが分かった」

「ルーツ?」

「あぁ、 月って知ってるか?」

「・・・・・聞いた事が有るよ」

「空にでっけぇ球が浮かんでいるとか訳分かんねぇよな

はっきり言って異常だと思うよ

俺のルーツはそんな訳の分からない物を崇拝する奴等だった」

「・・・・・で? それが仲間を裏切るのと何の関係がある?」

「俺だって月だ何だとかそんな物は信じられる代物じゃなかったよ

そこは置いておこうか、 俺の産まれた一族はそれは大層地元では恨まれていた

月への生贄と称して多くの人々を殺めていた

そんな中、 ある男がその一族を滅ぼしたんだ」

「ある男?」

「在りし日のシンゲツ・バロックさ・・・分かるか?

その時の俺の気持ちが、 恩人だった男が仇だった気持ちが!!

おめぇに分かんのか!! なぁ!!」


何時にない迫力にたじろぐフェザー。


「その復讐、 と言う事か? それで皆を・・・」

「それは違うんだよ、 俺の一族は月の住人からは見分けがついている

とは言え月の住人は俺は一人しか知らないがな

そいつは遠慮無くバンバン命令してくる」

「・・・月の住人?」

「あぁ、 月が空に浮かんでいた頃に月に住んでいた連中だ

だが如何いう訳か月は砕け、 その破片が地上に散らばった

その破片は今はエルダーストーンと呼ばれている

月の住人は月の復活の為に色々やっているらしいが俺には詳しい事は分からん

ただ指示が来るだけだ」

「・・・その月の住人って言う奴に命令されているからやっているのか!?

命令されて仲間を裏切っていると!?」


今度はフェザーが激昂する番だった。


「さっきも言った通り家柄だからな・・・いや、 これは強がりだな

そう言って誤魔化していたが実際は違う、 怖いんだよ」

「怖い?」

「あぁ、 俺は今まで死線を潜って来た

だから死の恐怖を克服した、 と思い込んでいたんだ

だが実態は違った、 圧倒的な力で捻じ伏せられた

手玉に取られたんだ、 この俺が」

「・・・・・」


ネヨーの戦闘能力の高さはフェザーも良く知っている。


「・・・チーズか」

「あぁ、 だがKATANAじゃねぇぞ、 奴には本命の刀が有る

銘※1 は知らんが良い刀だった」



※1:刀剣の名の事。

有名な刀だと菊一文字、 村正、 政宗等。



「いずれにせよ、 俺は死の寸前までに完膚無きにぼこぼこにされたって訳だよ

チーズは社内決闘者の上位陣を自分の息がかかった連中と総入れ替えするつもりだ

デニスもその一人、 だったんだが殺された」

「そうか、 話は大体分かったよ、 君はチーズに脅されているという事か」

「そうだな、 話した以上、 互いに殺し合いだ」

「僕は君を殺す気は無いよ」

「ここで負けたらチーズに殺される、 冥途の土産に教えてやる

チーズはKATANAビーム以外にも凄まじい剣術を操る」

「だろうね、 ビーム撃つしかない剣術とか意味分からないし」

「そうか、 では行くぞ!!」

「・・・・・マカロニって奴は本当に先に行ったんだな」


ぽつりと呟くフェザー。


「・・・例えマカロニが乱入しても俺は」

「そうじゃないよ」


剣を抜き思い切り空に投げるフェザー。


「!?」


行動に呆気にとられるネヨー。

しかしその瞬間、 ロープで拘束された。


「な、 マーマレードか!?」

「悪いが拘束させて貰うよネヨー、 フェザーに()を殺させる訳にはいかない」


マーマレードは宣言する。


「マーマレード、 ネヨーを頼むよ」

「分かった」


フェザーはそういうと走って行った。

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