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トゥ・ルーマニア

フランスの決闘代行業【ライトニング】の馬車はルーマニアに向かって行った。


『我を乗せてくれて感謝するぞ御婦人!!』

「良いって事よ!!」


ドイツ帝国専属S級決闘者アイゼンクォーポと彼の部下の見習い決闘者も同席している。


『此度の決闘、 否、 戦は何としてでも我がケリを着けたい!!

ルーマニアに居る輩を始末しなければ死んでいった仲間達も報われないだろう!!』


と半ば強引に馬車に入って来たのだった。


「アイゼンさん」

『アイゼンクォーポ、 略さないで貰おうか

君だってアッ、 だけでは困るだろう?』


アッポーの問いかけに返すアイゼンクォーポ。


「アイゼンクォーポさん、 アンタ何で生きていられた?」

『質問の意味が分からんな』

「モーント・ズンディカーズの幹部心臓発作(ハートアタック)

奴は見た相手の心臓を止める事が出来る」

『この通り全身鎧を着ているからな』

「鎧を着ていたからセーフ、 って事は無いだろう

心臓発作(ハートアタック)に殺された遺体には全身鎧の騎士も含まれていた・・・」

『ふむ、 国家機密だが教えてあげようか

我は心臓を持っていない、 故に心臓は止まらない』

「何?」

「何だと?」

「どういう事ですか?」


困惑する一同。


「アイゼンクォーポ様、 それは外国人に話すのは・・・」

『黙ってろ見習い!!!!! 我々は彼等に馬車を貸して貰っている身

隠し事なんて不作法は出来ない!!!!!』

「秘密を明かしてくれるのは助かるが大声は止めて下さい」

『あ、 すみません・・・』


マリーの注意にしゅんとするアイゼンクォーポ。


『兎角、 我はドイツの発達した医学技術により、 心臓を摘出して機械式の心臓を埋め込んでいる』

「「「機械の心臓!!!?」」」

『大声は駄目じゃなかったのか?』


今度はアイゼンクォーポがツッコむ。


「機械の心臓とは、 信じられない・・・」

『驚く事じゃない、 元々はイギリスの技術の転用だ』

「イギリスの?」

『連中の中には体を機会に代えて体を強化するという悍ましい技術が有るらしい

その技術転用の第一号が我だ、 我は心臓を機械に代える事で超絶な身体能力を発揮出来る』

「何ともまた・・・しかし体に不具合は無いのか?」

『あるに決まっているだろう、 猿に使った実験では1年持てば良い方らしい』

「では何故そんな事を・・・」

『決まっている、 力が欲しかったからだ・・・長い話になるが聞いてくれるか?』

「聞きましょう」

『あれは今から40年前(現実の10年前)

私は当時一介の民間の決闘者だった、 当時の私には仲が良い女が居た

親から娼館に売られながらも必死に生きる気高い女だった

だがある日、 その娼館で麻薬取引が行われていた

薬の取引をしていたのはモーント・ズンディカーズのチンピラだった

娼館とグルになって薬の売買をしていたんだ

だが娼館のオーナーは鐘に目が眩んでモーント・ズンディカーズを裏切り

別の組織を招き入れて薬を全部奪い取った

当然モーント・ズンディカーズみたいなデカイ組織に喧嘩を売ったオーナーは

即日モーント・ズンディカーズの手先に・・・』


顔を抑えるアイゼンクォーポ。


「・・・そんなに酷い殺され方だったのか?」

殺されてない(・・・・・・)、 顔の肉を死なない様に削いで

頭を上下逆に固定して胸襟を削いで肋骨を露出させて

手足の指を切って上下逆に付け直して、 足を10本縫い合わされる

悍ましい改造を施されながらも生きていた

今も生きているかは分からない・・・・・』

「もうそれ狂ってるよ・・・」

『そうかもな・・・凄惨な拷問をオーナーは受けたが

娼館の従業員もついで(皆殺し)にされた

私と仲良かった女もな・・・私はその日からモーント・ズンディカーズに復讐を誓ったが

相手は巨大組織・・・何度も殺されかけたよ、 だが努力すれば報われるんだな

政府のお役人から改造手術を打診されてね、 私は現在の姿になったんだ』

「現在の姿?」

『私が弄ったのは心臓だけでは無い、 と言う事さ

この鎧の下は・・・見ない方が良いな、 見習いがぶっ倒れる位に吐いてたから』

「・・・・・」


見習いは目を逸らした。


「見習い君は何で生きてた?」

「・・・・・」

『このヴァカは気絶していたんだよ、 情けない、 だが運良く生き残った』

「「「・・・・・」」」


【ライトニング】も修羅場を潜って来た。

運は有るだろう、 運の実在を否定する程彼等は狭量ではない。

しかしこれは運で何とかなる次元の話では無い。

あの精度のタルパを生み出せる奴が見逃すだろうか?


(態と見逃した?)

(しかしこの見習いからはウィルパワーを感じない・・・)

(アイゼンクォーポとコンビ・・・彼等はタルパじゃないよな?)


三者三様、 考えながらも馬車はルーマニアに向かう。

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