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アッポー・アンド・ペン

再誕歴7703年ディセンバー30日。


ルーマニアに向かって各国の決闘者達が向かっていた。

その中の一つ、 フランスの決闘代行業【ライトニング】は出遅れを取り戻すべく

馬車を走らせていた。


「クソが!! 出遅れた!! 飛ばせ飛ばせ!!」


【ライトニング】社長のB級決闘者のマリー・アレルは全力で馬車を飛ばしていた。


「社長、 何も社長が出張らずとも・・・」

「俺達だけでも大丈夫っすよ」


S級決闘者のアッポーと

A級決闘者のペンが呆れながら言う。


「何を言うか!! 社長の私が安全圏でぬくぬくしている訳にはいかんだろう!!」

「その点は本当に尊敬します」

「社長が女じゃなかったらS級も夢じゃ無かったっすよ」

「女だろうが何だろうが私は私だ!! やりたいようにやらせてもらう!!

御者!! 馬が潰れても良い!! 金は払う飛ばせ!!」


更にスピードが上がった。


「【クレフとダン】の連中に出遅れた所で問題はないと思いますがね」


【クレフとダン】とはフランスの決闘代行業の一つ。

【ライトニング】とはライバル関係にある。

【クレフとダン】は【ライトニング】と比べて企業規模が大きく有能な決闘者も多い。

しかしながら【クレフとダン】には黒い噂が多々有り

現社長のクレフは共同経営者のダンを殺害し実権を握った、 と言う噂がある。


「ヴァカ言うんじゃないよ!! 【クレフとダン】の連中は人間的には

0点だが決闘者としては満点に近い連中だ!!

"白き大天使"ガブリエル!! ”黒騎士団”ランパード!!

”輝きの伊達男”ジョャン!! ”大十字”ダブー!! この4人のS級決闘者がふぎゃん!!」


急ブレーキをかけられた一行。

馬車内はひっくり返ってしまった。


「御者!! 何故止めた!!」

「事故った馬車が有ります!!」

「何ぃ・・・!?」


マリーが窓から確認して驚愕した。


「【クレフとダン】の馬車・・・!!」

「社長、 下がって」


ペンが万年筆を取り出して手帳に自分の似顔絵を描いた。

ウィルパワーを流し込むとポン、 と手帳から自分の顔だけのタルパが出来上がった。

ペンは自分が描いた物をタルパにして使役する事が出来る。

またインクにウィルパワーを込めて攻撃や防御に使用できる。


「様子を見て来て」

『おk※1』



※1:OKの意。



タルパは転がりながら横転した馬車に向かって行った。


『ガブリエルとランパードが死んでる』

「なっ!?」


タルパからの報告に絶句するマリー。


「あり得ない!! だって!!」

「がっ!? うぐっ!?」


御者が苦しみ倒れる音がする。


「如何した御者!?」

『ぅわ』


タルパが破壊される。


「敵襲か・・・」

「マジかよ、 ここってまだルーマニアじゃない・・・よな?」

「ルーマニアの隣国のハンガリーでも無いよ・・・舐めやがって

二人共、 容赦は無しね、 手貸して」

「あぁ、 そうだな」

「合点了解」


マリーの手に触れるアッポーとペン。

二人の体を白いカビが包む。

マリーは白カビにウィルパワーを込めて増殖させて

鎧や拘束具として運用する事が出来る。

但しウィルパワーの総量が少ないので二人に纏わせるだけでダウンしてしまった。


「任せるわよ」


そう言って横になるマリー。


「ペン」

「あぁ」


大量の目玉を書いてタルパにして周囲にばら撒くペン。


「・・・・・」

「アッポー、 分かるか(・・・・)?」

「ちゃんと見えてる(・・・・)、 へっ、 ラッキーだな

敵は二体、 全員タルパだ」

「マジか、 タルパだったら楽勝(・・)だな」

「だが二体同時は厄介だ、 まず一体仕留めてからだな」

「後は本体だが・・・・・近くに居ないな、 目玉をもっと動かせるか?」

「無理だよ、 範囲一杯までやってる」

「そうか、 じゃあ先ずは馬車の中の奴、 次に遠くから見ている奴だ

両方とも人型だで、 御者が物理的な殺され方じゃないから

タルパに何らかの特殊能力が有る様だ」

「そうか、 どっちからやる?」

「馬車の奴からだ」

「分かった」


馬車から飛び出すアッポーとペン。

横転した馬車からも人影が現れる。


「タルパ・・・か!? コレ!?」


ペンは驚愕した、 アッポーによるとこれはタルパらしいが

明らかに人間の男にしか見えない、 と言っている間に

男は胸を拡げた、 すると胸から巨大な管が飛び出して来た!!


「ちぃ!!」


ペンは万年筆からインクを飛ばして盾を作り出すも管にあっさりと砕かれる!!


「なんと!?」


威力が桁違いだ、 明らかに並の決闘者のタルパでは無い。

管はまるで鞭の様にペンに襲い掛かる。

が、 激突する前にアッポーが投げたリンゴでタルパは頭部を破壊され霧散した。


「危なかった・・・リンゴが無ければ即死だった・・・」

「だな・・・・・もう一体のタルパが移動してるぞ」

「如何する?」

「仕留める」


アッポーはもう一体のタルパの位置に移動する

がその前に向こうからこちらにやって来た。


「二匹か」

「「!!?」」


タルパは笑って言った。


「なら殺せるな」

「笑わせるな、 |This is Appleこれはリンゴです


リンゴを取り出すアッポー。


And You(お前もな)

「」


タルパは全身をリンゴに作り替えられていった。

アッポーはタルパのコントロールの名手である。

タルパとの感覚共有や自分以外が作ったタルパを作り変える事が可能である。

但しタルパの生成に関してはリンゴ程度しか作れない為

自在にタルパを作れるペンとの相性は抜群に良い。


「さてと」


ドゴォオオンと爆音が響いた。


「何処かで誰かが戦っている様だな」

「行くか」

「社長!!」

「行ってこい!!」


マリーからの許しが出た二人は音の方に向かって行ったのだった。

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