パーソナルスペースVSパーソナルスペース
ルーマニア、 VHO本部。
VHO本部の本部長室にてブラムと護衛達、 そして無呼吸。
「・・・・・これはどういうことですか?
エメラルド・タブレットを求めての決闘? 通じるとでも?」
新聞を叩くブラム。
そこには武装グループがエメラルド・タブレットを賭けての
決闘の申し込みをした旨を書かれていた。
「寧ろ君達はこれで安全圏に逃げる事が出来た
喜んでも良いんじゃないのか?」
「こんな事を言わなければ最初から安全だと思いますが?」
無呼吸の言葉に反論するブラム。
「お前はリヒャルトを甘く見ている、 奴の謀略で今まで私達が
どれだけの迷惑を被って来たのか・・・察知され次第無理筋でも破滅させに来るだろう」
「まさか」
「まさかじゃない、 確かにお前の言った通り
エメラルド・タブレットを使って決闘は成立するか危うい
しかしながらエメラルド・タブレットの存在を公表する事が出来た」
「公表する事が出来たから何だと?」
「分からないのか? エメラルド・タブレットが欲しい人間とは如何言う人間だ?
少しは頭を働かせろ」
「・・・・・」
ブラムが考えた。
「無限のエーテルが欲しい人間?」
「全人類が欲しがる物だ、 エメラルド・タブレットが欲しい人間とは
既にエメラルド・タブレットを手元に持っている人間だ
後は分かるな?」
「・・・・・名推理ですが、 無呼吸さん
2つ決定的に間違いを犯していますよ」
「間違いだと? ブラム、 君が私より賢いとは思わなかったな」
「えぇ・・・エメラルド・タブレットが欲しい人間は
いつ何時もエメラルド・タブレットを手元に持っている訳では無いと言う事です」
「・・・・・そりゃあ・・・そうじゃないのか? それが?」
首を傾げる無呼吸。
「つまりエメラルド・タブレットが欲しい人間がやって来たとしても
エメラルド・タブレットを持っている訳では無い
安全な場所で保管している事でしょう、 貴女の様に
いや、 そもそもエメラルド・タブレットが欲しい人間が
ヴァカ正直にやって来るとは思えない代理人を使う可能性がある」
「短絡的だなぁー、 良いか、 例え代理人でも本人でも
エメラルド・タブレットとの間には線が有るのだよ
辿って行く事は可能だ」
「手間がかかるでしょう」
「手間は惜しまん、 何せ無限のエーテル
全財産と引き換えに無限ならば幾らでも問題無い」
「・・・・・ではもう一つの間違い」
ドオオオオオオン!!!!!
と轟音が響く。
「・・・・・貴女が代理人、 若しくは本人に倒される可能性は?」
「確かにS級決闘者が出てくる危険性はある、 だがその程度のリスク、 背負ってこそだ
さて、 一応君は人質と言う体なので来て貰おうか」
「はいはい」
ブラムは縛られて無呼吸に連れていかれるのだった。
VHO本部玄関にて立派な髭と二角の兜を被ったパン一※1 の大男が大きな斧を持って暴れていた。
※1:パンツ一丁の事。
蛮族の服装と思われるかもしれないが服を殆ど着ない事により
軽量化を図れると共に相手に心理的なショックエフェクトを与える事が出来る。
欠点としては国によっては逮捕される可能性が有ると言う事である。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「ほほぅ、 これは大物だな」
「むっ!? てめぇがボスか!!」
大男は無呼吸に斧を向けた。
「俺ァ、 スウェーデン、 いやヨーロッパ、 いやいや世界一強い決闘者!!
ヴァリャーグ様だ!! てめぇを殺しに来た!!」
スウェーデンのS級決闘者、 ヴァリャーグ。
世界一強いは言い過ぎだがスウェーデン最強なのは間違い無い男である。
「アンタの依頼料は凄まじく高いと聞くが良くもまぁスウェーデンは
アンタを雇ったな」
「雇われてねェ!! 俺が勝手に来た!!」
「勝手に来た?」
「そうだ!! 何時も勝手にうぜぇ女が立ち合いに来てウザかったんだ!!
一度思いっきり決闘がしてみたかった!! だが俺は相手が居なかった!!
俺が強過ぎるから!! そこにお前がやって来てくれた!!
感謝するぜ!! お前の無謀に!!」
「戦う理由が無い、 と言ったら?」
「お前は犯罪者!! 何やっても良い!!」
「蛮族かよ」
「蛮族だよ!!」
無呼吸はくすり、 と笑った。
「しかし襲って来ない所を見ると、 こちらの力量は分かっていると見える」
「あたぼうよ!!」
「じゃあまずはこうしようか」
ブラムを少し遠くに投げる無呼吸。
「優生侵攻」
「いきなりか!! なら全力前進!!」
互いに個体空間を展開する二人。
「白々々々々しい」
「海賊喰らいの海!!」
ウィルパワーの押しあいの轟音が鳴り響いた。




