カフェ・ファイブ
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
ストロベリーパフェに苦戦するサン、 ミソカ、 クラブの三人。
何故か滅茶苦茶デカい。
1リットルくらいは余裕である。
「お、 美味しいけどこのサイズ・・・良く食べられたわね・・・」
「おかしいなぁ・・・なんでだろ・・・」
「何か変・・・ですね」
息も絶え絶えに食べ切った3人。
「ふぅ・・・所で二人は何故ココに?」
「傷病者のバリアフリーの為の病院施設を作る時の参考にしようと思って視察しに来たのよ」
「確かにこの街はバリアフリーに関しては進んでますからね」
「そうね・・・フェザーとは如何なってます?」
ミソカが尋ねた。
「・・・・・最近は名前呼びになってるわ」
「へぇ、 呼び捨てですかねぇ?」
「様付けだけど?」
「私呼び捨てなんですよ」
「・・・・・でも私は同じ屋根の下で生活していますけどね」
「くっ!!?」
ミソカはダメージを追った。
「・・・・・ぐぬぬ・・・そう言う私は子供の頃にフェザーとお風呂入ってたわ!!」
「私も入った事有ります」
「クラブ!?」
張り合って来るクラブ。
「私は彼に(医療行為として)膝枕してあげた事あるわ」
「「なっ!!?」」
サンの言葉に驚愕する二人。
「ひ、 膝枕、 それって実質【乙女が言う単語ではない単語】じゃない!!」
「声が大きい!!」
「くぅ・・・進んでるわね・・・私も精進しなきゃ・・・」
「・・・・・そろそろ戻らない?」
「そうね・・・戻る前にちょっと・・・お手洗いに」
「私も行きます」
ミソカとクラブはトイレに向かった。
そして向かい合った。
「・・・如何思います?」
「どうもこうも無い、 あんな殺し方をする奴は私の知る限り存在しない」
ミソカとクラブはエメラルドタブレットの取引の為にこの街に来ていた。
しかしフェザーが来た事により取引を諦めた、 そしてランバルドが逃げた事を知り
ランバルドを捕えてエメラルドタブレットを奪おうと探していた所に
ランバルドの異様な死体、 明らかに誰かに殺されたのだと分かる、 が
「明らかに滅茶苦茶・・・私達の中であんな殺し方が出来る奴は居ないし
そもそも近場に奴等は来ていない、 もしも来ていればアルベド内部の手の物が報告する筈」
「では第三勢力ですかね?」
「モーントも崩壊した今、 考えられるのはイギリス帝国か・・・若しくはアメリカか・・・」
「スペインは?」
「スペインは無い、 もう連中は沈むだけだ」
「ではモーントの残党では?」
「あり得るかもしれない・・・そうなると医者以上のヤバい奴が居る事になる・・・」
「なるほど、 ではどうします?」
「・・・迎えに来て貰おう、 流石にそんな奴が居る中を帰るのは肝が冷える」
「はーい」
トイレからでたミソカとクラブはサンと合流して喫茶店から出て行った。
「あ、 すみません」
「いえいえ」
出会い頭にアスペルガーと医者と擦れ違う3人。
アスペルガーと医者はそのまま喫茶店に入った。
「ケーキと紅茶を2つずつ」
ウェイトレスに注文を出すアスペルガー。
「で・・・如何でした?」
ウェイトレスが離れると医者に尋ねる。
「死体安置所の手下からの報告によると
体がオブジェの様に組み替えられていたらしい、 骨が飛び出て立方体に成って居たとか」
「・・・随分と派手な死に方ですね」
「だな、 今まで色んな患者を見て来たが
そんな訳の分からない事をする奴は見た事がない
精々死体愛好家が死体をバラバラにして家具にする程度だ」
「それはそれで怖いですが・・・じゃあ無呼吸の仕業ではない?」
「あぁ、 恐らくはアルベドの連中の誰かだろう
そんな隠し玉が居ればの話だが、 アルベドにはスパイは潜り込ませられなかったから
情報が入って来ないのが残念だ」
「そうですね、 ではエメラルドタブレットの1つのアルベドの元に渡ったと?」
「そうだな、 こうなると奪い取るのは困難だな」
「・・・・・?」
アスペルガーは違和感を感じた、 医者にとってみれば
絶対に勝てない、 奪えない相手にエメラルドタブレットが渡ったのにも関わらず
何故か余裕そうなのだ。
「何か策でも有るんですか?」
「あん?」
「アルベドの一つ持っていかれてるんですよ、 エメラルドタブレット」
「だな、 まぁ最悪のパターンだが対処法が無い訳じゃない」
「どんな?」
「此方には1つエメラルドタブレットを確保してある
これならば永遠にエメラルドタブレットが揃う事は無い」
「・・・・・転生による持久戦を仕掛けようと?」
流石にこの案ではアスペルガーが寿命で死んでしまう。
余りにもアスペルガーを無視した策だ。
「いやいや、 その前に無呼吸が動くだろう
この前も言ったが長い時間を与えればチーズが世界を取るだろうしな
そして無呼吸がエメラルドタブレットを欲しがればアルベドとの激突は必至
チーズと無呼吸が戦えばチーズが勝つ
しかし無傷とはいかない、 その隙にチーズを倒す
それからゆっくりとエメラルドタブレットを回収すれば良い」
「なるほど・・・大雑把な作戦ですね、 とは言え1つタブレットを確保しているから
負けは無いでしょう」
そう言いながら注文したケーキを食べる2人だった。




