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チャーチ・フレンジー

N5の教会。

石造りの立派な建物だが物がまるで無い。

ホーリーシンボルたる聖人クライストの等身大の像が有る程度である。

がらんとしている中に大勢の人々が寄り集まっていた。


「であるからして我々がここで出会った事は奇跡的且つ天文学的な確率の上に成り立っている事から分かる通り神が空の上から見守って運命を操っているのは明確である何故ならば先も言った通り我々が出会った事は奇跡的且つ天文学的な確率であるからだ誰かの作為によって成り立っていると考えるのは必然的だろう故に我々は神に恥じない行いをしなければならないという」


恐ろしい勢いで捲し立てているのはこの教会の神父アサフ。

彼は生え際が後退している少し歳を取っているが整った身形をしている

そして御覧の通り狂っていた。


「おーい、 皆、 肉取って来たぜー」


身の丈程の巨大ネズミを担ぎながら一人の男がやって来た。

彼はダイモス、 勝手に教会に仲間達を集めて難民キャンプの如き状態を作った男である。

アサフに取って見れば訓話を聞いてくれる人を呼んで来てくれるので

Win-Winの関係性である、 訓話を聞いてくれるかは微妙な所だが。


「ダイモス君は御飯を取って来てくれて偉いね最早我が子と言っても過言では無いよウチの実の息子は人の話を全く聞こうとしなくてね私が幾ら言っても取り合わない所か癲狂院※1 に入れようとする始末全く持って仕方のない息子だよそれに比べて君は本当に良くしてくれている何時もありがとうねお父さんって読んでくれとも良いんだよ」



※1:精神病院の事。



「いや、 別に良い、 それよりも肉を焼きたいから鉄板を借りるぞ、 っとその前に」


鼠を一回置くダイモス。


「そこのヴァカ二人、 何しに来た」

「ヴァカだと? ヴァカなのはヨランダだけだ」

「そーよ!! そーよ!! ・・・うん? 今私ヴァカにされた?」

「気のせいだ」


ヴァカ二人とはカボチャとヨランダである。


「何しに来た?」

「新しい仕事の準備の為に新しい服を仕立てて貰う事になったんだ

だがしかし仕立て代が高くてな、 家賃が払えなくなったんでここに居る」

「私も!!」

「ヴァカか、 お前等、 どうせまた詐欺か泥棒だろう」

「そそそそそそそそそそそそそそんな事ないだろ!!」

「ななななななななななななな何を証拠に!!」


この上無く動揺するカボチャとヨランダ。


「恐らく、 闇のオークションか」

「何だと!? 思考盗聴※2 したのか!?」



※2:俗に言う読心である。



「顔を見れば分かる」

「むむむ・・・ポーカーフェイスを極めねば・・・」


何故ダイモスが二人がオークションを狙っているのかを知っているのかと言うと

普通に道端で二人が喋っているからである。


「止めて置け、 死ぬぞ」

「何言ってやがる、 こんな街で生きているなら死んだような生活だろうが!!

抜け出る為なら何でもやるぜ俺ぁ!!」

「かぼちゃんカッコいい!!」

「だろー」

「あほくさ、 じゃあ鼠捌くか・・・」


バーン!! と大きな音が響いた。


「騎士団だと!? おい正気か? ここは教会だぞ?」


武装した騎士20名が現れた。


「うるせぇ!! 全員出ろ!! しょっぴいてやる!!」

「どういう事だ!? 教会には自治特権が有る筈だ!!

如何に騎士団と言えども」

「うるせぇ!! 全員出ろ!! しょっぴいてやる!!」

「何の真似だ!?」

「うるせぇ!! 全員出ろ!! しょっぴいてやる!!」


全く持って会話が成り立たない。


「こちとら団長から人を集めろって言われてんだ!!

こまけぇ事は知らねぇ!!」


馬鹿には道理が通用しない!! この状況は非常に不味い!!

ダイモスは野良巨大鼠を拳で倒せるが流石に鎧を着こんだフル装備の

騎士20人は流石に倒せない!!

人数はこちらが上だが殆どが非戦闘員である。


「えぇい愚かしき地動説論者共め貴様達はもう既に終わった産物なのだここで生きるは未来ある若者のみぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


ホーリーシンボルたる聖人クライストの等身大の像を持ち上げるアサフ!!


「このイカレ野郎め!! やっちまえ!!」


騎士達がアサフを取り囲む。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

「やべぇえええええええ!!」


アサフが追いかけようとすると全力で逃げる騎士。

戦う気概も無い卑劣漢共である。


「【Fワード】!! 誰か飛び掛かれよ!!」

「ふざけんな!! お前やれよ!!」

「どりゃあ!!」

「ぐは!?」


騎士の一人が吹き飛ばされる。


「な、 なんだ?」

「教会で狼藉を働くとは・・・まな板の上の踊る鮫※3 だな!!」



※3:場違いな事を指す故事成語。

因みに踊る鮫を普通の鮫にすると

どんなに強くても魚は人間には勝てないと言う意味の諺に変わる。


諺を披露しながらマスク・ザ・コオニは獲物のコンボウ・ザ・マスク※4 を振り回す!!



※4:身の丈よりも10倍は大きい棍棒。



「何もんだてめぇ!? 俺達が何だと分かっているのか!?」

「分からん!!」

「何だとぉ!? 俺達は!!」

「って俺だけに働かせんな!! お前達も働け!!」


ドドドドドドドと小鬼の一撃の面々が現れた。


「お前はオガ!? 生きていたのか!?」

「ダイモスじゃねぇか!! 話は後だコイツ等ボコる!!」

「へっ!! 騎士様相手に棍棒だとぉ? そんな物で俺達を倒せると思っているのかぁ?」

「馬鹿め!! 剣よりも棍棒の方が体積は大きい!!」

「ならば技で決めてやるよ!!」


騎士の一人が盾を捨てて二刀流の構えを取る。


「行くぜ!! ベネルクス二刀流奥ぶっ!!」


アサフの聖人クライストの等身大の像の一撃で吹き飛ぶ騎士!!


「うわ、 小隊長がやられた!! 逃げろ!!」


わあああああと蜘蛛の子を散らす様に逃げる騎士達。


「臆病者共め・・・骨が有るのは1人だけか」


一人だけ残った騎士も両手に二本の剣を持って立っていた。


「一人で何が出来る」

「何が出来る、 か、 決闘が出来る!!」

「ぬぅ!! ここで決闘を挑むか!! 出来る!!」

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