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エンド・オブ・ガーリック

ガーリックは自らの腹を見せる。


「こ、 これは!?」


ノドンスが驚愕する。

ガーリックの腹には凄まじい密度の魔法陣が描かれていた。


「転生の魔法式だ、 噂には聞いていただろう?」

「えぇ!! 自らの魂を媒介にして自分が死んでも

新しい体に生まれ変わる魔法だ!!「ちょっと待て」


ガーリックの肩を掴むミンティア。


「じゃあ、 何か? アンタは死んでもまた復活出来る、 と?」

「その通りだ」

「死んでも大丈夫だからあんな無茶言ったのか!?」


激怒するミンティア、 自分の覚悟を侮辱されたと怒る狂う。


「安心なさい、 この魔法、 人間の死体が100人あれば使える

ミンティアとノドンス、 二人に魔法をかけてあげるわ」

「・・・・・」


ミンティアは手を離した。


「なんでもっと早く言わなかった・・・それならば皆死ぬ事は無かったでしょう?」

「この魔法は月の住人が作った魔法だ」

「ツキの住人? 何それ?」

「月と言うのは大昔に空に浮かんでいた星でその星では凄まじい魔法が開発されたり

地上よりも進んだ文明を持っていたんだ

月の住人達は恐ろしい、 嘗ての戦争で月が破壊されてから地上人を憎んでいる

故に見せびらかすと月の住人に殺されてしまう」


ドスッ、 とナイフで心臓を背中から突き刺されるガーリック。


「・・・・・」


振り向くガーリック、 そこに居るのは今まで見た事も無い顔をしているノドンスだった。

そしてノドンスは即座にガーリックの腹を撫でる、 そうすると魔方陣が消えノドンスに移った。


「長かった

今までにお前にへーこらして隙が出来るのをずっと待っていた

本当に長かった」


感無量になるノドンス。


「の、 ドンス、 貴様ッ!!」


ガーリックが血を吐き出しながら叫ぶ。


「お前が月の魔法を盗んだ事は知っていた、 何を盗んだのかは知らなかったが

こうして見てしまえば奪う事は容易い」

「貴様、 月の・・・住人か!?」

「いや? だが月の魔法と言うのは知っていた、 お前がその魔法で強大な力を得た事も」

「この魔力は自前だ!!」

「ふん、 エーテルの運用法を月から入手しているのは知っている」

「ッ!!」

「これで私は無限の時間を手に入れた

後は転生を繰り返しながらゆっくりと準備するよ」

「準備だと・・・?」

「あぁ、 力を蓄えて何れこの世界を取る

エーテルの運用法をお前が残したと知っているからな、 その運用法を知れば」

「・・・お前には無理だ」


ガーリックは嗤った。


「無限の時間が有れば解読は」

「あっても無理だ、 お前には解けない」


ノドンスは苛立った、 しかしミンティアの魔法で頭を吹き飛ばされた。


「・・・・・ごめん、 見抜けなくて」


ガーリックは謝罪したがミンティアはガーリックの首を刎ねた。

最早どう足掻いても無駄だと悟ったからだ。

彼女はガーリックの首で免罪を要求しようとしたが

連合軍の総攻撃で交渉の余地無く彼女は散っていった。




再誕歴7703年ディセンバー2日。


ドイツ帝国、 ミュンヘンのアパートメントの一室。


「ハッ!!」


医者(ドクトル)は目を覚ました。


「あぁぁああ・・・」


懐かしい思い出に浸っていた、 一番最初の記憶。

自分が転生する前の記憶、 ノドンスだった頃の記憶。


「ふぅ・・・アスペルガー」

「はいはい」


アスペルガーが医者(ドクトル)に駆け寄った。

今、 医者(ドクトル)はチーズに殺された後、 転生して子供になっている。

新しく生まれた時に自らをウィルパワーで成長させて子供になり

そのままアスペルガーの元に向かった。


医者(ドクトル)は万が一、 自分が倒された時の為に

自分が信頼を置ける者に予め頼み、 子供になった時の世話を任せている。


「しかし信じられなかったですよ、 アンタが負けるなんて

アンタって患者(クランケ)の能力全部使えるんですよね?」

「まぁな、 私は医者だから患者(クランケ)能力(病気)は把握している」


医者(ドクトル)は長年培った観察眼のお陰でウィルパワーに関しての見識も深い。

その為、 じっくり見る、 と言う条件を満たせばウィルパワーで出来る事は何でも出来る。

そのじっくり見るのが難しいのだが、 医者(ドクトル)は投薬により能力を後付けし

その能力をじっくり見る事が出来たのだった

無論元々能力を持っていた者や能力を隠していた者、 見えない能力は対象外である。


「だがチーズ、 奴は侮れない・・・どうにかしなければ・・・」

「転生出来るなら転生し続ければ良いじゃないか

500年もすればチーズも死んでるだろうし」

「最近の奴の活躍を見ると奴が世界を支配しかねない

それは何としても避けたい、 そしてチャンスが回って来た

無呼吸(アプニャ)がエメラルド・タブレットを集めている」

「何か凄いエメラルドの板の魔導書か・・・全部で何枚有るんでしたっけ」

「6枚、 無呼吸(アプニャ)は3つ集めている」

「残り3つですか・・・」

「いや、 こっそり1つはこっちで回収してあるんだ

残り2枚の場所も分かっている」

「つまり・・・」

「あぁ無呼吸(アプニャ)達との奪い合いだ

チーズは兎も角無呼吸(アプニャ)程度ならば殺せる」

「・・・・・ボクも出ます?」

「当たり前だ」

「やっぱりかぁ・・・」


溜息を吐くアスペルガー。

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