ディバイド・イントゥ・ツゥー
再誕歴7701年ジュニアリー9日。
N5にてフェザー一行とマタはホテルを取る為に歩いていた。
「あーら↑ 腕組みをして歩くとは↑やるわねお兄ちゃん↑」
フェザーはサンと何時もの様に腕組みをして歩いている。
「私は伯爵令嬢でしてね、 コーデの一環よ」
「あーら↑ 珍しいコーデねぇ↑!! 私としてはブラレス※1 とか如何かしら↑!!」
※1:ノーブラの事。
「それはコーデじゃない、 唯の露出よ」
「ウーマン・リブ※2を御存じない?↑ 駄目よぉこれからの女がそんな事じゃ↑!!」
※2:女性解放運動の事である。
アメリカでは大分前から騒がれていた事だが
ヨーロッパでは奴隷禁止法が制定されてから奴隷に担わせていた仕事が
大量に溢れて人手不足になった事から女性も働く事になり
そこから『女性も男性と同じ仕事が出来る』と社会的自立心を高めた事が
ウーマン・リブに繋がったとされる。
フェミニズム及びジェンダーの原点ともいわれ
女性の為の教育なども始まったのだった。
「それにお兄ちゃん↑も裸のお嬢様に抱かれた方が良いわよね?↑」
「雇ってくれた恩有る方の御令嬢です、 そんな不埒な事は考えません」
「あら真面目↓ねぇ、 ハァー↑ハァー↑!!」
マタは笑っていた。
「お婆さんは如何してこの街へ?」
「この街の秘密のオ―ションに出品したのよぉ!!↑」
秘密って言っちゃうんだ、 とフェザー達は思った。
「秘密のオークション? 気になりますね」
「あ・・・言っちゃっていいのかしら↓」
「別に良いんじゃないです?」
「そうね↑!! じゃあ言うとね!!↑ この街の・・・」
バッグから手紙を取り出して見るマタ。
「もんと・ずんでぃかーず? とか言う連中がやってるオークションみたい!!↑」
「へぇ、 一体何処でやってるんですか?」
「・・・・・さぁ?」
「さぁ?」
「手紙にはこの街の名前と日付しか書いてないもの!!↑」
「え?」
クラブが手紙を覗き見る。
「・・・ほんとだ、 この手紙悪戯じゃないの?」
「本物よぉ↑!! その証拠に良い紙使ってるじゃない!!↑」
「良い紙・・・?」
「ふむ」
ツゴモリが手紙を見る。
「パピルス※3ね、 確かに悪戯に使うにしては高級な品ね」
※3:古代エジプトで発明された世界最古の紙。
通常の紙よりも高価なので今ではエジプト土産程度の使われ方しかされないが
今回の様に高価である事が事の真偽を確かにする証明であるとして
使われる事も多々ある。
「へぇ・・・おばあちゃんは何を出品したの?」
「ちょっとした不用品をね、 売ったのよ」
「不用品ねぇ」
「そうそう↑!! 売れなくて困っていたんだけどねぇ↑!!
ハァー↑ハァー↓ハァー↑!!」
「なるほど・・・私も興味有るな、 如何にかしてオークションに参加出来ない?」
マタに尋ねるサン。
「うーん↑ 私に言われてもねぇ↓!!」
「それもそうか・・・」
こんな感じでフェザー達はホテルに向かった。
一方その頃
小鬼の一撃と行動を共にしていたデンエンは早くもピンチに陥っていた。
「【Fワード】!! なんてこった!!
泊まろうとと思った一晩宿泊費10ユーロの宿屋が潰れてやがる!!」
オガが叫ぶ。
「おいおいおい、 どうすんだよオガ・・・
この人数を連れて来たのは一晩10ユーロの宿が有るって言ってたから連れて来たんだぞ」
「のじゅくでいいんでね?」
優しい力持ちのアイボが提案する。
「ヴァカ!! ここで野宿したら俺達全員死ぬ!!」
「俺達11人でもか?」
右腕が棍棒になっているヤンキースが問う。
「野宿してたら30人位来るわ!!」
「流石にそれは死ぬな」
「ででででででででででででで※4」
※4:でもそれじゃあどうするんだ?
ドモンが困惑する。
「ここは仕方がない、 宗教の話になるが良いか?」
「ふむ、 なるほど、 如何言う状況だ?」
眼鏡をかけた大柄なインテリ風な男。
ナインティナインが尋ねる。
「宿屋如何しようかって話、 また忘れたのか」
「すまないな」
「話を戻すぞ、 この先にイカレ神父がやっていた教会が有った筈だ
新派※5 のちゃんとした教会だから下手に手出しするヴァカは居ない」
※5:聖人クライストを崇める宗教は様々な分派に別れているが
その中でも最大勢力を誇るのは旧派と新派である。
主な違いは旧派は奴隷を認め、 新派は奴隷を禁止していると言う点である。
但し旧派は奴隷を認めてはいるがちゃんと人として扱う事を求めており
現在旧派を最も強く信奉しているスペイン帝国ではこの事はあまり
順守されていないらしい。
神を信じる者は少ない為、 宗教の力は我々の世界の中世程強くないが
それでも教会に襲撃に入ったら始末に行く教会特務機関が存在するらしい。
「っち!! んじゃその教会って所に行くしかねぇな!!」
目隠しをした傷だらけのハゲ。
チョコラテが叫ぶ。
「まぁ今でもやっているか不安だが・・・行くしか無いだろう」
「駄目だったらどうする?」
「賢い俺は後で考えれば良いと思うぜ!!」
ツンツン頭のブレインが提案する。
「ではそうしようかオガ、 案内してくれ」
「分かったぜ!!」
オガの先導の元教会に向かう小鬼の一撃とデンエン一行だ




