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車輪の上で

ドラップスは馬車の中に入る。


「・・・・・」


装飾も何も無い、 まるで木箱の中の様なそういう印象を受けたドラップス。


「・・・・・」


ベネルクス95世は直立不動で怒りを隠さずにドラップスを見る。


「・・・・・」


ドラップスは生まれて初めて冷や汗を流し始めた。


「『貴族として調子に乗った平民に対して罰を与える』だったな」


ベネルクス95世が呟いた。


「・・・・・え、 えぇ、 フェザーとやらは貴族位を持っていまs「喋って良いと言ったか?」


ベネルクス95世が苛立ちを隠さずに呟いた。


「し、 失礼しました」

「よろしい、 お前の言いたい事は分かったよ」

「本当ですか!?」

「『フェザーに爵位を与えたのは間違いだった』と言いたいのだろう?」

「その通りです!!」

「彼に爵位を与えたのは私の判断だが君は私の判断に異議が有ると言うのか?」

「・・・・・」


言葉に詰まるドラップス。


「何か言いたまえよ」

「い、 いや・・・その・・・何と申しますか・・・

平民に爵位を与えるのは間違っていると思います」

「それで良いのか?」

「・・・・・はい?」


『それで良いのか?』その単語の違和感に汗がまたしても噴き出るドラップス。


「|最後の言葉がそれで良いのか《・・・・・・・・・・・・・》と聞いている」

「!?」


まさかここで殺すつもりなのか!?


「へ、 陛下、 ご、 御冗談を」

「私の国で私の判断を間違っていると言うのならば私の国から出て行って貰う他無いだろう

お前が平民なら見逃して置いても良かったのだが、 お前は公爵家の人間

生かしておいては後々面倒になる」

「さ、 裁判も無しに人を処断するおつもりですか!?」

「裁判も無しにいきなり決闘を行った者が良く言う・・・

だがしかし言わせて貰うと私は王だ、 王は法の上に居る

裁判なんて知った事か」

「なっ・・・」


絶句するドラップス。

既に生きて帰れない事を悟った。

ならば・・・


「っ!!」


ドンッ、 ドンッ。

2発の発砲音。

ドラップスは持っていた拳銃でベネルクス95世を撃った。


「・・・・・」


ベネルクス95世は撃たれた、 が

まるで効いていない(・・・・・・・・・)

鋼鉄の板を撃ったかのように効いていない。


「な、 何故!?」


馬車の扉が勢い良く開いた。


「陛下!! 御無事ですか!?」


王族を守る近衛騎士団達だった隠れて様子を見ていたのだろう。

ドラップスは押し付けられ拘束された。


「その()れ者の首を刎ねよ

ベネルクス王国国王に対する弑逆(しいぎゃく)未遂である」

「!?」


ハメられた!!

ドラップスが脳裏に最期に過った言葉はそれだった。

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