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人倫の話①

再誕歴7668年マーチ3日。


ベネルクス王国独立自治区【ベネルクス・スパニッシュ】。

スペインからの逃亡奴隷だったシンゲツ・バロッグ率いる

伝説の傭兵部隊【サテライツ】が二度の戦争の功績にて勝ち取った特別領である。

戦争が終わり仕事にあぶれた者達の為にシンゲツ・バロッグが立ち上げた決闘代行業

【ブラック・シンゲツ・デュエルエージェンシー】のホームタウンでもある。

【ブラック・シンゲツ・デュエルエージェンシー】は

【ブラック・シンゲツ・コーポレーション】の前身でもある。


そんなベネルクス・スパニッシュの片隅にある孤児院【バロッグ・ライン】

ここにフェザーは居た。

戦争で夫を失い倒れた未亡人の子である。


「べんきょーやーだー」


孤児院の庭にてフェザーはバロッグから出された宿題に涙目になっていた。

バロッグに憧れてバロッグに指示しているフェザーは武術の才能があり

かなりの成長を見せていた、 しかしながら勉強の方は人並みであり

出される宿題の数に難儀していた。


「相変わらずお父さんは厳しいなぁ」


にやにやとその様子を笑うのはバロッグの息子であるシンゲツ・ヴォイド。

こうして頻繁に孤児院に遊びに来るのだ。


「神様もお前の強さと俺の頭の良さを逆にしてくれたら良かったのに」

「ヴォイドはバロッグ(おやっさん)の息子でしょ、 これ以上望んだら悪いよ」

「・・・・・そうだな」


ヴォイドはバロッグの事をあまり好きでは無かった。

偉大な父だが忙しく働いてあまり自分を構ってくれなかった。

だが嫌いでも無かった、 今はまだ(・・)


「若、 あんまり勉強の邪魔しちゃ駄目ですよ」


ヴォイドを窘めるコル。

彼はシンゲツ家の元使用人だったが暇を出されてバロックに雇用されている。

元々は決闘者だったがC級の大した事ない決闘者である。


「爺さん助けて―宿題多過ぎるー」

「爺さんじゃないしまだ260歳(現実で言う65歳)だしー」

「充分お爺さんだよ・・・」

「お父さんよりも年上じゃないか・・・」

「まぁ年取っているだけだからな

フェザー、 これ位は常識だからちゃんと学んだ方が良いぞ」

「むー、 僕は決闘者になるんだから勉強とかやだよ」

「いやいや、 お前が勉強させられているのはマナー中心だ

これは覚えておいて損は無いぞ」

「むー」


むくれるフェザー。


「良いかフェザー、 礼儀作法、 いや人を思いやるって事は大事なんだ」

「まーたコルの説教が始まったよ」


ヴォイドはうんざり、 と言った表情でさっさと離れ

孤児院の他の子どもと遊び始めた。


「・・・・・まったく、 若には困ったもんだよ」


ふぅー、 と溜息を吐くコル。


「でも決闘者に思いやりって必要なの?」

「絶対に必要だ」

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