ルール決め
「・・・・・お前が?」
フェザーを怪訝そうに見るガッチャコ。
「何か不満でも?」
「執事風情が俺に勝てると?」
「心配は御無用です、 フェザーには決闘代行人の資格も有しています」
立会人が説明する。
「決闘代行人・・・・・ふん、 決闘が出来ない雑魚が決闘を代行させる奴か
金で誰にでもつく恥知らずが」
「考え方の相違ですね
決闘法により法では捌きにくい事柄を裁けるようになった世の中ですが
戦闘能力が無い人では決闘を行えない
そういう方々の為の決闘代行人です」
「御託は良い、 餓鬼だろうが俺の目の前に立った以上
ブチ殺すだけだ」
「それは駄目よ」
サンはが口を挟む。
「あん? 何だ? 決闘だぞ? 殺し合いだぞ?」
「殺し合いでは無い、 この領では決闘のルールは非殺傷ルールのみとなっている」
「はぁ? そんなのアリかよ」
「領毎のローカルルールには従わなければならない
これは仕方ないですよ」
立会人が説明する。
「・・・いや、 可笑しいだろう、 俺が領主との決闘で
領主が決めたルールに従うなら俺に不利じゃねぇか」
「一方が有利なルールの制定は原則されませんよ
互いに非殺傷ルールです」
「・・・・・まぁ、 良いか、 だが骨折位は覚悟して貰うぞ?」
「そうですか、 じゃあルールは如何します?
規定回数攻撃を与えた方が勝つ【ポイント】か
相手の武器を落とした方の勝ちの【フォール】か」
「スモーだな」
スモーとは相手を先に物理的に倒す事が勝利条件のルール。
【ダウン】とも称される。
「宜しいのですか?」
「別に良いだろ? 俺はこう見えても決闘の経験は有る
その中でもコレが肌に合うんだ」
「そうですか・・・武器は如何します?」
「剣で殺しちまうかもしれないから素手で良いだろう?」
にっ、 と笑うガッチャコ。
自分の方が体格が良いから殴り合いになればこちらが有利になるだろう。
当然ながら相手は嫌がるだろうから、 それに乗じて
「じゃあ素手で」
「・・・・・あん?」
考えていたガッチャコの思考が止まった。
「・・・・・素手だぞ? 殴り合うんだぞ?」
「はい、 分かっています」
ガッチャコは閉口した。
「ふっ、 殴り合いで勝てると」
「武器が無いだけで殴るだけじゃないでしょう、 蹴ったりとか」
格闘術を齧っているのか・・・と判断するガッチャコ。
「分かった、 じゃあやるか」
にっ、 と笑うガッチャコ。
これなら楽勝だ、 と内心ほくそ笑んでいる。
格闘術なら騎士としての訓練を積んでいる自分の方が有利だ。
ガッチャコはそう思っていたのだった。




