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ブラック・ボックス

「これで全員かな・・・」


【クレーター】政府公舎のパーティ会場にやって来たフェザー。

モーント・ズンディカーズはフェザーに全員制圧された。

100人を超す大人数だったがまるで歯が立たず

『動くな!! 人質を殺すぞ!!』と言う文句を紡ぐ事すら出来ずに全員倒された。


「・・・・・」

「・・・・・」

「逃げよう」

「「だね」」


テラスに居た患者(クランケ)3人組は逃亡した。


「と言うかカジャルスマイストン、 お前普通に喋れるんだな」

「キャラ付けだよ」




一方会場では。


「流石はS級決闘者だな」


捕まっていたスクイド男爵が埃を払いながらフェザーに話しかける。


「スクイド男爵、 御無事で」

「まぁな、 ここを襲撃しに来た連中、 まるで素人だよ」

「全くですな、 その素人に制圧されるここの警備体制には問題が有りますよ」


他の招待客も口々に喋り始める。


「護衛を連れて来ようにも難癖をつけて止めたくせにいざという時は止められないとは」

「・・・・・争った形跡すらない様ですが・・・」

「警備員達は全員逃げたよ」

「信じられない、 カカシ以下だ」

「所詮はハリボテだ・・・こんな物独立国家とは呼べない・・・」

「・・・ハネムーンさんが居ない様ですが」

「あの女なら逃げたよ、 相変わらず勘が鋭い女だ・・・我々も逃げた方が良さそうだ」


そう言ってスクイドはスタスタと去っていく。

ドガドガと大きな音を立てて団初郎がやって来る。


「良く来たなぁあああああああああああああああああ!!!」


フェザーは即座の剣撃、 団初郎のカウンターの居合

更にその居合に対してのカウンターで回転し裏拳。


「っう!!」


団初郎は吹き飛ばされるも踏みとどまった。


「なるほどな、 真っ向勝負はやはり無理か!! ならば!!」


団初郎は懐から一つの石を取り出す。


「それは!?」

「そうだ!! エルダー・ストーンだ!!」

「っ!!」


過日のジェーンとの戦いで厄介さは身に染みて分かっている!!

フェザーの攻撃が届く前にエルダー・ストーンを飲み込む団初郎。


「くっ!!」


ウィルパワーが数倍に膨れ上がる団初郎。


「くくく・・・自己紹介がまだだったな

俺ァモーント・ズンディカーズ患者(クランケ)、 盲目(ブラインド)団初郎だ」

「・・・・・モーント・ズンディカーズはもう壊滅したんじゃないの?

本拠地が潰されたって聞くけど?」

「だな、 本拠地は潰されたしボスの医者(ドクトル)も行方不明、 多分死んだんだろうけどな」

「じゃあ何で戦うのさ」

「おめぇの首を取って名を上げてモーント・ズンディカーズの残党を纏め上げて

俺が新しい頭になってやる!! エルダー・ストーンで強化された力があれば、 べっ」


何かを吐き出した団初郎、 それは蠢く触手の肉塊だった。


「あんまり長い時間はかけられねぇな

まぁ・・・時間をかける・・・必要も、 無い!!」


次の瞬間、 フェザーの眼前は真っ黒(・・・)になった。

団初郎の患者(クランケ)としての名である盲目(ブラインド)から連想される様に

相手の視界を奪い取る能力、 と考えられがちだが違う。


バゴッ!!


殴り飛ばされる1㎥の黒い立方体。

団初郎はウィルパワーで黒い立方体のタルパを作り出して操る事が出来る。

目隠しと見せかけて直接攻撃を行える能力。

初見ではまず騙される、 のだが・・・


「流石だねぇ!! この程度の小細工は承知済みってか!! じゃあこれは如何よ!!」


次々と出現する立方体のタルパ。

そしてフェザーに襲い掛かって来る。


(カウンターでの投げ返しはこの数ではキツイ、 ならば・・・)


フェザーは飛び上がり立方体から立方体へ、 まるでピンボールが如くに跳ね回っていた。

落ち着きが無さ過ぎる。


「・・・・・」


団初郎は刀を納刀し、 居合の体制に入った。

完全に待ちに徹するつもりか!?


「・・・・・」


対するフェザーも攻撃を回避し続ける。

居合を警戒しているのか!?


「確かに近づかなければ斬られはしないし居合も基本的には動かねぇ

なら、 これは如何する?」


団初郎の足元に立方体が展開され立方体の上に乗る団初郎。

動けないならば足元を動かしてしまえば良いじゃない。

何と言うマリー・アントワネット・ロジック!!※1



※1:フランス王妃のマリー・アントワネットの

『パンが無ければお菓子を食べれば良いじゃない』になぞられた

逆にコストが高くなる論理である。

因みに前述の発言は後世の創作とされており

ネガティブなイメージ操作の一環とされている。



「これならばお前の、 がはっ」


またしても団初郎の口から触手の肉塊が出て来た。

先程の肉塊よりも大きく野球ボール位の大きさはある。


「時間が思った以上に無い、 力使い過ぎた」


立方体が整列し壁と天井の様に並んだ。

そして向かい合うフェザーと団初郎。

互いに立方体に乗っており、 上と左右は塞がれている。


「・・・・・」


壁になっている立方体に触るフェザー。


「行くぞ!!」


フェザーと団初郎の乗っている立方体が猛スピードで接近する。

そして

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