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マネー・イズ・インポータント

ジョンはベルミジャールの事はあまり好かなかった。

実力も実績も確かに素晴らしい、 しかし金の亡者と言う言葉が似合うくらいに

金、 金言っている、 セルデン侯爵配下では珍しいタイプの男である。


「領地間決闘です」

「!!」


国家間決闘は決闘者にとっての最上位の名誉である。

事実上の国で最高の決闘者同士が戦う訳なのだから。

しかし現実的に言うとそんな事が出来る物は文字通り数人である。

領地間決闘は国家間決闘に比べると型落ちするがそれでも名誉である。


「如何ですか? これは功績としては最上級では?」

「男爵、 貴方の事が始めて好きになれそうですよ、 それで何処の領と?」

「ベルモンド伯爵の空き領」

「・・・・・」


空き領は過日、 モーント・ズンディカーズに情報を売って囚人を襲撃させた

5人の騎士、 ソリューション、 フロップス、 インターコネクト、 アグリー、 ディレクトリ。

彼等が治めていた領地である、 彼等5人は既に処刑されており

サンが自身が元々収めていた領地に加えてソリューション領を領地とした。

ベルモンドとしてはもっとサンに領地を与えたかったが

サンは『力量が足らない』と固辞し、 ならばフェザーに収めさせようかとも思ったが

フェザーも『経営能力が無い』と固辞した。

結果としてベルモンド直轄地と隣接していたフロップス領を合併し

インターコネクト、 アグリー、 ディレクトリが空き領となった。


「空き領との決闘・・・と言う事は?」あほしほいひほhh

「領地の取り合いですね」

「それは分かる、 私だってそれ位は分かる

何でベルモンド伯爵の領地を我々が取らなければならないのか?

と言うのが疑問なんです」

「不信任だ」

「信用出来ないという事ですか?」

「あぁ、 流石に騎士達の裏切りに気が付かないって何だよって話ですよね」

「確かに理屈は通る、 しかしながら男爵、 これは不可能事だと言うのは

言って居て分かっていますよね?」

「何故?」

「ベルモンド伯爵領での決闘、 即ちベルモンド伯爵との決闘

即ち出て来るのはフェザー、 一度奴に負けた男として再度戦うのは聊か憚られる」

「ジョン、 情けない事を言うな」


セルデンが口を開く。


「お前が鍛えている事は知っている、 お前は以前とは比べ物にならない程

強くなっている、 私が保障しよう」

「えぇ、 確かに強くなっています

そしてフェザーも同じ時間を過ごしました、 ならば彼も強くなっていると考えるのが普通かと」

「いや、 そうじゃない」


ベルミジャールは否定した。


「フェザーは出て来ません」

「何故分かる?」

「フェザーは領地を得る予定でした、 にも拘わらずそれを拒否した

と言う事は出て来ないでしょう?」

「そうなのか? ベルモンド伯爵の決闘を代行する可能性も有ると思うが・・・」

「奴が出てきた場合は此方もS級決闘者を立てる、 それ位の権利は有るでしょう」

「ふむ・・・しかしながら男爵、 それならば男爵が出るのが筋

ならば最初に言っていた領地間決闘は男爵が出る

と言う事は私には関係無い話では?」

「いえいえ、 ここはジョン様が領地間決闘に出場し、 得た領地を私に渡す

と言う形にすれば良いのです」

「なるほどなぁ・・・で?」

「で? とは?」

「恐らく領地獲得に動いているのは我が領だけでは無いでしょう

他の領も動いているのでは?」

「えぇ、 セイバーダー子爵とルン子爵が既に参加を表明しています」


セルデンは少し驚いた。


「ルンも動くか、 意外だな、 領地拡大とか興味無さそうだったのに・・・

いずれにせよセイバーダーが動く、 奴も武家、 舐められるなよ」

「はい!!」


頭を下げて退室するジョンとグレゴリオ。






一方その頃

ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセルの

ブリュッセル王宮の会議場にて、 一つの緊急議題が挙げられた。


「ドイツでの騒乱、 大きくなり過ぎている、 このままでは周辺国に飛び火しかねない

そこで早急にドイツ帝国付近に拠点を作り上げたい」


ワームウッドが提案した。


「そうなるとハウバリン公爵門閥の土地がドイツ帝国に面しているから

土地を買い上げたらどうだろうか?」

「買い上げると軽く言うが資金の捻出は如何するつもりですか?

財務大臣として言いますが予算内でやりくりして下さいよ」


エンペスキーが先んじて釘を刺す。


「金と言うが、 これは肝心な話だぞ」

「金も肝心な事ですよ、 大臣のお歴々には既に予算配分をしていますので話し合って頂きます」

「となると、 これは軍務? それとも外務? 内務?」

「軍務大臣閣下が言い出したのだから彼が支払うのは道理と言う物では?」

「いや、 これは国外に関する事だし外務大臣のコーシーの預かりだ」

「だが国内に拠点を作ると内務の領域」

「諸君、 静粛に」


ベネルクス95世が静かに制する。


「ベネルクス伯爵領で空き領を巡っての領地間決闘を行っているらしい

軍務大臣、 貴方もこの領地間決闘に参加して来て領地を取って来なさい

そうすれば土地の買い上げも怒らず経費が浮く」

「・・・・・分かりました、 では全力でやらさせて貰いましょう」

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