ワンダー・ランド
患者達は一斉にフェザーに向かって攻撃を放つ。
”音恐怖症”凪がウィルパワーによる力場を展開し音を消滅させ
”視線恐怖症”アイレスの私を見ないで下さいにより
強制的に視線を逸らさせて音と視界を塞ぎ。
”頭蓋骨陥没”カイザーは頭蓋骨のタルパを
”低所恐怖症”ヘイグラウンフォはフェザーの頭上から
ウィルパワーを落とす頭上注意を
”多毛症”ジャスミンは両腕の体毛を伸ばし
”ニコチン依存症”カリマゾンは口から高熱の煙を
”過剰歯”シャークは口から大量の歯を打ち出す
歯の妖精を
”先端恐怖症”シャーシンは槍のタルパを構築し突進し
一気に攻撃を加える。
フェザーはディスタンスで頭上注意を防御。
頭蓋骨のタルパを受け止めて回転し、 移動しながら投げ返して
高熱の煙を払いながらジャスミンを叩き潰しシャーシンの槍の一撃を躱して羽交い絞めにして
盾にして歯の妖精を受け止める。
”水疱瘡”烏骨鶏がシャーシンに触れて自身の能力
泡だて器を発動。
シャーシンはみるみる内に膨れ上がり破裂、 する前にシャーシンを患者達に投げつける
そして破裂し飛び散った肉片、 骨片が患者達にダメージを与える。
「ちぃ!!」
烏骨鶏がフェザーを触ろうとするが手の内に入られて短打によりウィルパワーを内蔵に叩き込まれ即死!!
「旦那、 ヤバくないですか?」
「ヤバくない!! ドォルオタ!!」
ドォルオタ、 圧倒的な礼儀作法をウィルパワーで強化して暴力的な運動エネルギーをゼロにする
|交渉の席は準備してある《テーブル・マナー》の使い手であり
ヴォイドの側近でもある。
「我が子よ、 アレは|交渉の席は準備してある《テーブル・マナー》では止められない
止められても1秒でも無理ね」
「何故!?」
「礼儀作法で何とかなるレベルを超えている」
「ちぃ・・・じゃあ俺の個人領域を・・・」
ここで短指症がヴォイドに向かって射られた矢を叩き落とす。
「・・・・・やろぉ・・・」
戦闘員達も戦闘に参加していた。
無謀に思えるかもしれないがこれが仕事なのである、 どれだけ力量差が有ろうと
どれだけ人数が居ようとも戦う、 幸い今回は頭数はこちらが上だ。
しかしながら力量は敵が上、 勝ち目は薄い。
と思われたが
「てめぇ!! 俺ごと攻撃するな!!」
「ふざけんなヴァカ!! てめえが先だ!!」
「アイレス!? おい!! 何やってんだよ!! 俺とアイレスを守れよ!!」
敵方は同士討ちが多発し、 まともに戦える状況では無かった。
無論、 攻撃の威力は高く当たればタダでは済まないのだが
明らかに制御できていない、 まるで・・・
「素人だな・・・」
如何に強力な武器を持っていても扱えなければ意味がない。
更に言うならば大勢で一斉に扱えない武器を使えばこのような事態になるのは明らかである。
「無様としか言い様が無いな」
フェザーがヴォイドに向き直る。
「ヘント大学飛び級で首席卒業した男の考える事とは到底思えない程考え足らずだ
薬で無理矢理強くなってそれで勝てる程
甘い世界じゃないのは仕事を通じて知っていただろうに」
「今回は俺の個人領域の慣らしも兼ねている・・・
なぁ、 分かるだろ? 個人領域がどんな物か」
「・・・・・」
フェザーにはウィルパワーの流れが見えている。
ヴォイドから展開される個人領域。
空間を通してヴォイドからウィルパワーが供給されている。
「おやっさんの大空に似てるな」
「あれ以上だよ、 親父の大空は
お前の小さな世界を複数対象に適用させる
個人領域と言いながら空間を区切らないとか
滅茶苦茶な事をしているが・・・まぁそれは置いておこう
俺の個人領域、 不思議の国は
親父同様、 自分の陣営の連中の強化する事が出来る」
「強化してこれなら元は大した事無いな」
「ククク・・・更に」
ウィルパワーの流れが強くなる。
「まだ強くする事が出来る、 区切る必要が有るが出力は俺の方が上だ」
「あ、 そ」
フェザーはヴォイドに斬りかかるも短指症が迎撃
迎撃に合わせてカウンター、 そのカウンターに合わせて短指症がカウンター。
流石に返せずに受け流して距離を取る。
「空手・・・いや中華武術か」
「その通り、 とは言えねぇな、 我流だし」
「そうか」
剣を仕舞うフェザー。
流石に素手の男相手に剣を使うのは反応が遅くなると判断し
自らも素手になった。
そして即座に距離を詰めるフェザーだった。




