表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
242/479

キャッスル・フロント

再誕歴7702年ノーベンバー12日。


チェルノボグ城に到着した一行。

ヨーロッパ連合各国の外交官。

ベネルクス95世と貴族達とその護衛を含めればその数は1000にも届こうかと言う人数である。


「壮観ですね、 我が愚弟の不始末の為にここまで来て頂きありがとうございます」


ヴェルギウス公爵5男マイルズが皆に礼をする。


「いやいや、 これは不始末に入らないよ」


ゴディバ公爵門閥貴族クーベルチュール準侯爵が口をすぼめて動かしながら飄々と笑う。


「襲われて不始末だったら貴族達は不始末だらけだよ、 そうだよな?」

「全く持ってその通り」

「親父殿の言う通りでございます」


クーベツチュールの双子の息子のカバーとディップが恭しく礼をする。


「雪辱を与えられたのならば雪辱を晴らすチャンスを手に入れたと考えた方が無難ですな」


セルデン侯爵が軽く溜息を吐く。


「寧ろ、 私の息子がとっととマイケル君を助けてしまえば良かったのですがね

所でサン令嬢、 貴方の父君は来ないのですかな?」

「えぇ、 私が呼ばれたのならば自分は出るまでも無いと」

「御信頼が厚い」

「・・・・・フェザー君、 だっけ? 我が国の代表として出るのだから

恥は晒さないでくれよ」


マイルズが嫌味そうにフェザーを見る。


「恥は寧ろ貴方の方ですけどね」

「はい?」


ベネルクス95世の言葉に冷や汗を流しながら返事をするマイルズ。


「な、 何かご不興でも・・・」

「ヴェルギウス公爵門閥の方々は最近新しい事業を始めたがらない

安定した収入は確かに素晴らしいのですがチャレンジ精神が薄いと言わざるを得ない」

「安定した立場ですので、 そこまで一生懸命にならずとも」

「確かに安定していますが、 昨今のヴェルギウス公爵門閥全体の税収は

ワースト1, 2が定位置です」

「え、 まさか!!」

「税収自体はずっと安定していますが

他の門閥の税収がじわじわと上がり続けていますから

マイルズさん、 余り下を委縮させないであげて下さい」

「は、 はい・・・」


マイルズは汗をだらだら流した。


「後、 他の国の外交官の方々も来ていますのでご注意下さい」

「・・・・・陛下、 ルクセンブルク門閥の方がいらっしゃらないようですが・・・」


マーナガルムが周囲を確認する。


「私が行くので良いでしょう」

「なるほど、 確かにそうですね」


そんなこんなが有りながらチェルノボグ城に入る一同だった。





玄関の大広間に待ち受けるゲオルギーと彼の配下。

そして縛られているマイケル。

少し離れた所で立っているジョンとグレゴリオ。


「陛下、 捕まってしまい申し訳ありません」

「気にする必要は無い」


マイケルの謝罪を受取るベネルクス95世。


「陛下? じゃあ君が皇帝か?」

「ベネルクス王国の現女王ベネルクス95世です」

「【旗国50家】ヴェルギウス公爵が5男マイルズです」

「ヴェルギウス公爵門閥【旗国50家】のニッケル子爵です」

「同じくヴェルギウス公爵門閥【旗国50家】のオレイン子爵です」

「ゴディバ公爵門閥のクーベルチュール準侯爵です

後ろの二人は息子のカバーとディップです」

「「よろしく」」

「ハウバリン公爵門閥の」

「待った」


制止するゲオルギー。


「まさか全員名乗ろうとしているのか?」

「ハウバリン公爵門閥のセルデン侯爵です」

「マーナガルム男sy」

「いや、 だから待てって、 何で全員名乗ろうとしているの?」

「挨拶は大事でしょう」

「これから殺し合いするんだから省けよ、 頭イカレてるのか?」

「頭イカレてると言う方がイカレてるのだ、 この間抜け」


ベネルクス95世の言葉に空気が凍る。


「なっ何だと!?」

「こっちはヨーロッパ連合の外交官の方々も来ているんだ

ロマノフ帝国とやらではその様な対応を取るのが礼儀か?」


明らかにベネルクス95世は怒って居る。

ゲオルギーは眼を逸らした。


「確かに悪かった、 だがしかし私とて平常ではいられないのだ」

「平常で居られないのならば撤退を提案しますよ」

「そうではない、 問題はこの男だ」


そう言ってマイケルを指差すゲオルギー。


「人に指をさすな!!※1」



※1:当然ながらとても失礼である。



「何でお前の失礼が私のせいになるんだ?」

「お前全然狼狽えないじゃないか!!

捕まっているのに何で狼狽えない!!」


明らかに狼狽えながらゲオルギーは叫んだ。


「だから言っているだろう、 お前程度の人間がS級決闘者

例えるならばフェザーには勝てないと・・・」

「私でも勝てるぞー」

「ドーカンです」


ジョンとグレゴリオも合の手を入れる。


「ジョン、 お前何で戦わないんだ」


セルデンが問いかける。


「決闘のセッティングを条件に北征遠征部隊の兵の撤退と

マイケル様の身の安全の保障をと約束しましたので」

「そうか」

「お前もだからな、 何で一睡もしないでずっと見張れるんだ」

「慣れてるからな」

「えー、 盛り上がっている所悪いのですが

そろそろ決闘を始めようじゃありませんか」


立会人№117が割って入る。


「お前は?」

「どーも本決闘の立会人をさせて頂いておりますEUDMOの立会人№117でございます」

「・・・・・そ、 そうか、 よろしく頼む」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ