ドライバー
どた、 と倒れるペーパー。
「誰も動くな、 誰も死にたく無いだろ」
「あ、 アンタ・・・何をしてるのよ!!」
二丁拳銃でペーパーとマクガフィンに銃口を向ける御者。
従業員は隅で震えている。
「な、 何だ何だ?」
「何が起こってるの?」
デニスとアストロジャーは困惑していた。
「マクガフィン!! 貴様!! 如何言うつもりでその男を連れて来た!!」
マクガフィンは撃たれた肩を抑えながら叫ぶ。
「ど、 如何言うつもりって・・・
わ、 私はただ今回の件についての真実を公表しようと・・・」
「あぁ、 心配すんなペーパー、 俺がこのお嬢ちゃんを騙して利用しただけさ」
事も無げに言う御者。
「ど、 どういう事?」
「良く考えて見ろよお嬢ちゃん、 アンタが病院から抜け出して
パジャマ姿のアンタの元に都合良く辻馬車が止まって、 しかもアンタに協力する?
どんな偶然だよ、 そんな偶然ありえねー、 最高に運が良くても
アンタは誘拐されて身代金要求されるのがオチだ
辻馬車の御者って金に困ってるの知ってるだろ?
まぁ俺は辻馬車の御者じゃないがね
いや一応今回の件で辻馬車の御者に就職したけどさ」
苦労したぜぇ、 と笑う御者。
「アンタ、 誰よ!!」
「モーント・ズンディカーズ・・・幹部の運転手だ・・・」
「モーント・ズンディカーズだと?」
デニスは困惑した。
「どういう事だ?」
「へっ、 そのおっさんが持っているって言う
エメラルド・タブレットって奴を回収に来たんだよ
死にたく無ければとっとと寄越せ」
「誰が渡すか!!」
「アンタさぁ、 俺達に貸しがあるだろ?
その貸しを返す意味でも寄越せよなぁ?」
「貸し、 ですって!? どういう事ですかお父様!!」
マクガフィンがペーパーに向かって叫ぶ。
「っ!!」
「言えないなら俺が言おうかぁ?」
「止めろ!!」
「じゃあエメラルド・タブレットを出せよ、 早く」
「・・・襲撃が起きた時点で最重要な物は早急に運び出した
既にここには無い、 そもそもアレの重量は私では運べない程重いんだ」
「何だと? じゃあエメラルド・タブレットは何処にある?」
「別の拠点さ」
「別の」
どむ、 と銃声が響く。
運転手がデニスに発砲したのだ。
「ちぃ・・・」
デニスは何とか金貨でガードした。
「俺は戦闘要員じゃないが注意力は有るんだ、 下手な真似はするな
アンタのせいで一国の重要人物が殺されましたぁ、 なんて事になるのは嫌だろ?」
「・・・・・」
歯軋りするデニス。
「で、 別の拠点って言うのは何処だ?」
「サークルビルだ、 星派の秘密の拠点が有る」
「よし、 じゃあ立て、 アンタにはまだやって貰う事がある」
「やって貰う事、 だと? 何をさせるつもりだ?」
「人質だよ人質、 この決闘者から逃げるのには必要だろ、 人質」
「・・・・・分かった、 ならマクガフィンは置いて行け、 人質なら私だけで良いだろう」
「ふん、 分かったよ」
ペーパーとマクガフィンに銃口を向けながらペーパーの元に移動する。
そして二丁拳銃をデニスとペーパーに向ける。
「じゃあ出口を教えて貰おうか」
「分かった、 そこの掛け軸の裏にボタンが有る、 それを押せば隠し通路が開く」
「じゃあ押せ」
「・・・!!」
そう言ってペーパーを突き放す運転手。
「・・・・・」
「如何した? まさか罠って訳じゃないよな?」
「・・・・・」
ペーパーは掛け軸を捲ってボタンを押した、 するとジャッ!! と隠し通路開いた。
「あれ・・・本当だったのか? じゃあ良いや、 さっさと行こうか」
ペーパーを連れて隠し通路を進む運転手だった。
「後を追ったらこのおっさん殺すからなぁ」
運転手は去り際に言った。
「っ・・・」
アストロジャーは自身の手を見る。
「如何した」
「天体配置が倒されたらしい
誰かがコッチに来る!!」
「ちぃ!!」
身構えるデニスとアストロジャー。
そしてやって来る、 フローラ、 アンテイア、 クローリスの3人。
「お前達、 モーント・ズンディカーズか!?」
「違う!! この国を救う為にエメラルド・タブレットを回収して来いって言われてるの!!」
「何だと?」
聞いた事の無い轟音が隠し通路から響く。
「何だ!?」
「っ!!」
デニスは隠し通路に入った。
アストロジャーとフローラ、 アンテイア、 クローリスも後に続いた。
隠し通路は吊り廊下の様な風貌で広い空間に廊下が有ると言う場所だった。
そして隠し通路の天井に穴が開いていたのだが・・・
「クキャハハハハハハハハ!!」
「皆!! 下がってて!!」
「離せおっさん!!」
「くたばれええええええええええ!!」
化物とフェザーが空中戦を仕掛けている所に運転手の両手を掴んで
逆に銃口を向け様とするペーパーの姿だった。
「っ・・・・・!!」
「くっ・・・!!」
デニスとアストロジャーは怪物の強さを瞬時に把握し勝てないと判断、 その場から即時撤退した。
「・・・・・」
フローラ、 アンテイア、 クローリスも実力差を感じた、 だが。
「行くわよ!!」
「「はい!!」」
フェザーに加勢する事にした。




