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マッド・スマイル

再誕歴7702年ジュライ4日。


通信モノリスの通信ルーム。

モーント・ズンディカーズが独自の改造をしたモノリスでの会話が行われようとしていた。


>>医者(ドクトル) さんが入室しました

>>看護師(ナース) さんが入室しました

>>受付(レツェプツィオーン) さんが入室しました

>>アスペルガー さんが入室しました

>>心臓発作(ハートアタック) さんが入室しました


「うん? 運転手(ドライバー)が来ていない様ですが・・・何か有りました?」


心臓発作(ハートアタック)が尋ねた。


「彼には仕事を任せています」


医者(ドクトル)が喋る。


「仕事? 一体何を?」

「スターダストと言う国に隕石が落下し大きな被害が起きています」

「ニュースでは聞いていないね」


受付(レツェプツィオーン)がツッコむ。


「連中は上得意先でもある、 確認は取って有る

話しを戻してスターダストには極めて価値が高い物品がある

彼にはそれの奪取に行って貰いました」

運転手(ドライバー)だけで?」

「彼の部下の患者(クランケ)も何人か一緒です」

重篤患者(エルンスト・クランケ)じゃなくて大丈夫ですか?」

「私も勧めたんだけどねぇ・・・彼、 誇大妄想(メガロマニア)の死を引き摺っているらしくて」

「彼がそんなセンチメンタルな奴だとは知りませんでしたね」

「信用が出来ないという話だろうね、 アスペルガーが誇大妄想(メガロマニア)を謀殺したと

思い込んでいるらしい、 最高幹部でも切り捨てるから信用出来ないと面と向かって言われたよ

まぁモノリス越しだけどね」

「それで彼は今どこに?」

「スターダストに潜り込んでいるらしい」

「ふむ・・・」


受付(レツェプツィオーン)が考え込む。


「その極めて価値が高い物品とは?」

「私も詳しくは知らないが、 私の師が終生欲しがっていた本

いや本が生まれる前の石板の様な物らしい

通称【エメラルドタブレット】」

「内容は?」

「恐らくは革新的な内容だと思う」

「あー・・・・・」


考え込む受付(レツェプツィオーン)


「内容を知らないのに欲しがっているんですか?」

「そうだな、 だがしかし、 私の師は超絶の魔法使いだった

師が欲しがっているのならばそれは凄まじい物だと言う事は間違いない」

「ちょっと良いですか?」


心臓発作(ハートアタック)が挙手する。


「貴方の師匠さんが如何言う人だか知りません

しかし貴方がそこまで言うのならば凄まじい方だとは思います

しかしながら人類は進歩しています

過去の偉人が欲しがった物が現代の我々の役に立つかは分からないのでは?」

「確かに・・・私は内容は知らない、 だがしかしスターダストではエメラルドタブレットを使った

ヨーロッパ連合との隕石被害の避難交渉が進行しているという噂をキャッチした」


騒めく一同。


「そのエメラルドタブレットはそれだけの価値が有ると?」

「国、 いや、 連合を動かすだと・・・」

「信じられない・・・」

「尚更、 重篤患者(エルンスト・クランケ)じゃなくて大丈夫ですか?」

「問題は無いだろう、 但し、 当然ながらエメラルドタブレットを狙っているのは

我々だけではない、 隣国オゾンのオズ大公も狙っているとの情報が入っている

彼は直属部隊【ブリキの木こりチン・ランバージャック】を動かしている」

「ランバージャックを動かすとは・・・本気ですね、 だがこれはチャンス

奴等が居ない内にオゾン国に潜り込めますね」

「あぁ、 運転手(ドライバー)の援護も出来る

心臓発作(ハートアタック)、 部下を連れて至急オゾン国に拠点の準備をお願いします」

「分かりました、 我が直属心臓病(ハーツライブン)を連れて行きます」


おぉ、 と歓声が上がる。


心臓発作(ハートアタック)直属部隊か、 なるほど面白そうな事になりそうだ」



くっく、 と笑う受付(レツェプツィオーン)


「それではこれにて臨時会議を終わります、 皆さん解散」



>>医者(ドクトル) さんが退室しました

>>看護師(ナース) さんが退室しました

>>受付(レツェプツィオーン) さんが退室しました

>>アスペルガー さんが退室しました

>>心臓発作(ハートアタック) さんが退室しました




心臓発作(ハートアタック)

心臓発作(ハートアタック)は通信モノリスから手を放して立ち上がった。


「何だか良く分からないがランバージャックが居なければオゾンは取れる」


心臓発作(ハートアタック)はオゾン公国を蹂躙できるかと思うにんまりと笑った。


誇大妄想(メガロマニア)亡き今、 モーント・ズンディカーズ最強の座は貰った」


前々から誇大妄想(メガロマニア)に敵対心を持っていた彼にとって

誇大妄想(メガロマニア)の死は渡りに船

このままモーント・ズンディカーズ最強の座を得て勢力拡大を目論むのだった。

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