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アイ・ディデゥント・ゲット・ザ・メモ

再誕歴7702年エイプリル10日。


サン伯爵令嬢領の外れにある土壇場※1 跡地にて集まるサンとフェザー一行とノスル。



※1:斬首刑場の事。



「・・・ここは?」

「土壇場跡地、 石畳もあるしここならば決闘にも問題無いでしょう」

「問題無いって・・・石畳も割れてたりしてるじゃないか・・・」


ノスルは嫌そうに言った。


「好きにしろって言ったのは貴女の筈だけど?」

「限度ってモンが有るだろう」

「嫌なら止めますか?」


立会人が尋ねる。


「嫌だって言うなら止めても結構ですよ? その場合、 貴女は犯罪者なので

犯罪者として応対に変わりますが」

「私を脅すつもりか?」

「貴女は脅しを咎められる立場か?」


立会人が述べる。


「実際に襲撃をかけている貴女に言われたくない」


サンが述べる。


「貴様等・・・舐めやがって・・・」

「犯罪者に対して敬意を払う必要が有りますか?」


フェザーが問う。


「・・・・・」


ノスルが歯軋りをする。


「ではルールだが見せ合い無し、 ダウン、 リングアウト有※2 にする

リングはこの石畳の四角形の中」



※2:決闘のルールの一つ、 前もって決めた闘技場から外れたら負けである。



「・・・・・どういう事?」

「倒れたりこの石畳の外に出たら負けと言う事ですね」

「ふざけるな!!」


ノスルは立会人の説明に激昂した。


「何だそのお遊びルールは!! やってられないわ!!」

「嫌なら止めますか?」


立会人が尋ねる。


「嫌だって言うなら止めても結構ですよ? その場合、 貴女は犯罪者なので

犯罪者として応対に変わりますが」

「貴様ッ・・・何という卑劣なっ・・・」

「貴女は脅しを咎められる立場か?」

「・・・・・」


ノスルが歯軋りをする。


「!!・・・剣は使って良いのだろう?」

「別に構いませんよ」

「ならば”うっかり”その執事を殺しても問題は無いな?」

「心配要らないですよ、 私は”うっかり”しませんから」


フェザーからの受け答えに首を傾げるノスル。


「いや、 私が”うっかり”殺すという話だろう? 何でお前が”うっかり”するんだ?」

「私が”うっかり”しなかったら貴女は私は殺せないでしょう?」


フェザーに言葉に激昂するノスル。


「良いだろう!!!!!!!!! では生き残って見せよ!!!!!!!!!!」


石畳の上に乗るノスル。

フェザーも後に続く。


「それでは決闘を始めます

立会人は№031が務めますので両者名乗り」


名乗りを上げる前にノスルはフェザーに斬りかかる。


「おいコラ!! 何やってるんだ!!」


立会人がノスルを地面に叩きつける。


「貴様ッ!!!!!! 決闘中に何をする!!!!!!!!!!!」

「何をするはお前の方だ!! 名乗りを上げる前に不意打ちとは如何言うつもりだ!!」

「何ィ!?」

「何ィじゃない!! お前、 決闘法に置いて名乗りを上げないのは不戦敗と同義だぞ!!」

「そ、 そんなの聞いてない!!!!!!!」

「こんなの一般常識だ間抜け!!」


立会人に縛り上げられノスルは拘束されて連れていかれた。


「糞ォ!!!!! 私はコーデックスと結ばれる筈なの!!!!! アイツの子を産むのは私なの!!!!!

あんな横から湧いて出た女じゃない!!!!! 私が!!!!!」

「黙ってろ!! 喚くんじゃない!! 気色悪い!!」


立会人に拘束されて連れていかれたノスルは3日後にやって来たセイバーダーの手の物に引き渡され

武術盗用と諸々の罪で終身刑になるのだった。






「・・・・・うわぁ・・・」


ピラは連れていかれるノスルを見てドン引きしていた。


「引く事は無いさ、 恐らく彼女は勘違いをしているのだろう」

「勘違い? 何をだ?」

「女性武芸者にありがちな話なんですがね

自分の年齢を忘れるって事が結構あるんですよ」

「「「・・・・・はぁ?」」」


フェザーの言葉に困惑する一同。


「年配の女性騎士が見習の少年騎士に対して男女の誘惑をかける

と言う事が有ります」

「・・・・・何処のエロ小説よ」

160歳(現実の40歳)の年配から迫られるのはホラー小説の部類かと思いますよ

あのおばさん(ノスル)は年齢は?」

「コーデックスと同じ年なら200歳(現実の50歳)ですね」


アリメンタリウスが答える。


「コーデックスの子供を、 私の子供を寄越せと言って来ましたが

子供も小さい方でも80歳(現実の20歳)・・・最早子供の域じゃない」

「狂気の沙汰だなぁ・・・・・」


溜息を吐く一同。


「結局戦わなかったわね」

「戦ったらぶちかましでぶっ飛ばしますよ

幾ら光速の剣術でも素手には速度で劣りますし・・・」

「如何します? 今日は・・・」

「とりあえずセイバーダー子爵に抗議文でも書くわ・・・」


こうして一人の中年女性が突っ走った結果、 起こった騒動は幕を下ろしたのだった。





「・・・・・」


遠くからフェザー達の様子を伺うクラブ。


「戦わずに済む事になるとは・・・想像以上に想像以下だなぁ」


クラブの隣でチーズがせせら笑う。


「チーズさん、 お嬢が何をするのか知りませんがもしもアンタが

いやアンタ達がお嬢をそそのかすのならば私は許さない」


クラブが宣言する。


「妄想逞しいなぁ」


チーズがせせら笑った。

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