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ドッグ・アンド・デュエリスト

「!?」


ノスルの脳天に踵落としが炸裂する。

ノスルの斬撃に対してフェザーは即座にウィルパワーを流して防御!!

更に力を利用して縦回転!! その回転エネルギーと共に踵落とし!!

以前ジョンとの決闘で見せた動きの発展形だ!!

ジョンには加減をしたがノスルに手心無しの攻撃である!!

ノスルの両足首が地面にめり込む!! がっ!!


「舐めるな!!!!!!!!!!!!! ガキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」


即座に地面から足を引き抜くノスル。


「足首折るつもりだったのに頑丈だな」

「お前ウィル・ユーザー※1 だろ!!!!!!!?」



※1:ウィルパワーを戦闘に取り入れている者達の総称。

現在ではウィルパワーを戦闘に取り入れるのは当たり前になっており

半ば死語となっている。



「そちらはウィルパワー無しか、 アンチウィルパワー戦略?」

「ふん、 ヴァカが!!!!!!!!!! ウィルパワーなんぞ取るに足らない物に心を割くよりも

鍛えた方が良いだろう!!!!!!!!!!!!!」

「それは違う」


断言するフェザー。


「体を鍛えるのは大前提、 あらゆる武術にとって常識であり

武術を修める者にとって義務だ、 ウィルパワーも並列して鍛えるべきだ」

「ふん、 私には【餓狼剣】の技が有る、 ウィルパワーなんぞ無くても問題無い

現にお前は私の攻撃を防げなかっただろう」

「確かに早いが両断されていないならば当たっていないと同じでしょう」

「そうか、 ならば・・・」

「あいや、 そこまで!!」


フェザーとノスルの間に割って入るのは立会人。

サン伯爵令嬢領担当の決闘立会人№031。


「立会人? ふん、 決闘で決着を付けろと言いたいのか?」


ノスルが鼻を鳴らす。


「私は別にこのまま戦ってもいいのだぞ?」

「いえいえ、 貴女はもう終わりですよ」

「・・・・・何?」


イライラしながらノスルが睨む。


「武術盗用、 及び|ベネルクス王国貴族麾下施設《洗濯小屋》の襲撃

及び|ベネルクス王国貴族令嬢執事フェザーに対する攻撃

貴女はもう二度と表舞台には立てません

ならばフェザーと戦って華々しく散るのは如何かと提案しているのですよ」

「私がコイツに負けると?」

「えぇ、 勝てませんね」

「何故そう思う?」

「私に言わせないで下さいよ」

「・・・・・」


チラリ、 とフェザーを見るノスル。


「御領主様、 如何なさいますか?」

2日後(12時間後)に再開、 それまで監視下に置かせて貰おう

構わないな?」

「別に良いわよ、 お好きにどうぞ」

「ちょっと待って下さい御領主様」


ピラが割って入る。


「ベルモンド伯爵領ルールでは決闘を行う日付は決闘の書類申請後の4日後以降の筈です」

「確かにその通り、 しかしながら問題としてノスルは犯罪者だ

早急に決闘をしなければ逮捕される可能性が有る為に早く決闘を行う必要がある

それ故に処置だ」

「毒矢規定※2 ですね」



※2:決闘における超法規的な規定。

決闘を行う者の片方がやむを得ぬ理由によって自由、 若しくは命を失う時

早急に決闘を行う事が出来るという規定。

この規定は再誕歴5980年のドイツで何者かに毒矢に討たれたゲーデリッツ氏が

終生のライバルで会ったボガロ氏に決闘を申し込んだが

その地域では既定の曜日にしか決闘を行えずゲーデリッツは毒により死亡。

ボガロ氏はライバルとの決着が永遠に着かなかった事を嘆き

決闘の規約変更の為に立ち上がって、 この規定を追加した。



「時間は決まりましたね、 じゃあルールは「決闘にルールなんて要る?

相手を殺した方が勝ちで良いでしょ」


割って入るノスルに立会人が舌打ちした。


「ベルモンド伯爵領の決闘のルールにデスマッチは無い」

「はぁ? 決闘なんて殺し合いでしょ? それなのにデスマッチが無いなんて

聊かなまっちょろいのでは無いのかしら? まぁ女の子だから仕方ないかなぁ?」

「・・・・・」


フェザーは心底軽蔑した眼をしてノスルを見る。


「デスマッチ以外出来ないだけでは?」

「何?」

「だからデスマッチじゃないと勝てないからデスマッチを求めている

と言う事なのでは無いのですか?」


煽るフェザー。


「ヴァカじゃないの? 命の張り合いであるデスマッチこそ真の決闘じゃないの?」

「命のやりとりじゃないと決闘が出来ないんですか?」

「・・・・・命のやりとりが無い決闘の誇りは有るのか?」

「有りますよ」


断言するフェザー。


「決闘者が負ける、 と言う事は殺される事と同義です

負けても生きている、 と言う事はまた決闘で負ける(死ぬ)かもしれない

考え様によっては何度も死ぬ決闘者は命を張らなければならない人よりも過酷かもしれませんね」

「ふん・・・まぁ良いだろう、 お前の口車に乗ってやろうか

決闘の方式は好きにしろ、 但し此方も条件がある、 私が勝ったらコーデックスの子に会わせろ

最早コーデックスの子を連れて行くのは難しい、 ならば一目見させろ」

「・・・・・」


アリメンタリウスを見るサン。


「・・・見るだけならば」

「なら決まりだな」


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